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ニキシー・クロック

商品番号tk013007
商品名

卓上ニキシー管時計

価格

¥42,000(税込)

限定数

販売終了

サイズ

W108mm×D54mm×H73mm

素材

ニキシー管(ロシア製)、電子部品、アクリル、ステンレス螺子、コード、その他

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

販売終了

備考

一人一点までとさせていただきます。
この商品は返品不可とさせていただきます。初期不良を含め、一年以内に故障した場合は無償で修理交換いたします。
一年経過後は実費で修理受付いたします。ただしニキシー管の在庫が尽きた場合は交換不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤースギウラ

ニキシー栄枯盛衰

まずはニキシー管の説明から。
ニキシー管(Nixie Tube)とは、ガラス管の中に数字や文字のかたちをした導体を封じ込めた放電管で、電圧をかけると発光する表示用デバイスのこと。
例えば計算機の数字表示。今は液晶が主流ですが、開発当初の計算機にはニキシー管が使われていたそう。
あ、この見た目なら知ってる!という方もいるのでは?
他にも、エレベーターや株式相場の表示板、空港の離発着表示などにも使われていたようです。
1954年に初めて販売されてから1990年代の製造中止まで、40年で時代を駆け抜けた栄枯盛衰の歴史を持つニキシー管。製造中止になったのは、新しく使いやすいデバイスがどんどん開発され、時代と共に淘汰されていったことが理由。

ノスタルジックに?いや私は小さい頃にどこかで見たという記憶があるわけでなかったので、純粋にもののかたちや色、それからすこし頼りなさそうで儚げな動きが好きなんだと思います。
人の手で作られているので、それぞれ数字のかたちが微妙に変わったり、順番が違っていたりするところもたまらない。
そしてニキシー管の構造がまた面白いんです。管のなかに数字がお行儀よく10個整列。だから少し斜めから見たりすると、数字によっては前の方に飛び出ていたり、後ろに引っ込んだり。見ていて飽きないなぁ。
無機質なガラス管に封じ込められた、あたたかいオレンジ色の導体の取り合わせも素敵。今はLED全盛期なので、どんな色でも自在につくれますって言えちゃう時代なのだけど、ニキシー管は純朴な一色表示。時代の波に乗らない頑固職人さんのよう、もちろん良い意味で!

底面まですべて透明のアクリルで覆われています

ロシア製のニキシー管IN-16 (品番)。これひとつで0から9までの数字を表示

ロシア製のニキシー管は、数字の「5」を「2」を反転させて使っているものも多いそう。けれどこの種類は「5」の表示が専用でつくられている。これはニキシー管選びのチェックポイント

横幅10センチほどの手のりサイズ、コンパクト化に成功しました

数字ごとに順番が前後しています!


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Make:Tokyo Meeting 04 にて

ニキシー管にすっかり魅了された私は、秋葉原のパーツ街に通い、売っているお店を探してみたりなどしていました。
ラジオデパート、秋月電子、千石電商……

余談ですが素敵なんですよ電子部品。
トランジスタ、抵抗、コンデンサ、コイル、リレー、真空管、ダイオード、コネクタ、スイッチ、ヒューズ。
まだ細かく挙げればきりがないほど種類がある部品たちは、それぞれ小さいのにちゃんと役目を持っていて、しかもずらっと整列しているその姿はとても美しくて。当たり前のことかもしれないのだけど、この機能美に心をいつもぎゅっとわしづかみにされてしまう。

ただ私の場合、電子工作の知識が乏しいまま、というか愛でるのみで通っていたので、どうにもハードルが高く。周りはお客さんもハイレベルで専門用語が飛び交う世界。分かったことと言えば、日本製はもはやほぼ手に入らない状態で、ロシア製ならまだ在庫があるから輸入できるよ、とのこと。
うーん、自作はどうにもムリそう。「ただ好き!」の気持ちだけじゃあ何ともならないなー、と時ばかり過ぎていました。

そんなときに幸運にも出会えたのがyunaさん。
昨年11月に開催されたイベント「Make:Tokyo Meeting 04」で、ニキシー管の時計と湿度計を展示されていました。積年の想いがつまった私はおもわず声を掛け、
なかば悩み相談のような話にyunaさんは快く応えてくださり、密買でのご紹介と相成ったという訳です。

そう「Make:」もとても面白いサイトです。技術系ものづくりの好きな人が、世界中から集まっています。興味のある方はこちら。
> Make:Japan(日本語訳サイト)


後ろから。中央の穴がAC電源の場所です(刺してあるのはUSBケーブル)

アクリルケースのふたを取ったところ。二段組みの基板の下段にはボリュームに合わせて効率よく電子部品がおさめられています

横から

00:00:00に変わる瞬間!


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yunaさんのニキシー・クロック

分からないなりにも、いろんなニキシー製品をしつこく見てきた私だから言える!のですが、yunaさんの時計はとてもとても完成度が高いのです。yunaさん一人で基板設計から組み立て、ソフトウェア開発まで全部一貫して作られているからこその出来。
5mmのガラスエッジアクリルを使ったケースも設計し、高電圧のニキシー管をきちんと保護しつつも存在感を出さないように配慮。何件もの業者さんに依頼し、試作を繰り返しました。結果、仕上がったケースは精度が高く、周囲に溶け込んでしまいそうなほどの美しい継ぎ目に。
また個々の電子部品のボリュームを考え、基板を二段組みに設計してできるだけコンパクトに。どこにでも気軽に置けるようにしました。

2008年に初のニキシー管時計を制作してから、バージョンアップを重ねて、なんと昨年にはUSBから電源を得て動作させることができるまでに。回路を見直したことによって、170Vの電圧で動くニキシー管を5Vから変換できちゃいました。これはyunaさんならではのすごい技術なんです。

最後に、もう少しくわしい機能説明を。
付属のソフトウェアCDをインストールすれば、時計の同期、時刻バックアップ、時分秒の間のコロンの点灯・点滅・消灯が可能。通電中は高精度クロックを使用するため月差が7秒以下。市販のクオーツ時計が月差60秒だからとても正確!なんです。
このソフトウェアはWindows (XP/Vista/7) のみの対応で、ほかのOSでは動作保証ができません。ただ、非対応PCのユーザーやソフトウェアを使いこなすことができない人も大丈夫。ACアダプタをコンセントにつなぐだけで動作できます。手動で背面の穴からスイッチを押すことも可能なので、時刻合わせに困ることはありません。


はんだごてで一つずつ付けます。細密な作業、yunaさんとても手先が器用です

USB接続ができます。付属のソフトウェアCDをインストールすれば時間の同期も可能

右上から時計回りに、ニキシー管時計、ソフトウェアCD、ソフトウェアインストールマニュアル、ACアダプタ、USBケーブル。セットでお届けします

(上)この3つのスイッチで手動時刻合わせができます (下)基板のアップ。美しい!