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音って何だ?

商品番号tk021103
商品名

hand made THONK

価格

VALVE DRIVE:¥24,200
WORLD WIDE FUZZ:¥22,000
 
VALVE DRIVE拡張キット
 その1:¥2,200
 その2:¥2,200
 その3:¥2,200(近日発売開始予定)
 
WORLD WIDE FUZZ拡張キット
 その1:¥2,200
 その2:¥2,200
 その3:¥2,860
 
※全て税込価格です

限定数

サイズ

W82mm×D110mm×H62mm

素材
支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

540円

納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

やってみよう

そんなわけで、やってみます。

エフェクターを自作するためのキット、「hand made THONK(ハンド・メイド・トン)」。

あえて、いきなり逆説的なことを言ってみますが、この「hand made THONK」をお薦めしたい理由は、エフェクターが自作できて楽しいっ!というのももちろんありますが、一番の理由はそれではありません。

そして、さらに逆説的なことを言っちゃうと、プロは自分の音を作るのに、エフェクターになんか頼らない、と言うじゃないですか。

じゃあ、自分の音って何なんだ?
それを作るってどういうことなんだ?
っていうことになるわけですが、それに気付くための仕掛けが、この小さな箱の中に組み込まれている、と言えるのかもしれません。

なんてね。
シロウトなのに、いきなり偉そうなこと言ってみます。

ちなみに、このエフェクター自作キットは、2人の現役プロ・ミュージシャンによって作られました。

回路の設計を担当したのが、ロックバンドGEEKSのギターボーカルであり、自身のエフェクターブランドも主宰している、エンドウ.さん。

そして、パーツ選定と拡張キット部分の設計を担当しているのが、所属バンドのsmorgasを始め、様々なライブサポートやレコーディングに、スクールの先生にと、幅広く活動しているという、ベーシストの河辺真さん。

自作キットは世の中に多々あるらしいのですが、安くエフェクターを手に入れる、という目的のものが大半だそうです。

でも、このhand made THONKは、プロが作っているというともあって、有名ブランドのものにも引けを取らない音になっている、と言います。

その部分を自分の言葉で表現できないのは、非常にもどかしいのですが。

でも、完成したばかりのキットだけれど、すでにプロや専門的な知識のある人たちからも、良い評価が聞こえているそうで。

ちなみに、キットのリリースに当たって、「The EFFECTOR BOOK Vol.17(シンコー・ミュージック・ムック)」の取材を受けているのですが、そんなマニアックな媒体の記者からも好評価だったり、知り合いのギター・テック(プロのギタリストのセッティングとかをサポートする仕事の人ですよね?)の人にも好評だったりと、その道の人からもお墨付きが出ている模様です。

左:WORLD WIDE FUZZ、右:VALVE DRIVE
無骨なアルミの質感がかっこいい

VALVE DRIVE:¥23,100
オーバードライブの自作キット
基盤が両面プリントになっているので、蓋を開けるとパーツが見える作り。男心をくすぐります。そして拡張のしやすさでもプラスに。

WORLD WIDE FUZZ:¥21,000
ファズの自作キット
VALVE DRIVEよりもパーツが少なく、初心者にお薦め。ちなみに初回ロット限定で、ケースに刻印された一部の文字が...


dot_line.gif

拡張せよ!

まず、2機種がリリースされたhand made THONK。
「VALVE DRIVE」がオーバードライブ。「WORLD WIDE FUZZ」はその名の通りファズというエフェクターです。

さて、ここでシロウトはいきなり疑問にぶち当たります。
あれ?エフェクターってそもそも何?

エフェクターにも色々な種類があるのは、知っています。
さすがに。

オーバードライブは、歪んだ音を作るエフェクター。
なんかロックなあの感じだよね。ジャーン。
というところまではたどり着いても、思考がその先に進めない。

歪みってなんだろう?歪んだ音を作るってどういうこと?

悩んでいたときに、ヒントを与えてくれたのは、この自作キットのもう1つの特徴でした。

それが、別売の拡張キット。

この「拡張」こそが、エフェクターを自作する本当の意味だとも思えるし、ボクがこのキットをお薦めしたい本当の理由でもあります。

具体的には、このオーバードライブには3種類の拡張キットが用意されています。

どの部分が拡張に対応しているかは、回路を見ると大まかに分かるのですが、中央に入っている小さなICの部分と、左上の空のソケット(穴が8つ並んでいる部分)、そしてその隣の点線で印されている部分が拡張に対応する部分です。

ICは、はんだ付けではなくてソケットに挿すタイプなので、簡単に入れ替えが可能で、左上の空のソケットも、同じく簡単に挿し替えられる拡張パーツです。

さて、それぞれがどんな役割をしているパーツなのか?
気になるところです。

この回路で使われているICはオペアンプといって、音の信号を増幅する役割をします。

このICで音が増幅されるわけですが、ここでよく見かける波形の図(横倒しした杉の木みたいなやつ。)を想像してみてください。

あれが、縦方向だけにギューンと伸びるのが増幅。

で、もう1つの空いてるソケットには何を挿すのかというと、ダイオードというのを挿すことができます。(拡張前は何も入っていない状態です。)

ダイオードと言えば、LEDとかが有名ですが、そういうやつをここに挿す。

すると何が起こるのか?
今回のエフェクターに限った話だけ簡単に言っちゃうと、上で書いたギューンと縦に伸ばした杉の木の、上と下のギザギザだけをバサーッと強引に切っちゃうのがこのダイオードなのです。

はて?その結果は。


VALVE DRIVE(オーバードライブ)の基盤。真ん中に見えてる黒くて四角いパーツが、IC。

こちらもオーバードライブ。D1からD4までの刻印が入っている部分がダイオードを挿すためのソケット(基本の状態はなにも挿していない状態。)

そして、この点線で書かれているのが、オーバードライブをベース用に改造するキットを取り付ける部分。

コンピューター上のソフトで「オーバードライブ!」とやってみると、こんな感じになりました。増幅されて波形の上下をばっさりカットされることで、倍音成分の多い歪んだ音になるそうです。


dot_line.gif

歪みの意味

実は、オーバードライブは元々ギターアンプでゲインというのを上げたときに、上で書いた杉の木ギザギザばっさりカットが起こるのを、回路の中で再現したものなのだそうです。

つまり、これがエフェクターで音を歪ませる、というやつの正体、というわけです。

ここでは何が起こっているのだろうか?

にわか勉強の知識で暴力的に説明すれば...
元々のギターの音は、音階として聞いている以外の倍音の成分が含まれていて、これが全て合わさってギターの音色として聞こえているわけですが、これを倍音も含めてグワっと増幅してやる。そして、さっきのばっさりカットをやると、元の音色よりも倍音成分の割合が沢山残って、倍音のきつい音が生まれる。これが歪みの正体だったわけです。

つまり、全世界を熱狂させたロックは、この倍音にみんながジワーっと痺れていたのだ、と言うわけではないですが、あのジャーンの気持ちよさの理由が少し分かった感じがします。

で、拡張キットの「その1」には、挿したり抜いたりして楽しむためのダイオードが3種類各4個で合計12個入っていて、さっきのばっさりカット具合を色々変えて遊ぶことができるのです。

これで派手に音を歪ませて楽しむのも良いのですが、実はこのエフェクターは基本の状態では、このダイオードの部分を使わない設計になっています。

それでもばっさりカットが起こらないわけではなくて、派手さはないけど、ナチュラルで気持ち良い歪みを楽しむことができるのだそうです。

つまり、冒頭で書いた、エフェクターに頼らないプロにちょっと近い使い方、というわけです。

最終的に目指すはプロのようにアンプと腕だけで、痺れる歪みを作るミュージシャンなのかもしれません。

そのためのヒントを沢山もらえそうな、このキットです。

拡張キット「その2」は、ちょっと高度なキットなので、概要だけ説明すると、オーバードライブをベース用に改造するキットです。

ケースに穴あけなどが必要だったりするので、それなりの腕が必要ですが、「歪ませすぎずロー・エンドまでしっかり伸びる」オーバードライブになるそうです。

そして、「その3」がさっきの杉の木ギューンの元、ICを取り替えて楽しむためのIC各種の詰め合わせ。(このキットは現在準備中で、近日中に発売開始予定です。)

内容は、オーディオ用の低ノイズな上品系オペアンプから、廉価版の汎用品まで5種類で、これも自分にとっていい音って何なんだ?みたいな小さな旅に出るきっかけをくれそうなキットです。

さて、どうでしょう?
あれこれ考えるより、早く使って自分の歪みを見つけたいぜ!なんて思ってもらえたら、最高です。


こちらは部品が少なくてシンプルなWORLD WIDE FUZZ。点線の部分が拡張キット「その1」、「その2」を取り付ける部分。

真ん中の3本脚(黒い頭)の部品が、トランジスタ。ファズの音を決めます。そして、こちらもソケットになっていて、挿し替えることができます。

河辺さんによる解説と、デモ演奏。拡張されたバージョンの音も聴けます。

エンドウ.さんによる説明とデモ演奏。(1つ前のバージョン)


dot_line.gif

まずは楽しむ

もう1つのエフェクターが、WORLD WIDE FUZZ。

ちなみに、先ほどのVALVE DRIVEもそうなのですが、このキットで使われている回路は、一般的に定評のあるエフェクターの回路を基に、少ない部品点数で良い音を作るというコンセプトで設計されているそうです。

だから、回路の知識がない人でも作ることができるし、実際にボクも発売される前のバージョンを作ったのですが、2時間ぐらいで1発でできました。

同じワークショップで女性も何人か作っていたのですが、全員が完成させることができていて、これまで何度かやったワークショップでは100%完動の実績を誇るそうです。

万が一、完成させることができなかった場合のサポートも行なうそうなので、怖がらずに挑戦してみましょう。

で、WORLD WIDE FUZZ。

写真で見てお分かりの通り、さっきのVALVE DRIVEよりもさらにシンプルな回路で、初心者の人にもお薦めです。

このWORLD WIDE FUZZは、往年の名機と呼ばれている「FUZZFACE」というファズの回路を基にしています。

ファズもオーバードライブと同じく、歪みを作るエフェクターですが、「毛羽立った」という意味の通り、こちらも倍音たっぷりの歪みを作り出します。

ここでの主役は、トランジスタ。
トランジスタの役割も増幅ですが、ファズでは2つのトランジスタが使われいて、これが音を増幅させます。

そして、このWORLD WIDE FUZZでは、このトランジスタ部分が拡張キットで交換可能になっているのです。

交換方法は、先ほどと同じくソケットなので、抜いて挿す。それだけ。

ちなみに、トランジスタというのは、個体差がかなりある部品だそうで、元になった「FUZZFACE」は、使われているトランジスタの特性のバラつきから、音も個体ごとにバラバラで、それが伝説の名機なども生み出す源になっているのだそうです。

WORLD WIDE FUZZでは、このトランジスタのバラつきを極力抑えて、安定感のある使いやすさを実現しているのだとか。

逆に、ファズの拡張キット(「その3」)は、色々なトランジスタ5種類の詰め合わせになっていて、オリジナルの不安定な楽しさも含め、色々と試して遊べるようになっています。

そして、それ以外にファズ用の拡張キットは2種類あって、どちらもケースに穴あけが必要な、電子工作経験者向き。

拡張キット「その1」は、ファズに「Burst」という機能を追加するキットです。

これを使うと、ファズの音がさらに過激に暴力的な歪みを見せて、時にノイズにまでなるような壊れた音も作ることができるようになります。

続いて「その2」は、「Tone」という機能を追加するキット。
こちらは、ファズ特有の扱いにくい高音域を調整したり、さらに絞ってシンセベースのようなトーンにするキットで、あるととても便利だそうです。

 
WORLD WIDE FUZZ、VALVE DRIVEともに、キットにはお薦め工具の一覧が付いていたり、ケースに着色するための説明書が付いていたりと、さらに深く自作マニアの道へと誘うような内容になってます。

河辺さんによる恐ろしいボリュームの説明書も付いてきて、「音楽オタクを増やしたい」というこの自作キットのコンセプトが貫かれた仕様。

きっと楽しんでもらえると思います。

 
そして、このエフェクターキットを作っているのは、前に紹介したモクセイダーズと同じ、ナイスカンパニー。

こちらも何が飛び出してくるか分からない、ワクワクを秘めていて、これからが楽しみです。

> モクセイダーズ 現る

 
さらに、さらに。
回路を設計したエンドウ.さんは、「ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作」という本も出しているので、hand made THONKの後は、こちらを攻めてみるのも、楽しそうです。

> 「ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作【増補改訂版】 」(シンコー・ミュージックMOOK)


河辺さんによる組み立て動画(早回し)。1つ前のバージョンですが基本的な設計は同じです。

パーツ選定と拡張キット部分の設計を担当している河辺真さん。
所属バンドのsmorgasを始め、様々なライブサポートやレコーディングに幅広く活動しているベーシスト。NOAHミュージックスクールや国立音楽院などでベース講師も務め、ベースマガジンへの寄稿を初め、教則本の執筆なども多数手がけているそうです。今回紹介するに当たって、色々とお話を聞かせてもらいました。ありがとうございました!

設計を担当した、エンドウ.さん。
ロックバンド「GEEKS」のギターボーカルで、自身のエフェクターブランド「BLACKEND」を主宰。「ド素人のためのオリジナル・エフェクター製作」という本も好評発売中。今回の回路はこの本の回路を基に作られています。

そして、同じくナイスカンパニーからは、このモクセイダーズも。実はこちらも音楽と深い関係があるのです。
> モクセイダーズ 現る