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旅を綴る

商品番号tk020203
商品名

IONIO&ETNAのノート

価格

¥2,800(税込)

限定数

サイズ

大:W125mm×D10mm×H185mm
  (120ページ)
※皺がないときのサイズです。

素材

紙、他

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

267円(メール便でポストへお届けの場合)
宅急便の場合はこちら >

納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

旅の始まり

人生は、よく旅にたとえられます。

まるで長い旅を経て、ようやく手元に届いたかのようなこの姿。

旅という以上に、誰かの冒険や探検の、めくるめく世界の記録が、ぎっしりと書き留められているのでは...と。

そんな空想さえかき立てる姿で、そっとたたずむこのノート。

ある人に、このノートの写真を見せられた瞬間から、頭の中に広がった空想。果たしてそれは本物なのか?

それを確かめるため、高円寺へと向かいました。

訪ねたのは、賑やかな商店街から少し入ったところにある、小さな店「IONIO&ETNA」。

おそらく、元はアパートだったのではないかと思われる、古い木造の2階建。2階の一室に、その店はありました。

長い旅路を経てきたような、この姿
2017年に新バージョンになりました

一目見て、心揺さぶられた質感

新しいバージョンでは、表紙の文字を活版印刷のようにプレスで表現。狩野さんが手作業で一冊ずつ文字を刻み込んでいます

こんな存在感のあるノートがあったでしょうか

中心を黒いゴムで閉じられるようになっています


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出会い

まるで、古い書物のようなその姿。
かすれた風合いの表紙と、そこからはみ出る、うねったページ。

実は、このノートにはその発想の元になった、1冊の本があります。

とある蚤の市で出会った、1冊の古い洋書。
ボロボロでシワシワ。長い時間の中で、もはや朽ちそうになっているその姿に、IONIO&ETNA(イオニア&エトナ)の狩野岳朗さんは、すっかり心奪われて、それを手に入れたそうです。

その本から着想を得て、その風合いを表現しつつ、新しく生まれ変わらせたのが、このノート。

元の本も見せてもらいましたが、このノートはその本よりもさらに要素を削ぎ落として、シンプルになっていたのが印象的で、それが逆に、物語性をより強く感じさせる仕上がりになっている気がします。

子供の頃、夢中になって読んだ冒険物語や、探検記の主人公は、きっと、こんなノートにその旅を綴っていたに違いない。

そんな想像をしてしまう、その姿。

冒険の書を閉じて、日常に戻るとき、いつもの見慣れた街並には、どこかに新しい世界への入り口が、そっと開いているような気がして、子供心に世界がいつもよりもキラキラして見えたのを覚えています。

見知らぬ世界への旅を想像させるこのノート。

そこに世界が書き込まれるとき、何気ない日常の中にも、新しい何かが発見できそうな気がしてしまうのは...
ちょっとロマンチックすぎるのかもしれませんね。


大胆にも皺の寄ったページたち

表紙は紙を黒で染めたもの。全て手作りなので、個体差があります

ページの波打ち方にも、個体差が

こんな大きさです(手は大きめ)


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旅の記録

でも、多くの人は、こう思ってしまうのかも。
「これってホントに使えるのかな?」

左の下にある一冊は、ちょうど1年ほど狩野さんが自身で使ってみたノート。各ページに狩野さんのアイデアなどが沢山書き込まれていました。

そして、見た目には最初よりもかなり落ち着いた印象。
表紙は摺れてかすれ、うねっていた中のページも、平らな状態に近づいて、最初とはまた別の、奥行きのある表情を見せています。

この状態は、あの古い洋書にかなり近い。
本当に古い本になってしまったような味わいです。

ということは、毎日使って1冊分書き込む頃には、こんな雰囲気の本が1冊できてしまう。そんな楽しみが味わえる、ということです。

思えば、ノートにメモを取るという機会は、もはや減りつつあるのかもしれません。それは、徐々にデジタルに取って代わるものなのかも。

単にメモをするという機能だけで考えるなら、それで充分だと思います。デジタルの方が、場所も取らず、手軽だし、半永久的にアーカイブもできてしまう。

そういうデジタルが便利な部分は、デジタルに委ねても良いのでしょう。でも、書きながらアイデアが誘発されてしまうような、予想外の連鎖が起こってしまうのが、何かを書き留めるときの楽しみの1つ。

このノートの雰囲気や、ページの皺に触発されて、新しいアイデアが生まれそうな予感もして。

もしくは、旅や冒険、探求や研究を想像させるこのノートに書き留めたいと思うようなことに、自分から出会いに行く、とうのもワクワクします。いや、むしろそれが一番楽しくて正しい使い方なのかもしれません。

そして、このノートにはもう1つの使い方があるのです。
それは、何でも挟んでしまう、という使い方。

旅先の小さな思い出も、素敵な招待状も、楽しみなお知らせも、そして小さなアイデアの種も、ここに挟んで持ち歩きましょう。

まるで小さなカバンみたいに。


手前は狩野さんが使っているもの

使い込んで、落ち着きと深みが出た表情も、絵になります

これは以前のバージョンのデザイン。まるで小さなカバンのように、色々挟みこんで使ってもらうのもお薦めです


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IONIO&ETNA

一冊の古い洋書から触発されて作られた、このノート。
作り方自体も、その古い洋書に倣って作られているそうです。

ページを綴じているのは、たった1箇所。
1本の細い糸だけです。

この少し頼りない感じもまた、狩野さんがその洋書を気に入ってしまった理由の一つ。

その昔、本は読み終わったページから千切り、外していったのだと、その洋書を売っていた人は言っていたそうです。

そのために、あえて外れやすいように製本してあったと。
まだ紙が貴重だった頃の話でしょうか。

そんな時代の風習に倣って、このノートも華奢な作りになっているので、ページも取れやすくなっています。

だから、このノートには黒いゴムの輪が付けられています。
それは、ページが取れても挟んでおけるように。そして、さっきも書いたように、色々なモノを挟んで欲しい、という意図から。

かつて高円寺にあった狩野さんの店「IONIO&ETNA」には、半畳ほどの小さな窪みがあって、そこが狩野さんの作業場になっていました。

そしてこのノートもその作業場で、狩野さんの手によって一冊一冊作られていたのです。

実家は、商店街の中でメガネと時計を売る店をしていたという狩野さん。修理などもしていたという、その店の遺伝子を引き継いでいるのか、色々な道具が手の届く所にズラリと並んだその作業場が、とても落ち着く空間だったそうで、日々そこで静かに作業をしていました。

店の名前の由来は、イオニア海とエトナ山。

20歳の時に、バックパッカーで初めて訪れたイタリアが、その後の人生に大きな影響を与えるほど、忘れられない思い出になっているという狩野さん。

そのとき特に印象的だった、シチリア島の小さな村から見えた景色を、店の名前にしたそうです。

店も、日本を含む世界各地から集められた、小さな宝物たちが並んで、どこか旅を感じさせる雰囲気でした。

またいつか、どこかで狩野さんが店を出したらいいなと思っていますが、それまではこのノートで雰囲気を楽しんでもらえたらうれしいです。


IONIO&ETNAは無国籍でどこか旅を感じさせる雰囲気でした(2016年にお店は閉じました)

小さな窪みで作業する狩野さん(ノートを作っています)

こんな雰囲気のあるアパートの2階にありました