Englishカートを見る

やめない人

商品番号tk020902
商品名

山葡萄籠

価格

山葡萄籠31:¥58,000
山葡萄籠32:¥58,000
山葡萄籠33:¥58,000
山葡萄籠34:¥100,000(肩掛け)
山葡萄籠35:¥92,000
山葡萄籠36:¥58,000
山葡萄籠37:¥72,000
山葡萄籠38:¥72,000
山葡萄籠39:¥108,000(肩掛け)
山葡萄籠40:¥78,000
※全て税込価格

限定数

各1個

サイズ

山葡萄籠31:
 W260mm×D140mm×H130mm
山葡萄籠32:
 W220mm×D100mm×H190mm
山葡萄籠33:
 W250mm×D100mm×H150mm
山葡萄籠34(肩掛け):
 W350mm×D150mm×H230mm
山葡萄籠35:
 W350mm×D130mm×H210mm
山葡萄籠36:
 W220mm×D100mm×H180mm
山葡萄籠37:
 W280mm×D120mm×H200mm
山葡萄籠38:
 W270mm×D120mm×H200mm
山葡萄籠39(肩掛け):
 W320mm×D140mm×H230mm
山葡萄籠40:
 W310mm×D110mm×H210mm
※全て籠部分の大きさ、肩掛け以外のものは手持ち想定の取っ手の長さです。

素材

山葡萄

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

無料

納期

2週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーmikayama

山葡萄

山葡萄のバッグってご存知ですか?
僕は不勉強にもよく知らなかったのですが。。
蔓籠の中でも最高峰の高価な素材です。孫三代まで使えるという強い耐久性や、使っていくほどに飴色に育っていく様子が特徴です。

また、採取が非常に大変で山葡萄がある太さまで育っているのは山の奥深くなのですが、さらに蔓植物なので木に絡みながら上へ上へ。日の光をふんだんに浴びられる高さまで伸びています。だいたいそれが20メートルぐらいの高さで。そこまで登って切って持ち帰ってきます。また、籠を作る際には樹皮を剥いだあとの厚さ数ミリの部分を割いて使うのですが、その剥ぐ作業ができるのは幹と樹皮が分離する梅雨時の数週間しかないため、結果的に材料の採取がその数週間しかできません。

まあ、そんなこんなで作るのも大変なんだけど、そもそもの材料の採取に異常に手間がかかるので高価なんです。

山葡萄籠31:¥58,000、山葡萄籠32:¥58,000

山葡萄籠33:¥58,000、山葡萄籠34:¥100,000(肩掛け)、山葡萄籠35:¥92,000

山葡萄籠36:¥58,000、山葡萄籠37:¥72,000、山葡萄籠38:¥72,000

山葡萄籠39:¥108,000(肩掛け)、山葡萄籠40:¥78,000


dot_line.gif

きっかけ

もともとはそんな大変な素材を扱う作家さんになった娘のために、山が好きだった筒井さんが素材の採取を手伝ってあげたのが始まりです。材料を採ってあげるから、作り方を教えろ、こういうわけです。
ちなみに蔓籠の主な産地は東北地方なのですが、ここには作家さんもたくさんいるから競争率が高くて山葡萄の蔓を探すのは手間がかかる。でも、筒井さんの住んでいる長野県は作家さんが少ないので、それなりに山奥に入らないといけないんだけど(熊が出るくらいまで)それでも東北に比べると競争率は低い。なので、娘さんもこの条件を了解してスタートしました。それがだいたい16,7年前。それで15年前ぐらいから娘さんの出していた展示の脇で自分の作った山葡萄籠も売っていたりしたらしいんです。そしたら、売れるもんだから認められているような気持ちになって、のめりこんでいった。いわゆる普通の導入なのですが。

そもそもの筒井さんのバックボーンが人と違っていまして。のめり込むのレベルが異常なんです。


取っ手は側面から付いています

一体の中で付いているので丈夫

こういう感じの節がところどころにあります

繊維がちょっと曲がっていたりしますがしっかりできています


dot_line.gif

バックボーン

つい先日、筒井さんのアトリエに伺わせてもらったのですが。
そのアトリエの様子が。。。いわゆるガレージタイプの建物なのですが、使い方もガレージで。というか、秘密基地で。多分40坪ぐらいの面積だと思うのですが、そのうち山葡萄籠のアトリエとして使われているのは7,8坪。ほとんどは字義通りのガレージ。すごくきれいに使っているオープンのロードスターと、バイクが無造作に40数台。あと、発動機(エンジン)がこちらは70台前後。なんか無造作に並んでいるんです。しかも、その無造作に並んでいるバイクや発動機がすごい年代物で。なんですか?これ。と聞いたところ。だいたいが昭和20年代、30年代のもので例えばバイクに関してはカワサキの基礎の一部となった目黒製作所のバイクで単気筒のものはだいたい揃っているかな、と。
多分、分かる人には分かるんだけど、僕はその貴重さがほとんど分からない。でも、目の前に見たこともない、だけどかっこいいバイクが40数台並んでいると納得せざるをえない。というか、なんかすごい。

また、発動機は長野県の愛好会(なんと80名ぐらいいるらしい)の事務局をやっているらしく、今年は安曇野で珍しい発動機を持ち寄って100人規模の全国大会をやるとか。タモリ倶楽部を見てそういう愛好会があるのは知っていたけど、、実物の発動機を見るとやたらでかくて、すごい迫力だし。

でも、これだけじゃなくて。
他に自分のライフワークがあるんだよ、と自宅の地下に案内してもらうと小学5年生から集めた自動車の本の数々。これ何かというと全部自動車の資料というか社史とか昔の雑誌とか車のカタログで。誰に頼まれたわけでもなく各自動車メーカーの車両アーカイブを作っていたりします。そもそもメーカーに無いの?という話ですが、戦後すぐの時代にはどんどん新しい車種が出ていて過去のアーカイブをメーカーに保存するという発想が無かったらしく、社史や雑誌から抜き出して整理するしか方法がないとか。その作業を50年以上コツコツやり続け、やっと大型車のアーカイブは完成を迎えそうとのこと。で、次は自動三輪をやり始めている。。ちなみにこのアーカイブはその道の人には有名になっていて、完成を迎えたときには各メーカーにぜひ欲しいと言われているとのこと。

とにかくなんかクレイジーなんですよ。
普通はこの深さをこれだけ長い間人目に触れることなく潜っていられないはずで。アーカイブ作りに至っては50年オーバーですよ。どっかしらで何かしらの理由でモチベーションが下がって辞めたりするのが普通なのに、やると決めたらとことん。多分死ぬまで続ける。これ異常なことなんです。

で、その人がとりあえず15年。籠作りを続けている。


ここがアトリエ

その周りにバイクと発動機が何台も

何台も何台も

写真にあるのは本当に一部。もっとわんさかあります。


dot_line.gif

やめない人

とはいえ、この筒井さん。
しゃべりだすと止まらないとか、見た目からクレイジーな人か、と言われると全然違っていて。すごくバランス型の人なんですね。シュッとしてるし。前職警察官だし。

そもそも籠作りに関しては、お客さんに喜んでもらえた、というところからスタートしているので、今どんなスタイルの籠が流行っているのかとか調べているし、お客さんの要望があったらその籠を作ってみようとするし(籠作りには湿らせた蔓を整形するための型を作らなければいけないので、単純にアドリブでガンガン作れるというものでもないんです。)実は作家活動に関してはすごくお客様目線なんですね。

だけど、かたや一方で自分の作る作品がいわゆる伝統工芸的としての蔓籠作りの教育を受けていないために、もしかしたら邪道なざっくりとした作品になっていることも理解しているし、その作り方をする理由もきちっとあるし、マーケティング的な見地からも自分がそういう作品を作ることで支持を得ていることも理解している。すごくロジカルなんです。

あ。ちなみに上記の「作り方をする理由」とは何かという話ですが、籠の表面の写真を見てもらえると分かるのですが、天然の蔓の繊維って通常曲がっているんですね。決してまっすぐには育たない。でも、きれいに籠を作ろうとすると、どうしてもそのまがっている部分をきれいに切りそろえて同じ幅の蔓に加工しなければいけない。でも、そうすると繊維が切れてしまうので、ささくれたりする原因になってしまう、とか。スマートに見せたい場合に取っ手を籠の上部につけることが一般的なのですが、そうすると籠の上部にのみストレスがかかってしまって傷みやすい。そのため筒井さんの籠は取っ手は籠の側面から延ばしてつけるようにしている。とか。

上記の結果、娘さんや他の籠作りの作家さんが作るものより、すごく男性的なざっくりとした籠に仕上がるのだけど、その方が絶対に丈夫だしデザイン上も特殊なものになるので面白い。全部、裏打ちがあってのことなんです。

ここに至るまで15年。これからも当然続けていくとのこと。
なので、補修とか必要だったら遠慮なく持ってきてほしい、と。だけど、制作には時間かかるよ、とも。
だって、集めたバイク直さなきゃいけないし、発動機もイベントあったり、自分の出品するのの整備もあるし、籠作りも娘の分まで材料採ってこなきゃいけないし、当然車のアーカイブ作りも終わらせなきゃいけないし、農業も嫁さんの手伝ってやっているし、なぜか地域の民生委員までやってるし、、、

定年してからの方が忙しいよ、って。
そりゃそうだ。てか、少し減らしましょうよ。
絶対減らさないんだろうけど。


この本もほんの一部。この写真に写っている量の10倍以上あります。

これは筒井さんの私物で何年も使っているモノ

新品のバッグは輝きを出すためにガンガン亀の子だわしでこすります

筒井幸彦さん