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無限の世界

商品番号tk017802
商品名

綾の小鉢
綾のグラス
リボンのぐいのみ

価格

綾の小鉢:¥8,100(税込)
綾のグラス:¥6,480(税込)
リボンのぐいのみ:¥4,860(税込)

限定数

綾の小鉢:8
綾のグラス:8
リボンのぐいのみ:0

サイズ

綾の小鉢:φ約105mm×H約75mm
綾のグラス:φ約75mm×H約60mm
リボンのぐいのみ:φ約50mm×H約55mm

素材

ガラス

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。
気泡や黒点が混ざっている場合があります。また、底の部分のガラスの切断面が白く残っている場合があります。整形してしまうとレースの模様が崩れてしまう可能性があるためこのような処理にしてあります。予めご了承ください。

バイヤーmikayama

発端

今回、ご紹介するのは「えむに」というユニットの水上竜太さんの作品です。アトリエがあるのは福井県。密買東京で以前紹介している鳥の照明の伊藤さんがあわら市にある「金津創作の森」で陶芸の先生をやっていたことがあって、その陶芸の工房の隣にガラスの工房があって。そこで制作活動をされていた方の中から「えむに」さんをご紹介してくれた、というわけです。

やっぱり餅は餅屋で。制作に関わっている人からの情報は面白いものが多くて。実際にこの水上さんもえらい面白い人で。さすが伊藤さん分かっているなぁ。という感じだったのですが。

まあ、この水上さんが面白い理由に関しては追追紹介していくようにします。いや、分かりづらいんですよ。一つの作品からは。

家兼「えむにギャラリー」

ギャラリーはこんな感じ

本当に多種多様な作品が並んでいます

水上さんが趣味で3ヶ月かけて作っちゃったオブジェ


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ガラスと水上竜太という人

多分、天才なんですよ。水上さんは。
と、ガラスのことに関して詳しくない人間が言ってのけるのは変な話なのかもしれないのですが。だけど、詳しくないからこそ感じる世界もあるわけで。

僕にとっての天才の定義って、ちょっと変な部分があって。天から与えられた才能とそれと引き換えに本来普通の人には備わっているものが失われてしまっている、みたいな錬金術師的な内容が含まれているんですね。だから僕が天才という言葉で表現する人は必ずおかしい。
そういう意味で多分水上さんは天才なんです。

ことガラスに関していうと、水上さんはなんでもできる可能性を持っているんです。水上さんはそれを器用貧乏と表現していたし、ある展覧会を見たお客さんには「何がしたいのか分からない。」と言われたこともあるという。とにかく作風というか、扱えるガラスの工法が人より異常に多いんです。それを感じるには「えむに」のギャラリー、というか自宅に伺うのが一番早いのですが。そこに行くとお店のようになっているんですね。ガラスのセレクトショップ。これ実際すごいことで。いわゆるセレクトショップってたくさんのデザイナーや作家さんの作品、というか世界観が集まって、そのセレクトショップ独特の世界を作ることが多いと思うのですが、それを二人の作家さん(というか夫婦)の「えむに」というユニットがセレクトショップのような世界観を作っている。これ多分異常なんです。

で、それには理由があって。
ガラスには実はいろいろな工法があります。わかりやすくイメージするのは「吹きガラス」ですよね。そのほかにも「バーナーワーク」や「型ガラス」とか。さらに表面の加工方法として「サンドブラスト」や切子のコップを作る「カットグラス」、「絵付け」ももちろんあります。他にも色みのあるガラスを無色透明なガラスに混ぜてみたりとか(これにもいろいろ工法があります。)さらに発展していくとベネチアングラスみたいになったりとか。ガラスに詳しくない人間でも、ちょっと調べればこのくらいすぐ出てくるぐらいで。さらに、上記のいろいろな工法に関してそれぞれに専門の工具が必要で。さらにそれがすごく高かったりして。(というかガラス制作はすごく経費がかかる。吹きガラスの場合、窯の火を夜もずっとつけっぱなしだし。)

クラフトの世界でも、ガラスはかなり特殊だそうで。上記のような理由とか、一つ一つの工法をマスターするのに時間がかかることもあって、だいたいガラスの作家さんは自分の得意な工法を決めていくものなのです。
だけど、水上さんに関してはそのこだわり感がほとんどない。すごい種類の工法をすごいクオリティで成してしまっている。これが多分異常なんです。結果的に何を失ってしまっているか?多分、一つのモノに時間をかけて得られるような独特な世界観がもしかしたら失われてしまっているんです。もちろんそれぞれがかっこいいし、かわいいガラス作品なのですが、逆にいろいろなモノを一度に複数見せられると自分の中で消化しきれないというか、複数の作風を持っているからこそ人にこんな作品を作る人と理解をしてもらえないというか。とにかく複雑なんです。だけど、その作品群を一度に見せられると独特というより、見たことのない世界観ができる。

水上さん自体にも問題があって。
伺った際にもTシャツ短パンのどこぞの兄ちゃんか、という出で立ちで現れるのですが。基本的にいわゆる作家さん的なとんがった部分が見当たらない普通の兄ちゃんなんです。で、ガラスを作るにあたり思っていることは自分が生活の中で使いたいガラスを作ること。作家性みたいなものを考えて作っていた時期もあったけど、今はあんまり考えない。とのこと。使いづらいから。
でも、この人。趣味もガラスで。異常に手を動かす才能のある人が、異常な時間をガラスに費やしているんですね。それで、不思議なガラス作品も多数生み出されている。


綾の小鉢:¥8,100(税込)

綾のグラス:¥6,480(税込)

リボンのぐいのみ:¥4,860(税込)


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手始めに「レース」のガラス器

うーん。
やっぱりこの回だけじゃ言葉が足りないですね。
「えむに」さんは先にも書いたとおり夫婦のユニットで奥さんの作る世界がまた面白かったりするのですが。それは、今後数ヶ月の中であと2回ご紹介する予定なのでその時に書くとして。ほんとに手始めに。このレースの作品を紹介します。

「レース」というのも工法の名前で。
まずガラスの塊に白色のガラス棒をつけて、ねじりながら引き延ばします。
そのガラスの棒を何本も横に並べて、吹き竿の中心にあるガラスで巻き取って。その状態で成形していく、という工法です。最初につくる細いガラス棒に白色のガラスをつける本数を調整して色々なものを作り(例えば白色1本ねじりとか10本ねじりとか)それをいろいろな順番で並べていくと、写真のような複雑な模様のガラスができあがります。

この工法で作っていくと、模様に立体感ができることになります。絵付けだと表面に描いていくので二次元の絵になってしまうのですが、ガラスが無色透明でさらに厚みがあってその中に規則的に、だけどガラス特有の火との格闘の結果、すごく不規則な模様が出来上がります。これは本当に眺めているだけで全然飽きない。制御と非制御の狭間にある不思議な模様がそこに現れます。ガラスって本当に瞬間芸なので、ちょっとした気泡や黒点みたいなものが入ったりもしているのですが、それも含めてダイナミックさを楽しんてもらえれば。

今回はサイズを分けて三種のレースの器を用意しました。
一番大きいサイズはちょっとした小鉢などに、真ん中のサイズは麦茶をお客さんに出したりするときに、一番小さいサイズはお猪口によい感じかと思います。


まずこんなガラスの棒をつくります

それを並べて熱したガラス球で巻き取ります

巻き取ったものを馴染ませて膨らませると!

こんな瞬間作業なので切り口が流れていたり、黒点が入っていたりします


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まだまだこれから

先にも書きましたけど、ガラスって本当に奥深いです。他のモノが浅いということではなくて、ガラスって工法のバリエーションがたくさんあり、それが想像できないという意味でびっくり感があるような気がしています。

それを明確に感じられるという意味で、たくさんの工法を操る水上さんの作品は面白いような気がしています。といっても、この作品だけではその一端しか垣間見えないですよね。ごめんなさい。なかなか空間でどかっと見せることができないwebショップの限界で。

でも、時間をかけながらちょっとずつ紹介していきたいと思います。いや、「えむに」の世界はもっともっと楽しいので。期待をしておいてもらえれば。

「えむに」に関して詳しくは下記をご覧ください。
> えむに
※ちなみにこのwebサイトも水上さんが個人で作っています。手を動かすというか、新たな技術・分野に関して恐ろしいほど抵抗がないんです。びっくりです。

「えむに」を紹介してくれた伊藤さんの鳥の照明はこちら
> あなたの部屋へ飛んでいきたい!


裏側には切断面が白く残っています

グラスの中のアップ、不思議な世界

ぐい呑みも奥行き感あります

そんな不思議なレースのグラス