続・PE(ぺ)
商品番号 | tk020403 |
商品名 | PE BIG SLIDER FUKURO |
価格 | PE BIG SLIDER FUKURO:¥12,650 |
限定数 | - |
サイズ | PE BIG SLIDER FUKURO: |
素材 | LDPE(低密度ポリエチレン) |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | |
納期 | 3~4ヶ月程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | ヤマダユウ(チバ) |
新作&新色いろいろ
前回、ヤマダユウ先輩が1,000%の情熱で、熱く紹介してくれたPE(ペ)。
先輩がご多忙につき、今回は私チバが代打を勤めさせていただきます。
しかしヤマダ先輩同様、初めてこのPEに出会ったときの衝撃は、今でも忘れません。
見たことのない、この素材とその質感の秘密については、以下のリンクより、先輩による精緻なる解説を今一度復習願うとして。
実は、前回から紹介をしているPE CARD CASEも、日々続けられる研究と検証により、その形と製法は未だ進化を続けています。
さらに新しい仲間も増えていますので、今回はそれらをご紹介します。
PE BIG SLIDER FUKURO
PE SLIDER FUKURO
全色買えます!
さて、新しい形のPEを紹介する前に...
上のリンクから前回の説明をご覧いただいた方、そしてすでにPEについて熟知している方は、お分かりかと思います。
PEのプロダクトは全て、その生みの親であるPULL + PUSH PRODUCTS.(プルプッシュプロダクツ)のデザイナー佐藤延弘さんによって、京都のアトリエで手作業により作られています。
そして、ご注文をいただいた商品については、ご注文後に佐藤さんが製作をして、それをお届けするという、受注生産方式を採用しております。(別に、偉そうに言うことではないのですが...)
つまり、ご注文をいただいてから、作ってもらう。
たった1枚のペラペラなビニールから始まるPEは、積層され、溶着されて、厚みと弾力のある素材へ、そして立体へと成型されてゆき、お手元へと届けられるわけです。
その分、お時間は少しいただきますが、お好みの色を確実にご購入いただくことが可能、というシステムになっております。
そしてタイプごとにカラーバリエーションが違いますが、お好きな色をお選びいただけますので、お気に入りの組み合わせを探してみてください。
この独特な凹凸のある質感は、商品のサイズなどによって、細かさなどが変わります。
小さいプロダクトには、細かいテクスチャの薄い素材を作り、大き目のプロダクトには大きめの凹凸と厚みのある素材を作って、それぞれのプロダクトを作るのです。
さらに言えば、色によってもテクスチャの感じは違ってくるようで。
サンプルを見る際には、そんな仕上がりも想像しつつ...
楽しんでみていただければ。
PE KUTAKUTA FUKURO
誰もが知っている、未知の素材
しわのあるこのテクスチャは革のようにも見えるけれど、触れてみると全く違う、驚きの軽さと弾力、さらにしなやかさも兼ね備えています。
見たことのないこの素材。実はその材料となっているのは、ポリエチレンの薄いフィルム。つまりゴミ袋やレジ袋として毎日見ている、おなじみのあれです。
薄さ0.02~0.04ミリというそのシートを重ね合わせ、電気コテで溶かしながら接着し、空気を含ませつつ何層もの構造にしていくことで、ありふれた材料は、見たこともない新しい素材へと生まれ変わるのです。
最大で64層にもするという溶着作業は、材料となるフィルムの色や厚み、重ね方によって、そして作業時の熱のかけ方、力のかけ方から、冷やし方によっても、大きくその表情を変えるといいます。
だから完成品であるPEのプロダクトは、同じ形であっても色によって異なる表情を見せたり、あるいは同じ色でも形や大きさによって全く違うテクスチャになったり、という変化を見せるのです。
PE SLIDER POUCH L
PE SLIDER POUCH M
PE SLIDER POUCH S
心の師匠
さて、実は前々から見たくて仕方がなかったのです。
このPEが作られる現場を。
薄いポリエチレンのシートを、熱で溶かしながら重ねていく。
それは一体どんなことになっているのか?
ポリエチレンが熱で溶けるなんて、少し想像しただけでもケミカルで体に悪そう。大丈夫なの?っていう感じです。
まさか命を削りながら、このPEを作っているとか?
なんてことは無いと知りつつ、やっぱりこの目で見てみたい。
そう思って、半ば強引に押しかけてしまった、京都のアトリエ。
でも、そこにあったのは、勝手に想像していた、化学物質が溶け出す作業場的なイメージとは正反対の、ホッとするさわやかな空間でした。
気になるその製作工程も、ビニールがドロドロ溶けるなんてこともなければ、危険なニオイが鼻を突く、なんていうことも特になし。
穏やかな佐藤さんの人柄そのままに、作業は淡々と進んでいきます。いや、進んでいるように見えました。
しかし...
1つ1つの作業を説明するその口から出てくる言葉は、まるで科学者が実験を語るように分析的。
ポリエチレンは熱で溶ける。冷えて固まる。
単純に言えばその繰り返しによって、極々薄いその物質が重なって厚みを持ち、接合され、やがて立体のプロダクトになる。それだけのこと。
だけど、2枚が4枚になるときと、4枚が8枚になるときでは、その条件は全く異なり、作業台自体も徐々に熱を蓄え始め、さらに言えば、毎日の気温も湿度も、変数となってPEの完成に影響を与えることになるのです。
その微妙な変化を読み取り、仕事へと変換する職人の技と、それを分析・蓄積し、新しい手法へと改良を重ねる科学者の頭脳、そしてそれらを統合して形を生み出すデザイナーの感性。
どれ1つ欠けても成立しないのが、このプロダクトPEなのです。
そして、もう1つ。
そんな佐藤さんの仕事を、いつも厳しい目で見つめる、「心の師匠」の存在が、この特殊プロダクトPEを支えていると言います。
当然ながら、同じことをしている人が誰もいないPEの製作。そのクオリティを保つため、佐藤さんが心の中に作り出した存在が、「師匠」。その師匠に見張られて、日々PEは作られています。
なんて...
そんな微笑ましくも楽しい話を聞きながら作業を見ていると、あっという間に数時間が経過していました。
というか、これは想像を遥かに超える、大変な仕事だ...
このPEを使うとき、そんな佐藤さんの仕事と、師匠の存在を思い出しながら使ってもらえたら良いかなと思います。
PEの製作過程は、ホームページでも公開されています。
そして、過去の実験段階の、作家性の強い作品も一部載っていて、実はこれもなかなか魅力的。
まだまだ色々な可能性を秘めている気配を感じるPEなのです。
PULL + PUSH PRODUCTS.によるモルタルのシリーズも紹介しています。こちらからぜひ。
「PE用」の工具なんて無いので、道具は様々な業種のものを使ったり、自分で改良したり、作ったり