東恩納さんのシャンデリア
商品番号 | tk000003 |
商品名 | untitled(chandelier ch.-VIII) |
価格 | ¥262,500(税込) |
限定数 | この作品は完売いたしました。 |
サイズ | W290mm×D235mm×H480mm |
素材 | 蛍光灯、アルミフレーム、配線コード、結束バンド、安定器 |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | |
納期 | この作品は完売いたしました。 |
備考 | この商品は受注生産品のため、返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | チバ |
東恩納さんのシャンデリア
初めてこの異物体を目撃したのが、いつだったか、どこだったか、ちょっと思い出せない。おそらく、何かのメディアの片隅で見かけたのかもしれない。でも、その妖しくグロテスクとも言える美しさと、存在感のインパクトが、ボクの心の中にトゲのように、ずっと引っかかっていた。
そんな謎の物体が、東恩納裕一さんというアーティストの作品だということを知ったのは、恥ずかしながら、ごくごく最近のこと。
蛍光灯という、合理性の象徴のような照明器具が、複雑に絡み合い、むき出しのケーブルで繋がれ、電流を送り込まれることで、とても艶めかしく妖しい存在として生命を宿すようになる。
そうか、それがデザインにはできない、アートの力によるものだったのか... と、心に引っかかっていた訳が、すっと腑に落ちる感じ。
しかし、作品に対して、こんな簡単な言葉で片付けてしまうと、怒られてしまうかもしれないけど、やっぱりこれは文句なくカッコイイ!こんなシャンデリアがいつも過ごしている空間にあったら、って想像するだけで、ニヤッとしてしまいません?
注)実物が見たいという方は、この作品よりもひとまわり大きい作品を、コムデギャルソン青山店で見ることが可能です。
作家 東恩納裕一さんは
東京生まれ
多摩美術大学絵画科油画卒
花柄や、リボン、レースなど、いわゆる「ファンシー」と呼ばれる、どこの家庭にも必ずあるような物たち。一見かわいらしいけれど、一歩引いて冷静に見ると実はちょっと不気味ささえ感じさせる。そんな感覚を、日本の家庭に溢れるおなじみのプロダクトをモチーフにして表現した作品を90年代はじめから作ってきた東恩納さん。
この感覚、70年代前後に生まれて、気づけばファンシーにまみれて育ってきたボクらにとっては、きっとかなりリアルに共感できる感覚ですね。
代表作には、FL(Flower)シリーズという、造花やチェーンをスプレーペイントで形取ったシリーズなどがあります。
今回紹介する作品も、日本独自のプロダクトでもある丸型蛍光灯(海外では使われていないらしい)を使って作られている作品で、東恩納さんの代表的なシリーズの中の1つです。
これまでの主な展覧会
【個展】
2001年「ギャラリー101」(オタワ)
2002年「Ise Foundation」(ニューヨーク)
2003年「Light Bright Picnic」(東京)
2004年「Galerie Jean-Luc & Takako Richard」(パリ)
2005年「シャンデリア!」(東京)
【グループ展】
1999年「時代の体温 Art / Domestic」(東京)
2001年「オプ・トランス!」(大阪)
2003年「ZONE」(東京)
2004年「Officina Asia」(ボローニャ)
2006年「愉しき家」(愛知)
2007年 釜山ビエンナーレ「リビングファニチャー」(釜山)
東恩納さんは、ユミコチバアソシエイツの所属アーティストです。他の作品などの情報はYUMIKO CHIBA ASSOCIATESにてご覧下さい。
作品展などの情報は、こちらでも随時お知らせしますので、ご確認ください。
> 「密買日報」
シャンデリアを買ってしまった男
「来ました。すべての人に見せたい。今そんな優越感に満ち足りています。」
ある日、届いた1通のメール。彼にこんな詩のようなメールを書かせてしまったのが、そう、東恩納さんのシャンデリアだったのです。
購入したのは、我らが仲間である安田洋平。「東京R不動産」の制作を指揮し、この「密買東京」でも制作面で強力にバックアップをしてくれている一人です。主にアート系の編集やライティングを生業としている彼。先日、自らが代表となる法人を立ち上げるに当たって、記念に購入したもの、それがこのシャンデリアだったのです。
さっそく、オフィスに彼を訪ねると、実に嬉しそうに、そして誇らしげに、このシャンデリアのことや、東恩納さんのことを語ってくれました。
作品の裏に書かれた東恩納さんのサインを見せながら、自慢げに語る姿を見て、いや、むしろ作品自体を見て、本当に欲しいと心から思ってしまいました。しかし、それと同時に、改めてこの作品のすごさ、東恩納さんのすごさを目の当たりにした日でもありました。
一番度肝を抜かれたのは、無数のパーツから出来上がっているこの作品の、小さなパーツに番号が振られているということです。
自分で組み立てることができるこの作品、もちろん蛍光灯なので、時間が経過すると蛍光管の交換が必要になってきます。そんなときでも対応が可能なように、着脱が必要なパーツに、番号が振られているのです。そしてさらに、東恩納さん自らが作った組み立て方法のマニュアルも用意されています。(下のリンクのPDFのような説明書がついています。)
組み立て方の説明書(PDF 182KB) >
この徹底ぶりが、東恩納さんの人柄を端的に表しているようで、本当に感動してしまいました。
それから、蛍光灯の色。沢山の蛍光灯を使うこの作品、実は数種類の色の蛍光灯が混ざって構成されています。色と言っても、基本は白を使っているのですが、若干昼光色のような黄みがかった色の蛍光管も混ざっているのです。本来であれば、全てを白で統一することもできるところですが、あえてそうせずに、若干の雑多さというか、遊びのようなものを、わざと入れているというのを、今回初めて教えてもらいました。
組み立て方のマニュアルに見るような、完璧主義的で緻密な印象と、それをあえて崩してくるこの感じ、その絶妙なバランス感を改めて目の当たりにした気がしました。