Englishカートを見る

やり切りました!

商品番号tk006003
商品名

外傷オーラシリーズ (Injury Aura Series)
 切り傷 01 (Incisions_01)
 切り傷 02 (Incisions_02)
 刺し傷 03 (Punctures_03)

価格

¥44,000(税込)

限定数

各1点

サイズ

切り傷 01 (主に小さめ男子と女子)
着丈:63cm、肩巾:42cm、バスト:45cm、裾巾:45.5cm、袖丈:17cm


切り傷 02 (主に女子)
着丈:59cm、肩巾:33cm、バスト:44cm、裾巾:54cm、袖丈:24cm


刺し傷 03 (主に女子)
着丈:62cm、肩巾:33cm、バスト:44cm、裾巾:52cm、袖丈:24cm

素材

綿100%

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

一覧表をみる >

納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます
写真の色は実物と異なる場合があります
(原宿の当社オフィスにお越しいただければ、実物をご覧いただくことも可能です)

バイヤーチバ

無謀なお願い

このTシャツができたとき、それはもう、やばいぐらいにテンションが上がっちゃいました。「できた!」というよりも、「やっちまった!」という感じで。

ちょっと悪ノリに近い勢いで、このTシャツ作りが始まったのは、今年(2008年)の初め。あれから早半年以上。時間はかかったけれど、予想を軽々と超える出来で、本当に自信を持って皆さんにお届けできるものが完成しました。

そもそも、事の発端は去年の東京R不動産の忘年会に姉川さんが来てくれたときのこと。「何か商品作りましょう!」っていう話で盛り上がり、その勢いをそのままに、このTシャツの制作は始まったのでした。

さらに時を1ヶ月ほど遡り、アーティスト姉川たくさんの作品に初めて触れたのは、以前「密買日報」でもお知らせした11月のTHE NORTH FACEでのライブパフォーマンスでのこと。大きなキャンバスに刺繍を施した上に、さらに糸で作ったパーツを配置して、絵画のように作品が出来上がっていくという、観客も参加できるパフォーマンスでした。

初めて見るその作品は、写真で見てイメージしていたのとは全然違って、刺繍の独特な膨らみと、思わずニヤリとさせられてしまうモチーフの数々、そして無数の糸が作り出す表情が何とも言えずいい感じ。そして、キャンバスってことは、布だよなー。布ってことは、もしかしたら、普段使えるようなものを作っても面白いんじゃないかな?なんて見た後も色々と勝手に妄想してしまうぐらい、鮮明に記憶に残る作品でした。実際、服をモチーフにした作品もあったりして。

tk006003_d10.jpg

切り傷 01 (Incisions_01)
どうだ!という感じ。男性にも女性にも着られます。

tk006003_d11.jpg

切り傷 01 (Incisions_01)
おびただしい量の糸、糸、糸。本当にかっこいいです。

tk006003_d12.jpg

切り傷 01 (Incisions_01)
チャームもかわいい!

tk006003_d13.jpg

切り傷 01 (Incisions_01)
着たときに、いい感じの位置に刺繍が来るようになってます。


dot_line.gif

自信作なので!

さてさて、思い出話はこのぐらいにして、本当に自信作なので、まずは写真をゆっくり見てください。

アーティストをフィーチャーしたTシャツって良くあると思います。でも、正直なところ同じように姉川さんにお願いするとしても、刺繍じゃなかったら、ここまではハマらなかったと思うんです。もちろん、普通のプリントのTシャツを売るつもりもないですしね。

チクチクと往復する針の動きが作り出した模様は、ただの平面のグラフィックではなくて、こんもりと盛り上がり、いや、時には独り歩きしそうな勢いで強烈に盛り上がったりもして。

それだけではなくて、刺された方の布さえも、盛り上がる糸に引っ張られて、シワが寄り、ヒダができて、たぐられて、もう元の平らな布ではいられない。

今回、アート作品ではなくて、服という形で作っていくに当たって、実はこの辺のところは、ちょこっと頭を悩ませた部分でもありました。なんるべくシワが寄らないような布を選ぶべきなのか?技術的に工夫をしてみるか?などなど。

そして出た結論は、「気にせずやっちゃおう。」という単純明快な答え。

でも結果として、それは間違ってなかったと今改めて思います。刺繍の膨らみと、布のシワ。それが服という立体の中に織り込まれて、何とも面白い、豊かな表情を沢山作ってくれています。そして、布の種類も全て違うものを使ったので、布の違いによって生まれてくる表情も様々です。

この豊かな表情は、まさに刺繍ならでは。


tk006003_d20.jpg

切り傷 02 (Incisions_02)
生地のふんわり感が面白い表情を生み出しました。

tk006003_d21.jpg

切り傷 02 (Incisions_02)
この柔らかい生地、刺繍との相性もいい感じ。

tk006003_d22.jpg

切り傷 02 (Incisions_02)
シワの入り具合も面白い。

tk006003_d23.jpg

切り傷 02 (Incisions_02)
確信犯的に、お腹の真ん中に内臓が。こんもりと。


dot_line.gif

やり切る

そう。本当にせっかく姉川さんにお願いするからには。そして密買東京で売らせてもらうからには。半端なものにはしたくなかったんです。間違っても既製のTシャツに刺繍をして売るなんてことは。

だから、今回は友達に頼んで、パターンからオリジナルで起こしてもらっちゃいました。作ってくれたのは渡邉直子さん。いや、皆さん全くご存知ないと思います。まぁ個人的な友達なんですが。

作る工程にも妥協はしません。手間をかけてしまいました。
まずはパターンを作る。そして、裁断をする前の状態で刺繍。裁断→縫製をして、出来上がったものにさらに刺繍と手直し。

形も実は左右非対称にしてあります。それは、姉川さんが刺繍をしたい部分に縫い目が来ないように。そして姉川さんの刺繍に負けず、服もちゃんと表情を持つように。

だから刺繍の入り方も立体的で、本当にいい表情をしているんです。個人的には、平面の作品よりもいいんじゃないの?なんて思ったりして。

それから、もう一つの大きな特徴。それが布から生えるような、糸。そして時には、その糸の先にコロリとかわいいチャームがついています。

ピロリと伸びる糸たちは、風に揺れ、体の動きに合わせてひらひらと。いやいや、モノによっては滝のように、ゾゾーっとばかりに大量に吹き出す糸、糸、糸、糸。

すでに書いたように、今回のテーマは、やっちゃう。
やり切っちゃう。

他では売れない/買えないようなモノを作ってもらいたかった訳です。だから糸に関しても、「やり切ってください。」と。

これって洗えるの?いや、そもそも着られるの?
そう思われる方も多いでしょう。

もちろん着られます。着て下さい。
でも、満員電車とか人ごみはちょっと気をつけて下さいね。
引っかかったら大変なので。

そして、もちろん着たら洗ってください。
でも、分かっていると思いますが、手洗いで。洗濯機の手洗いモードも、ちょっと無理かも。ピチャピチャと地味に手で洗ってください。クリーニング屋も怖いですね。そして、静かに陰干し&乾いたら糸を整えてあげてください。

大変?大変です。
でも、その価値あると思うんです。ちょっと自信あります。


tk006003_d30.jpg

刺し傷 03 (Punctures_03)
鹿の子のボーイッシュなイメージと刺繍は、かなり相性良し!

tk006003_d31.jpg

刺し傷 03 (Punctures_03)
鹿の子は色も良く映えて、さすがに刺繍にピッタリ。

tk006003_d32.jpg

刺し傷 03 (Punctures_03)
こんなシングルラインの刺繍も、また面白い味を出します。

tk006003_d33.jpg

ほら、左右非対称になってます。そしてタグもかわいい!


dot_line.gif

アナログとデジタルの狭間で

刺繍で作品を作る姉川さん。
ミシンが地道にチクチクと刺していく刺繍ですが、元になるイメージはデジタルのデータです。だから同じモチーフが色を変えたりしながら、色々な作品に度々登場しています。今回の服の中にも、以前個展で見て気になっていたモチーフがちらほらと入っていたりして、なんだか嬉しくなってしまったり。

そう、この繰り返し反復して複製されていく作られ方は、デジタルでは当たり前のやり方。だけれど、アウトプットはご存知の通り、布の上に縫い付けられた糸という超アナログな世界。しかも平面だった図形が膨らみを帯びて、時に生々しい造形を彷彿とさせたりもするし、今回のように立体物の中にまるで寄生するように形が棲みついてしまったり、はたまた糸がピロピロと飛び出していたり。

コピーだったはずの図形は、刺繍になることでコピーとしての完全さを奪われて、逆に個性を身にまとい始めます。

そんなちょっとした感覚のズレが、脳ミソをくすぐり、なんだか気持ちいい。姉川さんはそこに面白さを感じて、刺繍という手法を愛用しているんだそうです。

実は姉川さん、個人名義で刺繍などの作品を作る以外に、株式会社カニカピラという自分の会社でアートワークの制作や、デザイン、アートディレクションなどの仕事をしています。

「作品」と「仕事」というすみ分けが、姉川さんの中でされているようで、「仕事」の方はどっぷりとデジタルな世界。アナログな「作品」の世界との行き来をすることで、自分の中のバランスが取れているのかも、と言っていました。

しかし、仕事の方で作り上げている世界も、またすごい。
すごいけど、掴みづらい。ホントに。

作品集を見せてもらっても、これが本当に一人の人の作品なのかとビックリするぐらい、バラエティー豊かな仕事の数々。かなり記憶に残っているところだと、ポンキッキーズの「なぞのやさい星人あらわる」とか。

カニカピラでの「仕事」に対して姉川さんが考えていること、それはあらかじめ見定めたゴールに向かって作り上げてくスタイルの仕事ではなくて、与えられた条件の中でどんな答えが見つけられるのか、それを追求していくというスタイル。というかそういう方法を実行するために、個人ではなくて会社という組織を作って活動をしているんだとか。

会社に集まった人たち全員からエッセンスを吸収して、答えを見つけ出してくことの面白さ。そのために作られた会社という仕組み。だから、バラエティー豊かに色々なモノが生み出されているんですね。そしてその根底に、地下のマグマのように流れる姉川さんの個性。場面ごとに火山のようにその個性が吹き出しているけれど、その全貌はもしかしたら本人も含め、誰にも分からないのかも。

だから、姉川さんもカニカピラもこれからの展開が楽しみで、目が離せないなー なんて言いつつ、引き続きチャンスを見つけて、また無謀なお願いをしてみたいと企んでいます。
> 姉川さんのホームページ

所属ギャラリーのNANZUKA UNDERGROUNDのホームページにも、過去の個展の様子などが載っています。
> NANZUKA UNDERGROUND

作品はこちらでもご覧いただけます。
> phil co.,ltd.

 
<追記>
姉川さんの作品は、その後もジワジワと増殖中。
こちらも、合わせて是非。

> キミは誰だ?
> 侵略しちゃうよ
> リペア魂 × 姉川さん登場!


tk006003_d40.jpg

「USB」

tk006003_d41.jpg

「えなふしぎ」

tk006003_d42.jpg

「炸裂する内部」

tk006003_d43.jpg

「午後の流血」