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サイズのない服

商品番号tk024303
商品名

NO SIZE DRAPE DRESS
NO SIZE ASYMMETRY DRESS
NO SIZE NOTCHED COLLAR JACKET
OVERSIZE SHIRT
OVERSIZE GINGHAM CHECK PANTS

価格

NO SIZE DRAPE DRESS:¥45,360
NO SIZE ASYMMETRY DRESS:¥51,840
NO SIZE NOTCHED COLLAR JACKET:
 ¥70,200
OVERSIZE SHIRT:¥34,560
OVERSIZE GINGHAM CHECK PANTS:
 ¥59,400
※全て税込価格

限定数

サイズ

> サイズ表

素材

NO SIZE DRAPE DRESS:
 100%TENCEL
NO SIZE ASYMMETRY DRESS:
 100%TENCEL
NO SIZE NOTCHED COLLAR JACKET:
 100%POLYESTER
OVERSIZE SHIRT:
 100%COTTON
OVERSIZE GINGHAM CHECK PANTS:
 (MAIN)65%COTTON 32%RAYON
  3%POLYURETHANE
 (ATTACHED)100%COTTON

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

無料

納期

2014年1月頃:
 NO SIZE NOTCHED COLLAR JACKET
 OVERSIZE SHIRT
2014年2月頃:
 NO SIZE DRAPE DRESS
 NO SIZE ASYMMETRY DRESS
 OVERSIZE GINGHAM CHECK PANTS

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

再びざわめく

ANREALAGE(アンリアレイジ)の2014 S/Sコレクション「SIZE」。

ショーの会場は、またしても驚きの声にざわめき、静かな高揚感に包まれました。

「ショーでしか表現できない世界を見せたい。」
そう言って、デザイナーの森永邦彦さんが、その発表の場をショーへと戻したのは3年前、2011 S/Sのコレクションでのこと。

それが1つの頂点に達したかに見えた、前回のコレクション。
服の色が変化するという、想像を超える出来事に、その場の誰もが思わず声を上げてしまったのです。

それはまさしく、ショーでしか表現できない世界。

続く今回は、いったいどんなことになるのか?
そんな期待をよそに、意外とも言えるほど淡々と進んでいたショーは、中盤で一転します。

現れたのは、3人の女性。
なのですが、大人は若い女性が1人だけ。あとは少女と、そしてまだ幼さ残る子供、という年齢・体型ともに大・中・小と並んだ3人がステージに上がります。

見れば3人が着ているのは、サイズも形も全く同じ服のようで、当然ちびっこの着る服は、ズルズルと床にひきずらんばかり。

そして、次の瞬間の出来事に、会場は驚きに包まれます。

3人の着る服が、クシュクシュとたぐり寄せられるように持ち上がり、長さも幅もたっぷりとしていたその服は、それぞれの体に合わせるように、形を変えていったのです。

大人からちびっこまで、同じサイズの服を着た3人の女性。
その服がたぐり寄せられ、あっという間に体型に合うサイズに。

(左)NO SIZE ASYMMETRY DRESS
 ワイヤーのような糸が巻き取られる前の状態。
(右)NO SIZE DRAPE DRESS
 元は左のドレスと同じ形の服。

NO SIZE ASYMMETRY DRESS

裾と袖が片側だけたぐられます。


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寄り添う仕組み

想像もしなかった展開に、息を呑み、そして感嘆の声を漏らす観客。

驚きの仕組みは、服の中に仕込まれたワイヤーのような糸によるものでした。

それが巻き取られることによって、たぐり寄せられた服は、ひだとなって服に表情を与えると同時に、大きさや長さを縮めて、服が体の形に近づいてきます。

つまり、服が着る人の体に合わせて、サイズや形を変える。

それが「体に寄り添う服」をコンセプトに掲げた今回のコレクションで、デザイナーの森永さんが試みたことでした。

ショーでは装置が仕込まれて、自動で糸を巻き取りましたが、実際の服にはプラスチックのダイヤルが付けられていて、これを回すと糸が縮まり、服の形が変わる仕組み。

ゆったりとしたシルエットの服は、この仕掛けによって、時にギュッと縮み上がって深い陰影を作り、時にはアシンメトリーな形を作り出して、糸の仕込まれる位置や方向、数によって様々な変化を見せるのです。

もちろん、巻き取った糸は緩めることもできるので、1つの服が様々に異なる表情を作るのを楽しむことも可能です。


NO SIZE NOTCHED COLLAR JACKET

襟元と肩口が、引き上げられます。


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SIZEとは

次々とランウェイに現れる、ゆったりとした服を身にまとったモデル。その服はどれも、舞台の上で見る見るうちに形を変えて、新しい姿を現します。

そんな、形を変える服が登場する前。
実はこのショーには、前半部分がありました。

そこで森永さんが試みたのは、同じ「SIZE」をテーマにしながらも、ある意味で後半とは逆とも言える服作り。

登場する服は、どれも一目見てその名前を呼べるような服。典型的な形をした服ですが、サイズを極小/極大に変形された服たちでした。

コートみたいに大きなジャケットがあれば、ジャケットよりも小さいコートがあったり、子供服のように小さいジャケットの袖口からは、巨大なシャツの袖がフワリと顔を出していたり...

そこでは、人の体と、服の大きさ・小ささとの関係の極地を見極めようとするような服と、その組み合わせによって生み出される、新しい表現が試みられていたのです。

そんな、突き放すようなサイズの前半の服と、そして一転、体の形に寄り添うように変形する後半の服。

実はもう1つ、ちょっと大げさかもしれないけれど、服のサイズについて考えさせられるような出来事がショーの中で起こっていました。

最初に書いた、3人の女性。
糸の巻き上げは、モデルが自分でon/offをするようになっていたそうで、緊張で操作を誤ったのか、真ん中の少女のモーターはoffにならず、糸を巻き上げきってしまったのです。

ミニスカートのような状態になった服。
それは、そのままで着ていても不思議ではなかったけれど、思春期の少女にとって、何百人もの目とカメラの前にそんな姿をさらすのは、耐え難いことだったのか、モジモジと恥らっていたのが印象的でした。

おそらく、彼女と全く同じ体型の女性でも、性格や年齢、着こなし方によっては、同じようにタイトに巻き上げて着ても不思議ではないのかもしれません。

でも、あの舞台に立つ、その瞬間の彼女にとって、それは好ましいサイズではなかったのです。


OVERSIZE GINGHAM CHECK PANTS(WHITE×BLACK)

WHITE×BEIGE

左上の丸いプラスチックがダイヤル。
回すとウェストのサイズが調整できてピッタリのサイズで履けます。


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服との距離

人に寄り添う服。

それはある意味で、ANREALAGEのこれまでの服作りと、逆の方法を試みた服でもありました。

転機となった、衝撃のコレクション2009 S/S。
「○△□」と名付けられたあのコレクション以降、ANREALAGEの服作りの根底を形作っていたのは、服を作る過程自体を再構築して、新しい服を導き出す、という方法でした。

「誰にも着られない服を想定することで、誰もが着られる服を作る。」

そんな風に森永さんが語る服作りは、手法を変えながら再三に渡って試みられることになります。

それは、時に極端な幾何学形へと服を変換し、時に横幅を250%も拡大した服を生み出し、あるいは服のどこかが激しく飛び出したような異形の服となって現れてきました。

言ってみれば、それは体との距離を限りなく遠くに設定した服。

そんな手法を180度転換したかのような今回のコレクションは、人の体との距離を縮め、人に寄り添うことを想定して作られた服です。

さらに実はもう1つ、今回のコレクションには、これまでのANREALAGEの服作りを覆すような、象徴的な要素があるのです。

それは、服のデザインを着る人の手に委ねている、という点。
森永さんがそれを選択したということは、実はかなり意外な出来事でした。

というのも、森永さんが自分のデザインを誰かにいじられることを極度に嫌うというのは、本人の口からも、そして周りの人たちからも、何度か耳にしていたからです。

そうやって自らが作った殻を壊してまでも、新しい服の形を目指して作られた、今回のコレクション。

それは、着る人が服と向き合い、服と自分との距離を考えることで成立する服です。

そして、考えるその時間をデザインしたのが今回のコレクションなのだと、そんな風に言うことができるのかもしれません。


ショーでしか表現できない世界を見せたい。
そんな言葉と共に、発表の場をランウェイへと移したANREALAGE。

3年の月日を経て、その言葉は着実に実行され、誰も想定していなかった場所へと、その服作りを押し上げました。

そしてまた、ANREALAGEは次の世界を目指すのです。
その舞台がランウェイから別の場所へと移るのかどうか...
それが決まるのはもう少し先になりそうですが、また大きな変化の波が、静かに押し寄せようとしているのは、どうやら間違い無さそうです。


そんなANREALAGEの軌跡は、これまでの紹介ページと、そしてANREALAGEのサイトでゆっくりと。

> 昼の花/夜の花
> リペア魂 × ANREALAGE!!
> ボタンでできた服!?
> 日に咲く服
> 残された美しさ
> 時の断片をまとう服
> 自立する服
> 保留される形
> 見えないカタチ
> ちょうど良い服
> ○ △ □ ?
> 凹 凸
> シルエット
> 乱れ咲き
 
> ANREALAGEのホームページ


(左)OVERSIZE GINGHAM CHECK PANTS
(右)OVERSIZE SHIRT

OVERSIZE SHIRT

実は後ろにダイヤルが。

ダイヤルを回すと、肩幅が調整できるようになっています。