Englishカートを見る

確信犯「ピン子」

商品番号tk021702
商品名

ピン子

価格

¥8,640(税込)

限定数

各1個

サイズ

Φ約100mm×H約350mm(約1.6kg)

素材


ボーリングピン提供元:西鉄興業株式会社 西新パレスボウル

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

一覧表をみる >

納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーmikayama

得体のしれない魅力

「エコ」ってモノは大事にしろよ、みたいな。そういうことですよね?実はこの意味自体は好きです。ただ、比重が大きくなりすぎていて結果的にこの言葉を冠しているから世間が肯定するっていうか、生活の中に受け入れる意味になっている。だけど、結果的にその行為に満足してしまっていて、モノを大事にする的な本来の意味を無視し、すぐに消費してしまう。

別に世の中を動かしたいみたいな大きな野望を持っているわけではなくて、だけど不信感をこの言葉には持っていて。なんか距離を置いているんです。

でもね。以前から取り扱いをさせてもらっている顔スリッパのフォームレスデザインさんから、この作品のフライヤーが送られてきて。なんか惹かれてしまったんです。ユニークな有様に。しかも、こいつはなんなんだ?って聞いたら別になんでもないけど強いて言うなら帽子立て、とか電話口で言っていて。ずりーな、って。
問い詰めてやろうと思って、間借りのような感じで最近アトリエにしている清澄の「Fukadaso」に行ってきたんです。

ピン子

ボーリングピンから作られています

というよりボーリングピンの中にピン子は潜んでいます


dot_line.gif

得体のしれない労力

前のページにも書きましたが、きっかけはフォームレスデザインの2人の地元福岡にあるボーリング場から40周年の記念に展示をしたいから、廃ピンを使って作品を作成してくれ、という依頼に応えたものです。

てか、実情を聞くと割とすごくて。
音で分かると思うんですけど、ボーリングピンって軸部分が木(楓)で作られていて、楓自体は堅い木なんですけど単純にあんなに重いボーリングの球に何回もぶち当てられていると劣化していきます。結果的にボーリングのピンはボーリング場の規模にもよるんだろうけど、かなりの頻度で使い捨てられていて。そのボーリング場では年間に600本ぐらい捨てられているらしいんですね。(一応修理することも可能なそうなのですが、修理後のピンの跳ね方とか、それにかかる費用とか、なんか数字が合わない部分があるらしくて一般的ではないようで。)

彼らはアーティストではないので、継続的にそのボーリングピンを素材として購入させてもらえるなら考えてみます、との条件で制作が始まりました。

で。ここからもなんかすごくて。
2人はこれを眺めながらいろいろと考えてみるのですが、とりあえず中の木が良さそうだから樹脂のコーティングを剥いでみようと。当然、この樹脂ってボーリングの球に耐えるような硬さの樹脂なので、本当に硬いし分厚い。だいたい厚さ1センチぐらい。それを大きなカッターでミカンむくみたいに縦に何本も切り込みを入れていって。最後バールみたいなもので剥ぐと。えらい重労働。
でも、そうすると使い込んだ雰囲気の割といい感じの楓の木が出てきて。それを今度はやすって。堅い木なのでそんなにきれいになるわけでもないのですが。それでもささくれ立っている部分をきれいにやすって。ペンキで塗って顔を描いて完成というわけです。

いやね。楽な作業というか、効率を考えるとボーリングピンにそのまま新たにコーティングをするとか。顔を描く上でベースを作るのに手作業で剥ぐ以外に方法あると思うんですよ。なのに、質感良さそうだから剥いでみました、って。でも、何本も剥いでいると指の感覚麻痺してくるんです。って笑いながら。変でしょ?


使い古されたピンを、、、

剥きます!

そこに顔を描きます

描きます!!


dot_line.gif

エコとピン子

でね。自分の中ではすごく気になっていた質問。
「これ再利用とかそういうことを考えて作ったの?」
聞いてみたんです。

そしたら「そういうことは一切考えていない」って。
というか、単純に変な形で興味深い素材を安価で仕入れられる機会をもらったから、これを使ってなんか作ってみようよ。みたいなすごく単純なモチベーションなんですよね。

でも、フォームレスデザインの石橋さんは確信犯で。
いわゆるエコデザインというか、その周辺のことは勉強していて。とある先生が言っていたらしいのですが「使い捨てのものが即死のようなインパクトを与えていたとすると、エコとして語られる多くのモノはじわじわ殺すようなものであって、そこに大差はないんだよ。」

大学で勉強をしてさらに社会に出て、石橋さんは飄々としているから感じさせないんだけど、多分いろいろ考えて。相方のカオスさんの自動筆記的に無限に顔を描くことができる能力に注目したんだと思っていて。
結果生まれ出てくるプロダクトは顔が描かれて擬人化されている。
効用は生活に違和感を持って入り込んでいくこと。
そして、捨てさせないこと。

自分の生活の中で愛すべきモノって機能的に優れているとか、そういうことが必ずしも必要じゃなくて。なんかただ単純に離れられなくする、その接点がきれいに収まっていることが必要で。
そういう意味で機関車トーマスやアンパンマンじゃないけど、擬人化するのってテクニックとしては有効だと思っています。そういう意味でスゲー賢いな、とか思ったりしたのですが。。

なんかこういう悪どい感じとか考えられている感じとか、一切関係なく存在するこの「ピン子」ってずるいと。まあ、僕が勘ぐっているだけで、単純にピン子はピン子なのですが。

ちなみに売り方はスリッパと一緒で、毎回毎回オリジナルの一品があがってくるので、それを選んでもらってお届けという方式です。もともとはボーリングピンなので帽子立てというのもおかしな話なのですが、そんな使い方もできるしもともとの重量が想像するより重いので軽いドアとかであればストッパー的にも使えるかも。
その辺はいろいろ工夫を。立っているし多分想像しているより大きい分、スリッパの時よりもずっと違和感を持って部屋の中にいてくれると思います。
まあまあ、なんかピン子との生活を楽しんでみてもらえれば。

FormlessDesignさんの最近の活動に関しては下記をご覧ください。
> FormlessDesign

FormlessDesignさんのこれまでの作品は、こちらからどうぞ。
> スリッパ革命!


帽子立てピン子

ドアストッパーピン子

生活の中に馴染んでる!?

描いているのはカオスさん!