小さな小さなマッチ箱
「いつからそんなにしゃべれるようになったんですか?」
「2,3年前に酒と煙草を覚えてからです。」
抜き身のナイフのような人なんです。子供のまま大人になったような人とでもいうのでしょうか。とてもピュアであり、それゆえにいろいろなものに迷い、もがく。
この絵は何の気もなしにマッチ箱に描かれていったものです。絵で有名になろうとか、売って生計を立てようとか一切思わずに。むしろ最初は暇つぶしのためのものだったようで。そして、そのときに自然と選んだモチーフの大半は顔でした。人か何かは良く分かりませんが、目があり鼻があり口がある顔でした。職業ではなく、もちろんノルマもなく、ただ好きなときに描くだけなので5年かけてコツコツと制作されてきたものです。
いわゆるセレクトショップのバイヤーのように「売れる!」と思ったわけではありません。ギャラリストのような才能発掘という意味でもありません。ただ、たまたまこれを見せられたときに「なんかすげぇ。」と思ったんです。

