正しい歪み方
商品番号 | tk014702 |
商品名 | 丸い皿 |
価格 | 丸い皿(大):¥4,000(税込) |
限定数 | - |
サイズ | 丸い皿(大):Φ約225mm×H約13mm |
素材 | 磁器 |
支払方法 | 先払い |
送料 | |
納期 | 1年程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | mikayama |
モダニズム
クラフト系の展示会に行くと「おいおいやりすぎだろ」というほど、歪んでいる作品を多く見かけます。多分、歪んでいることをデザインとはき違えているんですよね。でも、自分の作品の特徴をより出すためにそういう方向に向かってしまう。
多分、僕らの世代って自然とモダニズムの傍で育っていて、その過程の中でシンプルなものが一番好ましいと教育されているような気もするんです。もちろんそれが嫌だという訳ではなく単純にそういう環境で育ってきた、ということでして。
じゃあ、工業製品に向かえばいいのか、というとそういう話でもなく、もちろん大量生産される工業製品のその製法ゆえのシンプルなデザインも好きなのですが、それだけになってしまうと若干物足りなく、、なんか「あたたかさ」みたいなものを求めてしまうんですね。多分、それは素材でもあるのですが、それよりも多少の「隙」であり「歪み」のような気がしています。
ただの自分の嗜好性の話ではあります。だけど実は世代感として括れる話のような気もしています。
丸い皿
四角い皿
すごく平たいです
ちょっとだけ歪んでいるの分かりますか?
許容することの不思議さ
今回ご紹介する作品は林友加さんの磁器のお皿です。
タタラ作りで作られていて、高さがないシンプルな平皿。ただ、型である板から取る際にちょっとした歪みがでるのですが、それをそのまま許容してデザインとしてしまっている、という訳です。他に特に変わっていることをしているわけではありません。
なんかこれだけを語ってしまうと、なんてことないのですが。。
例えば林さんの現在の愛車はフィアットのパンダという車です。カクカクのイタリアの小型車。しかもマニュアル。生産中止という話を聞き、そのデザインに惚れてしまい購入してしまいました。
例えば、林さんの工房。
とてもシンプルできれいな工房です。磁器を扱う方の工房は当たり前にきれいではあるのですが、その中でも僕が伺った中ではダントツにきれい。清潔感があるし、モノもきちんと整頓されています。
そんな人が許容した歪みといえば、なんか伝わりますか?
ものすごい違和感なんですよ。そのマットな質感とか、高さがない器のシンプルさとか、サイズの違う同じデザインのお皿を作ってしまう感じとか、明らかに工業製品ぽいモノを好きな人だということが分かるし、几帳面な人なんだろうな、ということも伝わってくる。それなのに、その歪み許容しちゃうんだ!?みたいな。
この型から制作していきます
これは型から外した状態
本当にきれいな工房です
林さんとパンダ
日本人に似合う洋食器
なんかすごく最近考えるのが、今の日本人が洋食(フランス料理とかイタリア料理とか、そういうの)を食べるのにフィットする器ってどんなんだろう、って。昔から違和感だったのですが、あの絵付けがしてあるトラディショナルな器とかって、日本人の顔とか食べている姿に似合わないんですよね。
でも、旧来の和食器で洋食は盛るわけにはいかない。だけど、自分たちの食文化は和食だけでは無くなってきている。。
なにか違う種類の器が必要なんですよね。探さないといけない。
このコンセプトって、実は今まで密買東京で僕が紹介した器の全てで共通している気がするんです。まぁ、これも僕の嗜好の話だけなんでしょうけど。。
というわけで、極々シンプルな平皿です。
シンプルゆえに、いろいろな料理を盛り付けてもフィットすると思います。特に、洋食系の背の高い料理を盛るのにはよいかと。当たり前ですが、底の部分はしっかりと処理してあるので、歪んでいても器は安定しています。
普段の生活の中で、普通に使ってもらえる良いお皿だと思います。
歪みは多少あるのですがとてもきれいなエッジです
裏面に高台はありません
真ん中にひっそりとサインが入っています(傷みたいに細いです)
試しにサラダ盛ってみました