チンドン屋へのいざない
商品番号 | tk016807 |
商品名 | 「チンドン!あづまや」のチンドン広告 |
価格 | ¥27,500(税込)から |
限定数 | - |
サイズ | - |
素材 | - |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | - |
納期 | 相談 |
備考 | チンドン屋の派遣です。個別にご相談の上、見積もりを提出いたします。 |
バイヤー | スギウラ |
What's チンドン
「チンドン屋」とは、その名の通り鉦の音の「チン」と太鼓の音の「ドン」を威勢よく鳴らしながら街を練り歩く宣伝隊。その歴史はなかなかに古いのです。
江戸時代の終わり頃、飴屋の飴勝さんが「モノではなくて、声を商品にすることができるのでは?」と思いつき、自分の美声を売りに他の商品を紹介するようになったのが発端とのこと。飴勝さんの発想の転換、すごいです。
その後、何十人もの楽隊を率いてみたり、三味線を弾いたり、カツラをつけ時代劇の扮装をしたり、と時代ごとに変遷をたどり、現在の小編成スタイルが生まれたそう。
そもそも形態やパフォーマンスが様々なのは、目的が「宣伝をすること」に尽きるから。目立つことによって、宣伝した物が売れたり、評判が上がったりするのなら何でもするよ!という訳なので時代の流行にも影響を受けるのです。
そしてチンドン屋は戦後の日本の街に活気をもたらし、昭和の中頃に隆盛期を迎えます。
その後、TVやCMなど広告形態の変化からいったんは低迷の方向へ。
けれども今、また新たな入門者や開業者が増え、若い世代が育っているとのこと。
そう、今の私たちを惹きつけるチンドンの魅力ってなんだろう?と考えてみると、ネットから瞬時に情報が伝わる今の時代にこそ、人の手を直接介した路上のミクロ広告に面白さを感じるのかな、と。
アナログなやりとりで局所的に伝わることって、今は逆にとても貴重なことに思えるのです。
あともう一つの大きな魅力は、音と色です。
チンドン特有の口上(宣伝文句)やメロディ、そして衣装の派手な色使いが耳に目に飛び込んできて、それが移動し、変化していくことで、無条件に楽しくなってしまう。
えーっと、あくまで私個人の感覚なのですが、赤ちゃんが三原色を見て喜ぶのに近いような、人間の底に眠る原始的な感覚が呼び起こされるような気持ち。
私は今回、音を頼りにチンドン屋を探してみたのだけれど、耳をそばだてて近寄っていくときのわくわく感は格別でした。
実際に近づいていくとチンドンの音は決して過剰に大き過ぎることはなく、街に溶け込んでいました。
それは街の気配を読んで、迷惑にならない程度で細やかなチューニングを加えているからこその結果。まさに人力、プロのなせる技なのです。
「チンチン、ドンドンドン───」
住宅街の路地に、チンドン屋がやってきました。
と、近所の方々が宣伝ビラをもらいに家から出てきます。
チンドンの定番「竹に雀」(通称:たけす)の演奏風景
「チンドン!あづまや」の足立さん
今回、ご登場をお願いするチンドン屋は「チンドン!あづまや」さん。
親方の足立大樹さんは、大学在学時に入ったジャズ研究会からサックスの面白さを覚え、一年も経たないうちにチンドン界名門の「小鶴家」に入門、そのままチンドンの魅力にすっかり取り憑かれてしまいます。そして1997年には独立開業し、「チンドン!あづまや」の親方になりました。
足立さんは親方であるとともに、ご自身が一介のチンドンファンでもあるとおっしゃるアツい方です。チンドンのことを語り始めたらノンストップです。とても良い姿勢のまま語り続けます。
そして素晴らしいのが足立さんの口上。場面ごとに動きと声に緩急をつけて立ち回り、その場の雰囲気を自在に操っているようにしかもう見えない。芸事であるところのチンドンを感じる瞬間でした。
ここで足立さんから教わった現在の楽隊編成を紹介しますね。
まずはチンドン屋ならではの楽器「チンドン太鼓」。
鉦と締太鼓と大胴(大太鼓)、この3つの楽器を縦にうまく収めたコンパクト設計。人間の幅に収まっているので細い路地にも入れるという優れもの。たいていは現場を取り仕切る親方が持ち、楽器を鳴らしながら口上を述べます。
そして「ゴロス」と呼ばれる大太鼓を叩く人。
あとはクラリネットやサックスなどの管楽器を担当する楽士の、基本3名で編成されます。
これにチラシまき、旗持ち、踊り手が加わったり、いずれかの楽器が複数人になったりします。
また宣伝パターンとしては、
街のなかを移動しながら宣伝活動をする「街まわり」、移動せず居付く「定点」、街まわりよりも短いコースを移動宣伝する「周遊」、ほか「にぎやかし」「パレードの先導」「ステージショー」などがあります。
チンドン!あづまやの親方、足立さん。かついでいるのがチンドン太鼓。上が鉦、鉦の反対側に締太鼓、下が大胴(大太鼓)。
左から、チンドン太鼓、クラリネット、ゴロスと呼ばれる太鼓。基本の3人編成。
〆曲の定番「四丁目」演奏風景
新たな使い方、募集します
基本、チンドン屋は広告請負業です。
となると、個人でお願いできるの?商売をされる方限定なのでは?と心配になりますよね。
いえ大丈夫です、誰にでも頼むことができるんです。
例えば、今までにあづまやに持ち込まれた依頼をいくつかご紹介します。
まずは、結婚式のパレード先導をしたときのこと。依頼は新郎新婦の友人から、二人には内緒で、とのミッション。式場から披露宴会場への徒歩10分ほどの移動を、びっくりしている新郎新婦や参列者とともに街を練り歩き、通りかかる街中の人々から祝福を受けたそう。まさに屋外パフォーマーとしての本領発揮ですよね。
また自分で作った曲を演奏して欲しい!との依頼を頂いたこともあったとのこと。
そこでスタジオを借りてレコーディングし、依頼をされた方はその後、編集してアルバムを作ったそう。
チンドンでしか出せない音や雰囲気がある、そこに魅力を感じている人はたくさんいると思います。ましてや、あづまやのメンバーのなかにはプロのミュージシャンもいるので、演奏のクオリティは折り紙付きです。この曲は、と思う方がいらっしゃったらぜひ。
そして他にもまだまだ使い方、たくさんあると思います。
例え広告から離れようとも、足立さんがびっくりしてしまうような使い方を思いついた方!ぜひともご依頼をお待ちしています。
あ、頼み方が曖昧でも大丈夫。
むしろ足立さんがどんどん膨らませてくださるので、気軽なご相談もお待ちしています。
結婚式でのパレード先導。この後ろに参列者がずらっと並んで街中を行進しました。
ハロウィンパレード。かぶりものや仮装もOKです。
赤ちゃん、笑顔!
地元の方も、笑顔!
シュールな「ごわす」のこと
年に一度、富山で「ちんどんコンクール」なるものが開かれています。このコンクールが面白いのは、それぞれの出場者にそれぞれスポンサーがつくところ。あくまで広告業ですから!
出場者は持ち時間の3分間、規定人数の3名でスポンサーのアピールをしながらパフォーマンスを披露し、点数を競い合うという内容。2011年は震災の影響で中止ですが、例年4月の第2金土日で開催されています。チンドン屋に興味を持たれた方は、ぜひ富山へ。
そしてもちろんあづまやも常連出場メンバー。
なかでもコンクール仕様の編成部隊はおっさん(失礼!)3名。チーム名は「ごわす」。
足立さん以外のメンバーの西内さんと中尾さんはプロのミュージシャンとして活躍されている方々なので、通常の仕事メンバーにはあまり入っていません。それに通常は男性だけでは頼まれることもほとんどない……そうです。華やかさが足りない……とのことで。
たしかに多少むさくるしい?ですが、でも私は逆に、この圧倒される不思議な存在感に魅力を感じてしまいます。あと、なんといっても演奏がすばらしい!(動画をご覧になると分かります)
そこで今回「ごわす」も密買特別バージョンとしてご依頼可能との約束をとりつけました。(スケジュールの都合が通常より調整しにくい場合があります。ご容赦ください)
ご用命の方はぜひ。
「ごわす」 左から西内さん、中尾さん、足立さん。
方向性不一致による調和。
昨年のちんどんコンクールの一コマ。演奏うますぎる!