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とどまる風船

商品番号tk026800
商品名

風船の一輪挿

価格

大(カラー) : ¥3,850
大(白) : ¥3,630
中(カラー) : ¥3,135
中(白) : ¥2,970
小・ひっこんでる(カラー) : ¥2,200
小・ひっこんでる(白) : ¥2,090
※全て税込価格

限定数

サイズ

大 : w85mm×d80mm×h125mm
中 : w60mm×d57mm×h106mm
小 : w45mm×d40mm×h95mm
ひっこんでる : w47mm×d25mm×h95mm

素材

磁器

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

1ヶ月程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーヤナギサワ

縮まず、破れず

誰にとっても親しみあるものは、
一言の説明も要せず心にすっと入ってきちゃう。

風船もきっとそういうもののひとつで、
ほとんど瞬間的に楽しい印象で迎え入れられる、
憎まれようのないうらやましい存在です。

膨らんだり、萎んだり、変化に引き付けられて、
浮遊する明るい色に元気をもらうこともできて。

そんな風船を、瞬間の形で切り取って固めたら、
こんなことになっちゃいました!

もちろん、縮まず、破れず、へたりもせず、
どこかに飛んでいってしまう心配もありません。

とはいえ、パンパンにふくらんで口を閉じられ、
ふわり宙に浮くあの瞬間が見せ場だとするならば、
この風船は、なんとも中途半端な瞬間を
切り取ってしまったように思えます。

でも、実際に手に取ってよくよく観察すると、
かえってそれがよかったみたい!

ふくらみ始めたばかりの余力ある風船は、
まだゴムの厚みも十分、ぽってりとした質感が残っていて、
アンバランスに伸び始めたゴムがいびつにふくらんだり、
と、魅力的な表情を映し出しています。

色だってほら、パンパンにふくらんで透明感が増したら、
こんなに元気のいい色ではいられなかったかも。

「できたー!」ってときの、最初の興奮。
きっとたまらなかっただろうなぁ。

4タイプ× 6色の展開

大: たまねぎサイズ

中: レモンサイズ  

小: 鶏卵サイズ    

ひっこんでる: 小を指で挟んでつぶした形 


dot_line.gif

主役?脇役?

まわりの空気が少し透明感を増すような、
佇まいの心地よさに魅了されました。

単純にからっと元気いっぱいな感じだけじゃなく、
置かれるシチュエーションや見方によっては、
どこか物憂い雰囲気も感じられるのがいいところ。

ずっとそばで愛でられるうれしさと同時に、
すっと消えてなくなりそうな儚さもあります。

ゴムの粉がまとわりついていそうなマットな質感や、
つい息を吹き込みたくなる口の出来栄えは、
どこからどう見ても、やっぱり風船。

それでいて実は、磁器でできた一輪挿しなので、
ちょっとした場所をやさしく彩ってくれます。

オブジェ的な要素が強いので、
ともすれば、脇役になりきれずに、
花と一緒にうっかり主役を張ってしまったり。

どんな花でも似合う、とは言い切れない
個性がゆえの不器用さも愛嬌のうち。

今まで花を飾る習慣がなかった人でも、
一輪ならアレンジに悩む必要がないし、
とっかかりになるかわいさと手頃さも魅力です。

それに、万一花を飾らない時間のほうが長くても、
オブジェとしての実力を兼ね備えているからご安心を。
ぽんぽんといくつか並べて置いてみるだけで、
このページの1番上の写真みたいに、
ちょっと幻想的な光景を見せてくれると思います。

ピンとした緊張感のある空間でも、
力の抜けたナチュラルな空間でも意外と相性がよく
日差しを浴びると、より一層美しく輝いて見えます。

ふくらみかけのサイズは、なんとも説明しにくいので、
丸い部分を手に取ってみた印象を記しておくと、
大きいものから、たまねぎ→レモン→鶏卵くらいでしょうか。

4タイプ×6色の展開で、受注制作でお受けします。
あいにく、すぐには届けられないため、
少しばかり時間の余裕を見てご注文ください!


いびつなふくらみ方が愛らしい大サイズ(右)

サイズ違いの2つ並びは使い勝手がよく多用できそう。

青と水はわずかな色の違い。

このまま息を吹き込みたくなる絶妙な質感です。


dot_line.gif

まさかの両思い

初めてこの風船を知ったのは、1年ほど前のこと。
沖縄の仕事から帰ってきたお馴染みの日野さんから、
こんなメールが届いたのが始まりでした。

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こんばんは。
先に書きました沖縄スタッフの阪田さんですが、
滞在中、ずーっと密買東京のことを話してました。

「密買東京は作る人間の心の支えです!」
と、言っておりました。
彼女はこんな作品を作っています。(写真添付)

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そんなことを言ってくれる奇特な人が沖縄にいたのか!
うれしさだけでなく、作品にも十分な魅力を感じて、
メールでやりとりを始めてから数ヶ月後、初の沖縄取材へ。

ようやく顔合わせをした阪田真梨子さんは、
およそ密買好きとは思えない、快活で笑顔のすてきな女性。
こんなにちゃんとした(風に見える)人が
本当に密買を好いてくれているのか自信が持てませんでした。

しかし、制作スペースのあるご自宅へ向かう道すがら、
「実物を見てイマイチだったら断ってもらって大丈夫なんで‥」
と、とにかく面白いくらいに恐縮しきりなのです。
「すいません、では正直に判断しちゃうので許してください‥」
とこちらもこちらで、恐縮しきりの牽制し合いです。

阪田さんのご自宅に伺うと、キッチンの片隅に見つけたのは、
カーテンで仕切られた3帖ほどの小さなスペース。
仕事をされながら、毎日少しずつ作業を進めているという場で、
初めて会う阪田さんのヒントを嗅ぎ取ろうと必死になる中、
写真でしか見たことのない風船がごろごろしているのを発見。

ん、間違いない!

ろくろを使った制作はあまり得意ではなくて、
型を使って生み出す作品を模索している中、
風船の作品を思いついたという阪田さん。

とはいえ、理想の形にふくらむ風船はどれなのか?
形が安定しない風船で思うような型を取るには?
など、完成までにはいろいろな試行錯誤があったそう。

本物顔負けの質感は、釉薬を使わずに焼き締めた後、
細かなサンドペーパーを使って水の中で必死に研ぎ、
表面を滑らかにしてようやく出てくるもの。
地味に手間のかかる作業がいっぱいです。

釉薬を使っていない=表面に艶のある塗膜がないので、
少し汚れがつきやすく、こまめな掃除がおすすめとのこと。
そして、小さなものほど倒れやすいので、
風の当たる窓際など、置き場所には注意が必要です。

さて、ここからは余談です。
取材が終わってお互いの牽制と緊張が解けてから、
この旅の大収穫、驚きの事実を知ることになりました。

実は阪田さん、誰に頼まれたわけでもないのに、
沖縄の地で、まるで密買東京の使者のように、
大事な人たちにだけ少しずつ
密買の布教活動(?)をしてくれていたのです。

一方で、布教された方々がみな口を揃えて言うのは、
「決して無闇やたらに広めないよう」言い渡されたと。

そう、そこが重要なのー。
我々の思いをこわいくらいに共有してくれている
まさかまさかの完璧な密買思想をもった阪田さん。

晴れて沖縄にてお見合い成立。
感動が過ぎて、心の中で男泣きに泣いた旅でした。


繊細なつくりなので失敗作が出てしまうことも。

緑色は型取りに使った本物のゴム風船です。

形を考えるのが好きな阪田さん。
思い付いたらネタ帳代わりに油粘土で試作してみるそう。

「人形町せとものまつり」のTシャツセレクトがサイコーでした。