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ぐれダルマ

商品番号tk003000
商品名

ぐれダルマ
現代美術二等兵 ポストカードBOOK

価格

ぐれダルマ : ¥165,000(税込)
ポストカードBOOK : ¥662(税込) 

限定数

サイズ

ぐれダルマ : おおよそΦ200mm・H275mm
ポストカードBOOK : 100mm×148mm

素材

ぐれダルマ : 和紙・樹脂粘土・発泡スチロール
ポストカードBOOK : 紙

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

ぐれダルマ : 一覧表をみる >
ポストカードBOOK : 167円(メール便)

納期

ぐれダルマ : 3ヶ月程度(受注制作)
ポストカードBOOK : 1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーヤナギサワ

目を入れるタイミングって‥

ときどき思い出してはムフフと、長いこと笑いのおかずにさせてもらっていたぐれダルマ。

そんなおかずがたくさんつまった謎のホームページに偶然辿り着いたのは半年以上前のこと。
見つけてしまってひとりニヤリ。そのうち、ねえちょっとと人に見せたがる自分。刺さる作品が人によって全く違うので、笑いの趣向性の違いに改めて新鮮さをおぼえたり。ひとしきり楽しませてもらいました。

何度となく見にきては、毎度笑いを誘うぐれダルマへの思いは、見る見る間にふくらんで、気が付けばアタック開始!
ついに、まさかの作品販売を快諾してもらえる日がやってきました。

きっかけとなったホームページで
ぐれだるまに添えられていた言葉は以下。


『 僕の中学生の頃、全国的に校内暴力というのが蔓延していて通っていた学校もご多分に漏れず酷く荒れていました。学生服も丈が長く、異常に太いズボンのツッパリたちが授業中でも廊下をうろうろしてました。そしてヘアスタイルは何故かパンチパーマで、ひさしというか、とさかというか、前にせり出した髪型が主流でした。それは全然10代に見えないおっさんぽいスタイルでした。最近の若者のワルな人というのは多様化してるみたいでずいぶんオシャレっぽくみえます。

全然関係ないですが、大学の頃に当時の学祭の模擬店で何をしようかと考えてた中で、店員全員パンチパーマの店というプランがありました。下っ端の店員役は昔のツッパリ風とさかパンチで、店長は逆に、とさかやひさしの無い、北島三郎のような丸いパンチにするということだけが決まってました。なんとなく大将は、飾りではないパンチであることが大物感があるなあ、ということでそうなりました。しかし、本当にパンチパーマをあてるとなると、やっぱり些かの抵抗もあり、企画倒れになりましたが。

ダルマというのは悟りを開くために、じっと忍耐強く修行を続けているというシチュエーションであるのですが、このダルマは、あまりに退屈な修行に嫌気がさして不良化した、気の短いダルマです。まだまだ若造なのでヘアスタイルはとさかヘアーです。修行はしてるが「やんのか、コラァ!」と、凄んでみせるやんちゃオブジェです。 』


奇をてらうことないエッセイ(?)のなかの1コマが
なんでしょうね、じわじわと心に詰め寄ってくる感じ。

淡々とした冷静さ・観察眼のかたわらに、作品と関係ありそうでなさそうな、でもところどころに笑いの要素がチラつく文章は、確実に作品の名脇役!腹を抱えての大笑いでなく、くすっと笑ってしまう控えめな感じと風刺的な表現のトーンが、どうやってもすきですきで。

別にダルマを茶化しているわけではないはずです。
「修行の身であるだるま」からの独創的な想像。
このぐれダルマ、誰かの手にとられる日がくるとすれば、寄せられる思いは並々ならぬものがありそうなので、一般のダルマと比べてもむしろ、固有に愛され慕われる幸せな人生が待っているはず。

しかし、「悪」をしょいこんでしまったばかりに、目を入れるタイミングが問われる困惑の商品であることは間違いないようで。
願掛けの内容も気になるところです。

両目を入れるときって、それは!?

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ぐれたはいいがどうしよう、という困惑の眉に見えなくもない。

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まさか、また修行から逃げ出してきたのでは。

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右から、左から、のリーゼント。

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頭頂部からのリーゼント。手作業でつくられた努力の影が。

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何を思う。ぐれダルマ。


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現代美術二等兵さん

で、謎のホームページなどと勝手極まりないことを言っていたのは
籠谷シェーンさん、ふじわらかつひとさん、のおふたりからなる
アートユニット「現代美術二等兵」さんのサイト。
個人的に都合のよい笑いが陳列された魅力満載のページだったため、わき目もふらず作品ばかりに関心がいってしまって。

お菓子に高級な和菓子があれば、駄菓子もあるように‥‥
美術にも「駄美術」があってもいい。

「そうだね、ほんとだね、わたしはこういうの好きだよ」
コンセプトとして掲げられたこの2行に、せんべいをかじりながら心のなかでつぶやく仕事真最中の昼下がり。

がしかし! 聞く人に聞けば「ああ、現代美術二等兵さんね」と、周知の存在だったため、「もしや大物?」と。
ふぬけな午後は一転、ただただ熱くなり無邪気にコンタクトをとってしまった自分をあとから恨んだものです。

そんなわけで長いメールのやりとりのあと、ようやく東京でお会いできるとなった日は、かなりの緊張感をもって迎えることに。
ところが、初めてお会いしたおふたりは、驚くほど低姿勢で穏やかで。あれれ?でも、なんだかそれがうれしい!
じわり忍び寄る笑いはこのおふたりから‥と感激のち納得。

そんなわけで、おふたりの雰囲気を少しでも感じとってもらいたい!
それにはご本人の文章がいちばん!と思い。
無茶を承知でそれぞれ寄稿までしていただいた始末。

作品の写真とともに、電報形式でご紹介!


●籠谷シェーン 様より

何故「ぐれダルマ」などという珍妙なものを作ったかといいますと、遡る事7年前、「手羽先天使」という天使の羽が名古屋名物鶏の手羽先になったオブジェを作り、それが結構うけたため、「よーし第2弾、いってみっかぁ!」と「ダルマ天使」という作品を作ってしまったところからスタートします。

正直駄作で発表してもお客の反応なし、ちゃんとした画像すら残っていないという、僕にとっては黒歴史でもあります。作品の方は、ダルマの背中に天使の羽が生えていて、覗いている顔の部分がギリシャ彫刻の天使の顔というものでした。思いつた時はこれはおもろい!と思ったのですが、作者の技量不足か、出来はいまひとつでした。

それから数年後、そんなことはすっかり忘れていて、「ダルマって面白いなあ。」と思い、あの衣から顔だけ出している様がすごく気になり、中はどうなっているのかとか、衣の内側に引きこもったりしたらどうしよう?とか妄想しているうちに、「顔の上の衣部分が少しひさし状にせり出しているのは、中の髪型がそうさせているのか?」という疑問が浮かびました。もしそうなら中がツッパリ風リーゼントだったらこんなかんじか・・・などと思い「よし、作ろう。」と決意したのですが、以前「ダルマ天使」の失敗もあるし、どうもダルマは世間の人には伝わりにくいんじゃないかと躊躇してしまいました。

しかしそれは自分の下手さを棚に上げ、駄作になったのはダルマさんのせいにしている情けない屁理屈であると気付いたのと同時に「ダルマさんも頑張ってるやないか。」という天の声(俺の声)に後押しされて一心に仕上げたのがこの「ぐれダルマ」です。

今、密買東京で晴れがましく扱っていただくことに大変感謝しております。そしてそこに至るまでにはこのような駄作の積み重ねあってこそだと思います。

最後に一言。「ありがとう!ダルマ天使!」


●ふじわらかつひと 様より

はじめまして 現代美術二等兵です。

まあ我々がつくっているものが美術かどうかはさておきまして、おもしろいもんをつくりたいなあとは日々思ってます。野球のうまい人が野球をやり、歌のうまい人が歌を歌うように、おもしろいもんをつくれる人がおもしろいもんをつくればいいと思うんです。

「チ・ン・ピ・ラ」って映画でチンピラである柴田恭平さんがヤクザにしばかれて「あいつらがプロで俺らはアマチュアなのかねぇ、チンピラのプロってなれないのかねぇ」と泣くシーンがあります。

我々も美術界ではアマチュアでも、“駄美術”のプロとしてやっていけないかなぁと枕を濡らす毎日です。


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「ぐれダルマ」  籠谷シェーン
つらい修行に耐え切れず不良化。

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「ヤングマン(Y.M.C.A.)」  籠谷シェーン
事故現場と思えぬ、若さあふれる残像。

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「危機回避ならず」  ふじわらかつひと
危機というものは、かならず回避できるとは限らない。

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「ジャミロな くわい」  ふじわらかつひと


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各方面への期待

「脱力系市民派エンターテイメント」と称される二等兵さんの作品。
その一部しか紹介できず残念しきりですが、いかがでしょうか?

注意すべきは、作品・タイトル&キャプション・おふたりのお人柄
と、いずれも欠かすことのできない三位一体の恐るべしパワーで
腹持ちのいいくすくす笑いが襲い掛かってくる点。

とはいいつつも、笑いばかりはほんとうに人それぞれなので
あなたの午後を「もしかしたら」豊かにしてくれるサイト。

現代美術二等兵さんのサイト > 「駄美術手帖」

高級な笑いではないので(失礼!)、みんなにおすそ分けして
共感を求めに走るよりは、ひとりでこっそりと笑うのに最適。
疲れたとき、最高にしみます。


「身の程知らずの値段で申し訳ない。誰も買う人いないと思うんですが。」と、ますます腰の低い二等兵さんの魅力に、関心は商品を離れて(いや離れることはないんですが)、ぎゅんぎゅんと人間のほうに向かっていってしまってます。

そんななか、「やはりすごい人たちなのでは?」というニュース。
マガジンハウスから作品集の出版です。

「15周年を記念して(?)ついに駄美術作品集発売!!!!
初期作品から最新作の中から選び抜かれた駄美術オンパレード。
各作品、ゆる~い解説つき!
くすくす笑ってなぜか元気になる脱力エンターティメントです。」

作品集の情報はこちら > 「駄美術ギャラリー」


おわりに、ぐれダルマと迎える新年について想像。
何か革命的なことが起きてくれそうな予感に満ち満ちてきます。
正月にたてた誓いを、この顔を見ては鮮烈に思い起こす365日。
とすれば!実りある1年になることは半分約束されたようなもの。

手に入れてくださった方には、目を入れるたびごとに
ぜひ声をかけていただけぬものかと期待するばかりです。


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先日行われたDesignTideにて、二等兵さんの展示会風景。

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左:いよいよ発売の作品集! 右:代表作のこけしアレー

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8作品収録の「ポストカードBOOK」 購入フォームよりご注文受付可能!

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神棚もいいかもしれませんが、マスコットとして席を設けてみては。