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水先案内人

商品番号tk014802
商品名

GALATEA

価格

knife(large):¥4,300(税込)
spoon(large):¥3,800(税込)
fork(large):¥3,800(税込)
spoon(small):¥2,800(税込)
fork(small):¥2,800(税込)
sakiware spoon:¥2,800(税込)

限定数

-

サイズ

knife(large):W約19mm×H約220mm
spoon(large):W約37mm×H約185mm
fork(large):W約25mm×H約185mm
spoon(small):W約25mm×H約125mm
fork(small):W約17mm×H約125mm
sakiware spoon:W約35mm×H約152mm

素材

stainless steel

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

164円(メール便でポストへお届けの場合)
510円 (レターパックで直接受け渡しの場合)

納期

2週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーmikayama

金属を鍛えると書いて「鍛金」

そもそも金属を鍛えてみようなんて、現代を生きる僕は思ったことはないのですが。。昔は固い素材が身近になかったから、鉄などの金属をなんとかより固くしようと知恵をしぼった意味は分かります。

そうして、生まれてきた技術が「鍛金」です。基本は金属を熱して叩いて冷やすこと。そうすれば金属は化学変化を起こして固くなるそうで。実はそれほどよく内容を理解していないので、詳しいことを伝えづらいのですが、体験させてもらった範囲では確かに熱すると金属は柔らかくなり、叩いて冷やすと固くなる。事実です。

ただ、それを工芸として昇華させていく際に、いろいろな手法が考えだされるわけです。それを応用した商品が今回ご紹介する「GALATEA」というカトラリーのシリーズ。どうも昔使われていただけの古い技術というわけではないようです。

 

GALATEA

こんなパッケージでお届けします

spoon(large):¥3,800(税込)

fork(large):¥3,800(税込)


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ピカピカ

使うことが本分の「道具」でさえ、きれいなもの、かっこいいものであれ。と思ったのか、根源的な美意識なのか発端は分かりませんが、金属を鍛える際にそのハンマーをピカピカに磨いておくと、叩いて鍛えられたものまでピカピカに光りだします。
今までついていた目に見えないような細かい傷が、押しつぶされてきれいになるそうなのですが、、、よく分かっていない僕から説明されてもよく分からないと思うので、これも事実として理解してください。鏡のようにツルツルに磨き上げたハンマーで金属を叩くと、その表面はピカピカになるんです。

ですので、この作品はいわゆる普通のスプーン、フォーク、ナイフ、先割れスプーンを叩いてみたらきれいになりました。。というほど、やはり簡単ではなくて。
この「GALATEA」シリーズの元々のカトラリーは全て燕三条のメーカーから取り寄せているのですが、実は製造後時間が経ったものばかりを使用しています。つまり若干くすんでいる。なのに、前述のとおりピカピカハンマーを使って鍛えた結果、槌目も残ってダイヤみたいに乱反射するので通常よりもよりピカピカカトラリーとして生まれ変わっています。


knife(large):¥4,300(税込)

sakiware spoon:¥2,800(税込)

spoon(small):¥2,800(税込)、fork(small):¥2,800(税込)


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形を変えない

また、金属を鍛えるという行為は固くすると同時に、形を変えるためにも使われます。例えば、一枚の板から壺を作り出したり、鍋を作り出したり。なのに、今回は「叩く=ピカピカにする」という技術をより分かりやすく見せるために、叩いても極力形が変わらないように努力しています。

これ、実際に現場で見せてもらったのですが思いのほか大変で。
例えば、フォークの刺す部分。細いので槌で叩くとすぐ曲がってしまうのですが、これを矯正しつつ槌目(ハンマーの跡)がしっかりつくように満遍なく叩いていく。当然、叩くことによって金属が薄くなっていくのでそれも調整する。本来、形を変える技術だからこそ、形を変えないことにも技術が必要なんです。


トントンと叩く竹中さん

真ん中に槌目がついているの分かりますか?

ピカピカ光る理由はこのハンマー

加工前後の変化は一目瞭然


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接点

さて、そこまでしてこの作品を作っている501DESIGNSTUDIOの竹中壮一さん。何を伝えたかったのか。簡単に言ってしまうと「工芸の素晴らしさ」です。簡単すぎますかね。
でも、このシンプルな感情が竹中さんの制作意欲となっています。
10年ほど前、竹中さんは現代美術作家を志していました。当然、制作のためネタをいろいろと探していくのですが、その過程の中で日本の工芸に触れる機会があったんです。僕がこのカトラリーを見て、なんか新鮮だと感じるように、竹中さんも鍛金や工芸の技術に妙な新鮮さ(と同時に懐かしさ)を感じました。でも、知れば知るほど工芸という世界が閉鎖的なようにも感じてしまい。それでは自分が工芸の水先案内人になれればよいな、と思い美術大学の工芸学科に入ります。鍛金の技術を習得するために。そうして、このような本来「鍛金」の領分ではない作品を作っているんです。
水先案内人として、単純に普段触れているモノが技術を経ることで変化すると分かりやすいと思うから。

こういう分かりやすさって、すごく重要だと思います。
僕もそうでしたが普通の人って、ろくろを回したことがある。木を削ったことがある。ぐらいじゃないですか。でも、こうやってお店始めてみて、いろいろ教えてもらうと本当に日本の工芸って優秀で、いろいろな技術・工法がそこに隠されていることが分かります。
単純に接点が必要なんですよね。

実は、501DESIGNSTUDIOはデザイナーの五十嵐さんと工芸家の竹中さんのユニットです。竹中さんの生み出す作品をデザイナーの五十嵐さんがより分かりやすくデザインして商品化する。接点までコントロールすることができる工芸家は少ない、という意味でとても貴重な方たちなんだろうなと思います。

まあ、一度触れてみてくださいよ。
単純にこのピカピカ感と触れなきゃわからないデコボコ感。妙に刺さるんですよね。なんかそれほどデザインデザインしていないので、普段の生活にも普通にフィットすると思うし。先割れスプーンとか。なんか懐かしさが同時にある感じがよいんですよ。


501DESIGNSTUDIOについて詳しくは下記をご覧ください。
> 501DESIGNSTUDIO


この槌目が本当にかっこいい

エッジの部分に苦心の跡が

フォークも先まで槌目が入っています

裏側に小さく501の刻印が