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日に咲く服

商品番号tk023103
商品名

UV JACQUARD STOLL
UV BORDER CARDIGAN A
UV BLOUSE
UV SILK SHIRTS
UV JACQUARD JUMPER SKIRT

価格

UV JACQUARD STOLL:¥36,750
UV BORDER CARDIGAN A:¥73,500
UV BLOUSE:¥33,600
UV SILK SHIRTS:¥71,400
UV JACQUARD JUMPER SKIRT:¥176,400
※全て税込価格

限定数

サイズ

> サイズ表
 
男女共通サイズです。
サイズについては、サイズ表でご確認ください。女性はXSもしくはSサイズ、男性はMもしくはLサイズが目安です。

素材

UV JACQUARD STOLL:
 100%POLYPROPYLENE
UV BORDER CARDIGAN A:
 100%POLYPROPYLENE
UV BLOUSE:
 (MAIN)100%COTTON
 (ATTACHED)100%POLYPROPYLENE
UV SILK SHIRTS:¥71,400
 100%SILK
UV JACQUARD JUMPER SKIRT:
 (MAIN)100%POLYPROPYLENE
 (ATTACHED)100%POLYESTER

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

無料

納期

2013年7月頃:
 UV BORDER CARDIGAN A
2013年9月頃:
 UV JACQUARD JUMPER SKIRT
2013年8月頃:
 上の2点以外の3点

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

そして再び白へ

暗転。
真っ暗になった会場に再び明かりが灯ると、あんなにも色鮮やかだった服は、真っ白な元の姿に戻っていました。

不意に夢から醒めてしまったような感覚に、軽く思考が止まってしまうほど、その白は静かで...

そして、ハッとしました。
あの鮮やかな色彩が、このわずかな時間で元の白に戻ってしまったということは...

それは、軽く身震いしてしまうような体験。

ショーの進行とともに、次々とステージに上がる、真っ白い服を着た人たち。大きな四角いステージの中央に据えられた特殊な照明を浴びると、白かったその服にはゆっくりとカラフルな色彩が滲み出てきます。

そんな夢のような、魔法のような出来事が、目の前で次々と。

光を浴びると、色が浮かび上がる服。
それを目の当たりにしただけでも、軽く感動したのに、実はそれが光の変化によって常に色を変え続ける服なのだということを、真っ白に戻ったこの服は鮮やかに示しているのでした。

でも、この時はまだその反応の速さがどれ程のものなのか、本当には分かってはいなかったのだと、この後、痛感させられることになるのです。

暗転した会場。そして明かりが灯ると、そこには再び真っ白な姿に戻った服が。

UV BORDER CARDIGAN A:¥73,500
左から、GREEN×BLUE、PURPLE×GREEN、PINK×YELLOW

白い服に、ゆっくりと色彩が滲み出てきて、カラフルな服へと変わってゆきます。


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変わり続ける

ANREALAGE(アンリアレイジ)の2013-14 A/Wコレクション。

ショーに続く展示会期間の終わりを待って、いつものように森永さんを訪ねました。そして、商品の撮影をすべく、服を借りてきたのです。

この驚くべき素材でできた服のすごさを、一体どうやったら写真で伝えられるのだろうか?

なにしろ、太陽の光が当たる間しか、色が出るところを撮る事ができません。だから、あんな撮り方をしようとか、こんな撮り方が面白いかとか、事前に色々と作戦を考えていたのです。

さて、それが実際に撮り始めて、呆然とします。
思った画が撮れない...
大げさじゃなく、1枚も...

理由はただ1つ。
反応が早すぎるのです。

ショーの中で使われていた、太陽光を真似た人工の照明とは違い、本物の太陽光の中にこの服を置くと、ほんの数秒で鮮やかな色が浮かび上がります。だから、その変化を収める暇など、全く与えられない...

ならば、と今度は落ち着いてこの色を写真に撮ろうとする。すると室内に持ち込んだ瞬間に、スッと色が褪めてゆき、淡い中間色へと変わってしまって、1分もすればほとんど白に近い色になります。

被写体としては、なんとも憎らしいこの服。
けれど、日常生活をこの服とともに過ごすことを考えると、ショーで見て想像していたよりも、ずっと面白いことになりそうです。

日向から日陰に入るだけでも色が変わる。
そして、室内に入ればほとんど白に。
窓辺に近づけば、ほんのりと色付く。

でも、日が落ちて完全に白くなったときの、褪めた冷静な感じも、実はかなりそそられます。

とは言え、それも色付いているときの華やかさと、ギャップがあるからこそ、なのかもしれません。

色が変わる服を作る。

前回のコレクションの後、森永さんと話したとき、こんな風に言っていました。「次回は今までと全く違うものになるかもしれない」と。そのときは、この言葉の意味が、こういうことだったとは、予想だにしませんでした。

でも、そのときすでに森永さんの中では、服と色との関係を壊すのだという、大きな方向は決まっていたと言います。


UV BORDER CARDIGAN A PINK×YELLOW

GREEN×BLUE

PURPLE×GREEN
ボタンも日光を浴びると色が浮き出します。


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変わる色、変わらない形

このサイトでも以前から伝えてきた通り、2009 SSのコレクション「○△□」以来、ANREALAGEは一貫して服の形に潜む固定概念を覆すことに挑み続けてきました。

あれから10回を数えた今回のコレクション。
そこで森永さんが挑んだのは、服と色との関係を構築し直すということでした。

実は、前回のコレクションのテーマ「BONE」は、服の形への探求に1つの区切りをつけ、それを一度葬るという意味でのBONEという暗喩ともとることができます。

骨は焼かれて灰になり、そして色彩を失ったその灰色から、もう一度服に新しい色を加えることを考えたときに出てきたのが、色を変えることができないか、という発想だったそうです。

テレビが白黒からカラーテレビに変わったみたいに。
森永さんは、その着想を度々そんな例えで語っていました。

固定された色から服を開放するということを考えたとき、たどり着いた1つの答えが、この光という環境条件に反応して色を変える服でした。

そして、色に焦点を当てた今回のコレクションでは、逆に服の形自体には手を加えず、一般的な服の形、素直な服の形にすることで、色の変化がより際立つようにと考えられています。

ちょうどテレビが白黒からカラーに変わった時代、巷を賑わせた「みゆき族」も、トラディショナルを着くずすようなスタイルだったし。
と森永さん。

白く色の無い状態では、クールな印象すら受ける服たちが光を浴びるとき、浸み出すように色が咲き、可愛らしい印象を受けるほどに華やぐ様は必見です。

このすごさは、太陽光の中でしか味わえないので、是非身につけて楽しんでみてください。


UV JACQUARD JUMPER SKIRT:¥176,400
UV SILK SHIRTS:¥71,400(PINK)

鮮やかな模様が浮かび上がると、全く違う服になったような印象です。

UV SILK SHIRTS YELLOW

胸元には、光の三原色をモチーフにした花が。


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絶対から相対へ

今回、服の色を変えている魔法の物質。
それがフォトクロミック分子という素材です。

これは太陽光に当たると発色するという不思議な素材。

その仕組みはまさに科学なので、いくつか理科の授業で習ったことを思い出してもらわなければなりません。

まず、色が見えるという仕組みが、どうなっていたか。
光が物に当たるとき、例えば光の中の緑の成分が強く跳ね返って、残りの成分がその物質に吸収されると、その物が緑に見える、というように、その物質によって強く跳ね返る光の色(周波数)が異なっていて、それが物の色として目に映る、というのが色の見える仕組みです。

そして、もう1つ思い出して欲しいのが、理科室にあった分子モデルの模型。

球に棒がいくつか付いていて、それが組み合わさって、複雑なジャングルジムみたいになっていた、オモチャのようなあれです。

フォトクロミック分子に太陽光(主に紫外線)が当たると、どうなるかというと、光のエネルギーによって分子の結合が変わります。
つまり、ジャングルジムみたいなやつの、球の数は同じだけれど、棒と球の付き方が変わって、全体の形が変化する、というわけ。

すると、そこに当たって跳ね返る光の周波数も変わって、見える色が変わる、ということなのです。

そう考えると、今回は服の形を変えずに、素直な形で服を作ったと言っていましたが、実は分子レベルで見ると、光の当たり方によって常に形が変わり続ける服なのだ、とも言えるのです。

新しい服を作ることを求め続けてきた10年。
服作りにおいて絶対的だと思われていた、形や手法を疑い、それを解きほぐして、その中に新しい服作りの方法を発見してきたのが、ここまでの10年です。

そんな自らの革新の連続でさえも、全く新しく塗り替えるのだと言わんばかりに、真っ白な姿からスタートしたコレクション。

それは、我々の見ている目の前で鮮やかに塗り替えられ、見たこともない世界を出現させました。

奇しくも、科学の世界で相対性理論が光に関する考察を契機に導き出されたように、光の力を借りて、服と色との絶対的だと思われていた関係に、新しい可能性を導いたANREALAGE。

相対性理論は、時間の流れる速さでさえ一定ではなく、重力場の影響を受けて変化するのだ、ということを解き明かしました。

ANREALAGEは、これからファッションの世界で、どんな革新的な法則を見つけ出し、それによって服がどんな風に変わっていくのか、今後がますます楽しみになる今回のコレクションです。

常に新しい発見をし続けてきたこれまでの10年の中で、「新しい服を作る」ことを希求してきたANREALAGEの服作りは、「服を新しく創る」ことへと変化してきているのだ、と語った森永さんの言葉が印象的でした。

そして、これまでコレクションのたびに、新しく導かれた沢山の法則たちも、森永さんの引き出しの中にそっと眠っています。

毎回書いていますが、それもこの後どうなるのか、密かに楽しみにしています。

 
ANREALAGEのこれまでの作品の数々は、こちらから。

> ボタンでできた服!?
> 乱れ咲き
> ○ △ □ ?
> 凹 凸
> シルエット
> ちょうど良い服
> 見えないカタチ
> 保留される形
> 自立する服
> 時の断片をまとう服
> 残された美しさ
> リペア魂 × ANREALAGE!!
> 昼の花/夜の花
 
 
ANREALAGEのホームページでは、コレクションの他の作品も公開されています。

> ANREALAGEのホームページ


UV BLOUSE:¥33,600
ブラウスは襟と袖が色付きます。

こちらも、胸元に花が。
上から、YELLOW、BLUE、PINK

UV JACQUARD STOLL:¥36,750
UV JACQUARD JUMPER SKIRTと同じ生地を使ったストール。

光をたっぷり浴びて、撮影待ち。是非、太陽光の中で、ヴィヴィッドな色の変化を楽しんでください。