陰影で魅せる
商品番号 | tk019603 |
商品名 | 彫付 HORITSUKE |
価格 | 魚偏漢字湯呑:¥3,080 |
限定数 | - |
サイズ | 魚偏漢字湯呑:Φ72mm×H102mm |
素材 | 磁器 |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | 一覧表をみる > |
納期 | 1週間程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | チバ |
繊細な陰影
白い器。
その表面に浮かぶ模様は、ともすれば見逃してしまいそうなほど。
まるでレースのように、繊細な陰影で表現されているそれは、よく見ればどれも見慣れた模様や、柄でした。
普段目にするとき、その多くは藍色で描かれていることが多いのでしょうか。
古くから日本の生活の中で、慣れ親しまれてきた模様や柄は、悪く言えばもう気にもならないほどに、お馴染みの存在です。
それが、絵付けやプリントではなく、彫り込まれ、陰影として現れるとき、ハッとするほど繊細で、こんなにも上品な表現に生まれ変わるとは。
反転の勝機
型屋さんが作った器のブランド、「彫付」。
それがこの白い器たちに付けられた名前です。
型屋発のブランドならでは、とも言えそうな、この繊細な陰影による模様の世界。
型屋とは...?
あまり知られていないと思いますが、焼き物の世界では、それぞれの工程が分業化されているのが一般的、なのだそうです。
通常は、窯元や問屋が焼き物を世に出し、逆に窯元からの仕事を請負う形で、型屋、生地屋など、各工程のプロがそれぞれ仕事をし、ひとつの器が作られます。
そんな分業の世界の中で、長年型を作ってきたのが、この「彫付」の生みの親、株式会社エム・エム・ヨシハシです。
型のプロとして培ってきた技術で、何か新しい焼き物を作り出すことができないか?日々の仕事の中で、エム・エム・ヨシハシの吉橋さんは考えます。
結果たどり着いたのは、今まで絵付けによって表現されてきた模様や柄を、立体として器に描いてしまうという方法でした。
そして、この彫付というブランドが立ち上がります。
自ら作り出した型で、新しい器を作り、それを世に出す。
つまり、今まで仕事を請負っていた窯元に、今度はお願いをして自分のブランドの商品を焼いてもらうことになるのです。
まるで型の立体が反転して器になるように、仕事の流れが反転し、自ら商品を生み出し、世に広める、という活動が始まります。
きっかけのラーメンどんぶり
さて、この彫付ブランドに、2012年から新しく登場したのが、「雷紋模様どんぶり」。
これをデザインしたのが、MicroWorks海山俊亮さん。
密買東京には2度目の登場です。
彫付シリーズを紹介する機会を与えてくれた、この器について、まず紹介します。
ここでも貫かれている、誰もが見たことのある模様というコンセプト。
そう、中華料理屋のラーメンどんぶりに描かれている、あのナルトのようなグルグル模様が「雷紋(らいもん)」という名前なのだそうです。
この雷紋模様どんぶり。
実は、彫付と出会う前から海山さんの中には構想があって、すでにデザインも今回実現したのとほぼ同じ形で、イメージがしていたというから、ちょっと驚きます。
以前、ラーメンのどんぶりを探す機会があったという海山さん。その時に、良いものに出会うことができなかった経験から、このどんぶりの構想が頭の中で膨らんでいったそうです。
かねてから温めていたデザインだけに、その形にもこだわりがあって。
実はこのどんぶりは、普通のラーメンどんぶりと違い、底の平らな面が大きく取られています。これは、箸で麺を持ち上げるときに、箸を立てずに寝かせて挟むことができ、麺を持ち上げやすい、という理由から。
もちろん、縁の部分には、お馴染みの雷紋模様が彫り込まれ、さりげなく中華気分を盛り上げます。
中華のどんぶりとしての雷紋模様は、余りにもシンボリックでノスタルジック。普段の生活ではなかなか使えそうもないけれど、これならば、改めて模様として楽しむことができ、ラーメン以外にも日常の器として使えます。
また、一回り小さい、かわいらしいどんぶりもあって、こちらも日々の食卓で活躍してくれそうです。
普遍性と現在性
ラーメンどんぶりは、その形も含め海山さんが図面を引き、デザインをして作られました。
それ以外の器は、どのようになっているのか?
彫付のデザインとディレクションは名古屋のデザイン事務所、有限会社スタジオポイントを迎えて行なっているそうです。
湯呑や猪口をはじめ、他の器は、このディレクションのもと、基本的に誰もが目にしたことのある一般的な形を元に、模様を施すことで型が作られています。
でも、彫付を実際に手に取って、使っていただくと分かると思います。
例えば、湯呑はまさに寿司屋の湯呑ですが、手にしてみると、ぼってりとぶ厚いあの鈍重な感じはなく、実は意外と直線的なラインと、程よい厚みのキリッとしたシルエットになっていることに気付きます。
他の器もしかり。
また、それ以外にも細かいところにまでこだわったモノづくりがされていて、型から抜いた器を、普通は行なわないレベルで傷などの確認をし、釉薬も繊細な凹凸を表現できるよう最適な濃度などを追及するなど、ごまかしの利かないこのプロダクトならではの手間とノウハウが注ぎ込まれているそうです。
また、型のプロだけあって、通常100回ほど使われる型を、物によっては60から70回程度抑えて、型のシャープさを保ったりすることもしていると言います。
そんなこだわりの積み重なりが、この美しい陰影の世界を作り出しているのです。
また、それを包むパッケージもとても上品で美しく、このままで贈り物に使えるような、凛とした雰囲気を感じるデザインです。
特に、湯呑のパッケージの帯には、薄っすらと水引の形が印刷されていて、贈り物を意識したデザインになっています。
プレゼントとして、日常使いの器として、きっと存在感を発揮してくれることと思います。
彫付とMicroWorksのホームページはこちらから。