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気になる絵の皿

商品番号tk001203
商品名

気になる絵の皿

価格

チーズボード
 タワークレーン:¥17,280
 電柱1:¥17,280
 電柱2:¥20,520
 電柱3:¥20,520
※全て税込金額

限定数

各1点ずつ

サイズ

タワークレーン:Φ約225mm×H約25mm
電柱1:Φ約240mm×H約25mm
電柱2、3:Φ約275mm×H約25mm

素材

磁器

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。
カッティングボードとしての使用はお薦めしません。また木の部分と磁器の部分の取り外し、水洗いはできません。

バイヤーチバ

「返事が来ません...」

瀬戸にある熊本さんのアトリエを訪ねたのは、もうすぐ日も暮れるかという頃。

ちょうどアトリエ移転の作業を終えた、その日の夕方に4人で押しかけてしまったボクら。生せんべい(不思議だけどおいしかった)と、お茶で、もてなしてくれる熊本さん。

しかし、その表情には明らかな警戒感と不安さが...。
「いかん!早く打ち解けなくては...」焦るボクら。

熊本さんの作品を初めて見たのは、とあるクラフトフェアでのこと。そこで見た作品に一目惚れしてしまった訳ですが、結局当日は話もできず、手元に残ったのは名刺が1枚。(これがまた素敵なのですが)

その名刺に書かれていたのは、ケータイのアドレスのみ。どこにいるかも分からないまま、メールでコンタクトを取ってみたものの、返事がこない...。

どうやら熊本さんは、あまりにも不審なそのメールに怯えて、友達に相談したりしていたそうです。そりゃそうです。いきなり「密買東京」から、アトリエに行きたい!って言われても...。良くOKしてくれたなぁっていう感じです。

あ、いきなり話が脱線しましたが。

チーズボード「タワークレーン」
このシリーズは描く面が平らなので、曲面の器より描きやすいそうです(各画像クリックで拡大)

チーズボード「電柱1」
電柱と電線も、おなじみのモチーフです

チーズボード「電柱2」

チーズボード「電柱3」

チーズボードとは、切ったチーズを盛り付けてテーブルに出すための器なのだとか。ちなみにカッティングボードとしての使用は推奨しないそうです。そして木の部分があるため、水洗いできないのでご注意ください


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不器用なモノたち

しかしボクにとっても熊本さんとの出会いは驚きでした。

熊本さんの、ちょっとマニアック(失礼)なモノたちへの眼差し。建築出身のボクら(実は密買東京は大半が建築出身なのですが)からは、そんなモノたちに、愛着を感じる感覚は、すごく共感できるのです。

ガスメーター、電線、鉄塔…。

熊本さんが描くのは、そんな普段の生活の傍らにある、なんてことないモノたち。むしろ邪魔にされているものだって、多くあります。愛嬌もなく、無愛想で申し訳なさそうに、こっそり端っこにいたりするモノたち。でも、だからこそ気になるその存在、その表情、その武骨さ。不器用な男、高倉健とまではいかないまでも、無表情だからかっこいいし、逆に愛嬌のある顔にも見えてくる。「気にしないで」と言われると、気になってしまう。そんなモノたち。

そんなマニアックな風景を切り取り、描いている熊本さんは、とても繊細な女性で、しかも建築に縁もゆかりもないらしい。そのことが本当にビックリだったのです。

そして熊本さんに初めて会いに行った2007年ごろは、自身の中でもこのシリーズの位置づけをまだ模索している途中でした。

実用品とも言い切れないし、かといって、絵画のように独立した作品という位置づけともちょっと違う。そんな曖昧さの中で揺らぐこの作品。そこがボクらの目にはとても新鮮で、心地よく感じたのですが…。

だからこのシリーズは他の作品と分けて、実際に買う人と直接会って気に入ってくれたときだけ売ることにしていました。


チーズボード「タワークレーン」
熊本さんらしい風景の切り取り方。ちなみに熊本さんの器の値段は、大きさなどではなく、描き込む線の量で決まります。木の部分は木工作家の遠藤マサヒロさんが作っていて、共作になっています

タワークレーンは、この部分にひずみがあって厚くなり、木との間に隙間が空いています

チーズボード「電柱1」
どの作品も木の部分との間に、何ヶ所か隙間が空いている部分があります


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にじみ、揺らぐ

描くモチーフの選び方もツボを突いてくる訳ですが、そのタッチもまたなんとも言えず心地よい。ついつい手に取って眺めてはニヤニヤしてしまいます。

磁器に描かれたか細い線は、頼りなさそうに揺れ、にじみながら、風景を描き出していきます。そのなんとも頼りない感じに、またまた目と心を奪われて、目はついつい線の一本一本を追って、お皿の上をなぞってしまいます。

昔懐かしい、製図用のペンで描かれた設計図のようなその質感。これがまた建築心を揺さぶります。いや建築に関係なくたって、図面ってなんだかフェティッシュな魅力ありますよね?

そしてこの作品の魅力として、器であることが重要だと思うのです。

もちろん実用品とは言い切れない。でも額縁ではなくて、お皿という見慣れたもので切り取られているのが、とても心地よい。うまく言葉で表せないけれど、なんとも言えない愛着のようなものが湧いてきます。


チーズボード「電柱2」

チーズボード「電柱3」


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警戒感は解消されたのか?

そんなこんなで、なんとかお願いをして、作品を紹介できるようになり、現在に至ります。

作者の熊本充子さんは、かつて会社員をしていたこともあるというのが、違和感なく納得できてしまうような、とてもスッキリした印象の素敵な方。なのにこんなマニアックな風景を描いている。このギャップにまたすごく興味をそそられてしまいます。

熊本さんが瀬戸に移り住み、数年後に移転した今のアトリエは、緑のスチールサッシが印象的で、実に居心地が良さそうでした。そんな環境で生み出される、素敵な作品。これからもたくさん紹介していきたいと思っています。

作品展などの情報は、こちらでも随時お知らせしますので、ご確認ください。
> 「密買日報」


裏に作品が印刷された熊本さんの名刺 かわいい!

この湯飲みも作品です

移転したばかりのアトリエはまだ道具たちが整然と(2007年6月撮影)