石巻のエアロハウス


東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の指定外の避難所「明友館」を支援すべく、ある個人の方が私財を投じてエアロハウス・ミューを購入し、貸し出す形で仮設建築物として2011年7月12日に現地に設置しました。

車両での運搬が可能なエアロハウス・ミューですが、通常は一般の建築と同じく現地で建設されます。
ただし、今回は被災地での建設作業が困難だったため、神奈川県鎌倉市にある「小川鉄工」の作業場で組立作業を行い、出来上がった状態のエアロハウスをトレーラーで現地まで運び、設置を行いました。

実は、これはエアロハウスにとって初の運搬作業でもあります。

さらに、時期は未定ですが必要な期間支援用に貸し出された後、このエアロハウスはまた移動されて自己使用される予定です。

こんな風に無理や無駄の少ない形で、支援に使われたり、移動して利用されたり、あるいは貸し出されたり、売買されたり、エアロハウスならではの新しい建築の流通の形が作れたら、とても意義深いと思います。そして密買東京でも、そんな新しい仕組み作りに取り組めたらと思っています。



もらった地図を片手に向かった小川鉄工の作業場。到着すると、すでに組立作業は始まっていました。小川鉄工は、これまでにもいくつかエアロハウスを手がけている工務店です。



底の面になる部材に、垂直な部材が立ち上がり、これから梁を架けていく作業です。



ちなみに、今回は作業場での組み立てだったのでウィンチなどで材料を持ち上げていますが、大人が4-5人いれば重機なしでも組み立て可能だと思います。



フレームが組みあがって、これから合板を張り付けていきます。



だいぶ張り上がってきました。



この日の作業はこのぐらいまで。ちなみに、今回はスケジュールの関係で合板がプレカットされてなかったので、作業時間がかかりましたが、プレカットなら合板を張るところまでは1日でできちゃいそうです。




そして数週間後、完成したエアロハウスを運びます。


夜中に出発して、高速道路で石巻まで。夜明けのサービスエリアで後から来るエアロハウスを待ちます。



来ました!朝靄の中、まずはエアロハウスの無事を確認。長時間の移動で痛んでいる部分はないか?



長旅ご苦労様です。



石巻までもう少し。さらなる移動に備えて調整をします。



実は今回のトレーラーのドライバーさんは女性。かっこ良くて全員で惚れ惚れ。(余談...)



数時間後。やっと避難所に到着しました。



お疲れ様でした。



と、一息つく暇もなく、すぐに設置作業の始まりです。



まずは、クレーンで吊り上げるための準備から。



吊り上げ作業が始まりました。緊迫感に現場の空気が張り詰めます。



まずは、設置場所まで移動完了。仮の脚に乗せます。



仮の脚を、支柱に換える作業。



これもかなり慎重を要する工程です。



やっと設置が完了して、まずは一安心。徐々に姿が現れてきます。



重機がどくと、見慣れたあの姿が現れます。さて、ここらでそろそろお昼に。(ってまだお昼です。)



作業再開。と言っても、あとは窓をはめて、室内の調整を少しするだけ。(今回は仮設で設備がないので。)



なんて言ってる間に、階段もついて、完成!!



室内は、設備も無くてシンプルな箱。



いつもは黒かダークグレーですが、今回は明るく優しい緑が選ばれました。



石巻復興のシンボルになってくれるようにと祈ってます。






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