やわらかな金属
商品番号 | tk022800 |
商品名 | すずがみ (かざはな/さみだれ/あられ) |
価格 | すずがみ |
限定数 | - |
サイズ | すずがみ : 110/130/180/240mm角 |
素材 | すずがみ : 錫(圧延) |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | 180円(スマートレターでポストへお届けの場合) |
納期 | 1ヶ月程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | ヤナギサワ |
初めての感触
ほんとうに、びっくりしました。
そこそこ厚みのある板状の金属が
角っこをつまんで水平に持っているだけで
自重でうっすら曲がってしまうなんて!
今度は意図的に力を加えてみます。
思いのままぐにゃり、コシのあるしなやかさとでも言うのか
初めて体験する不思議な感触でした。
にわかには信じがたい目の前の現象!
実はこのやわらかさ、マジックでも何でもなく
純度100%のスズの特性なんだそうです。
考えてみれば、スズってあまり身近な素材ではないし
一般的には他の金属と混ぜて硬さを出すことが多いので
100%で使われること自体が少ないらしく。
だから、この感触を初体験する人は
わたし以外にもきっと多いんじゃなかろうかと。
ということで、こちらスズの紙、その名も「すずがみ」。
用途が規定されていないシンプルな金属板は
自分で自由に形づくって、思うままに使ってもらえます。
たとえば、写真のように食器で使うとしたら
載せるものやシチュエーションに合わせて
形や光を変えられる器って、すごく魅力的じゃないですか!
ひとつひとつ、器のかたちを変えて
アクセサリートレイに
角っこを折り曲げれば、箸置きも兼ねられる
くるりと丸めてこんな使い方も!
つまんだところが自重で曲がるほどのやわらかさ
金槌で叩くブランド
唐突ですが、りんってなんのことだか分かりますか。
木の棒でちーんと打ち鳴らすお椀のような仏具
小さな座布団に載せられた、あれのことです。
すずがみは、寺院用のりんを専門に製造している
富山県高岡市のシマタニ昇龍工房で生まれました。
左が、りん製作真っ最中のシマタニさん。
なんと、あのお椀状のりんは
金槌で叩く作業によって、板から形を絞り上げ
丸みを整え、音の調律までしてしまうという
金槌の高度な技術がぎゅっと詰まった製品なんです。
そんなホンモノのりんをつくれるりん職人は
いまや全国でも10人に満たないそうですが
そのうち3人がいるという‥なんだかすごい工房で。
一口に叩くといっても、叩く相手のサイズや作業の目的は様々。
だから、作業場の壁を陣取る道具棚には
ご覧の通り、こんなに必要かってくらいの金槌が並んでいて
わたしたちが思い浮かべる形とはかけ離れた
不思議な形をした金槌のほうが多いくらい。
すずがみからスタートを切った新ブランド「syouryu」は
「金槌で叩く」がコンセプトというから、なんとも新鮮!
金槌で叩く技術から生まれる新しいアイテムを
今後もつくり続けていくというので、目が離せません。
りんを制作するシマタニさん
ずらりと並ぶたくさんの金槌
すずがみを叩き始めます
鎚目がびっしり!
本当のマジック
選ばれし3種の金槌から、叩きの跡が模様となって
細かな光と影が目にも楽しいすずがみの装飾。
日本の美しい気象現象に見立てられた3つの模様は
こんなふうに説明されています(写真上から順に)。
「かざはな」
雲の少ない晴れた日に舞う雪
その雪が積もった様な鎚目
「さみだれ」
陰暦五月に降る長雨
その雨跡が残った様な鎚目
「あられ」
音をたてて降る氷の粒
その粒を打ち付けた様な鎚目
しんと心を静まり返らせたら
気象の音や映像、職人さんの叩きに向き合った時間が
どこからともなくよみがえってきそうな表情です。
そうして、思いがけず得た情報は
金槌で叩くことに秘められた本当のマジック!
純度100%のスズがやわらかいとはいえ
曲げ延ばしを何度も重ねていると、金属疲労は避けられず
疲労のたまった箇所はやがてピキピキと断裂するはめに。
ところが、すずがみのすごいところは
曲げ延ばしによる劣化が軽減されていること。
通常のスズの板と違って、5ミリ程の厚さから圧延を繰り返し
職人の技術で、リズミカルに金槌で叩くことによって
なんと、スズの結晶構造にまで変化が起きているようなんです!
あくまでも勝手な想像ですが
分子が押し潰されて、ご近所さんと交わり手を繋ぎ重なり合って
全体として結束が強くなっちゃった?みたいなことが
スズの板の中で起きているんじゃないでしょうか。
叩き跡のひとつひとつが、装飾以上の意味をもって
結果、長くやわらかく、変化する形を楽しませてくれるとは
叩きの持つ力って、想像以上に偉大なんですね。
模様によって金槌の種類や大きさが違います
かざはな 雲の少ない晴れた日に舞う雪
さみだれ 陰暦五月に降る長雨
あられ 音をたてて降る氷の粒
自分でつくる形
思い通り、自由に形づくれる心地よさは
スプーン曲げができたらきっとこんな感じと
想像していたものに近い、やみつきの感触です。
曲げては延ばし、形を変えてはまた延ばし。
すずがみの劣化をできるだけ遠ざけ長持ちさせるには
柔らかなカーブを描いて曲げるのがポイント。
折り紙のようにパタンと折ると金属疲労が加速してしまい
曲げるときにミシミシ言い始めたら、悲鳴を上げている証拠です。
曲げた後は、平らなテーブルの上に載せて
滑らかな棒状のものでころころと押し転がせば、元通りの形に。
そこで、専用につくられた棒「ころ」の登場です。
「すずがみ」を鉛筆とすれば、「ころ」は消しゴムのような存在。
鉛筆でいろいろ書いて、直したいときは消しゴムを使うように
ころを縦・横・裏・表と転がせば、すずがみが平らに戻ります。
もちろん、ラップの硬い芯なんかでも代用できちゃいます。
曲げて延ばしての自由度は、スタッキングにも大活躍。
何枚持っていようとも、平らにすればかさばらず保管でき
出番がきたら、いかようにも立体的にアレンジ可能です。
CDケースくらいの手のひらサイズなので
パーティーやケータリングの銘々皿にもちょうどいい感じ!
それぞれに思い思いの形を創作しておけば
どれが自分のお皿かって、目印にもなっちゃいます。
特性を活かした新しい使い方と、まだ見ぬ形を
たくさん発見できそうな奥の深い道具です。
<メンテナンス>
・使用後は柔らかい布かスポンジを使い、台所用洗剤(中性)で洗ってください
・表面を元の光沢ある表情に戻したい場合は、市販の金属磨きや歯磨き粉、重曹等で磨いてください
<使用上の注意>
・火にかけないでください
・電子レンジでは使用できません
・冷凍庫に入れないでください
思いのまま、簡単に曲がります
ころを押し転がして平らに戻します
平らにすればかさばらず、出番のときは折り曲げて
パッケージはシンプルに