Englishカートを見る

切って描く風景

商品番号tk023903
商品名

LAPLAND
SHIBA
HAKKUTSU

価格

LAPLAND、HAKKUTSU
 クッションカバー:¥7,560(税込)
 生地(1mあたり):¥20,300(税込)
SHIBA
 クッションカバー:¥7,560(税込)
 生地:¥17,280(税込)

限定数

サイズ

LAPLAND、HAKKUTSU
 クッションカバー:45cmのクッション用
 生地:(縦)約1.4m×(横)1m
     (1m以上は20cm単位で指定)
SHIBA
 生地:W1,000mm×H1,430mm

素材

ウール20%、ポリエステル80%
(クッションカバーの裏側:綿100%)

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

クッションカバー:
 2点まで510円(レターパック)
 3点以上の場合はこちら。
 一覧表をみる >
生地の送料はこちら。
 一覧表をみる >

納期

クッションカバー:2週間程度
生地:1ヶ月程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。
サイズは多少収縮する場合があります。
生地の取り扱いについては、本文の説明も必ずご一読ください。

バイヤーチバ

切ってみよう!

今回紹介するのは、3種類のテキスタイル。
「LAPLAND」、「SIHBA」、そして「HAKKUTSU」という3種類は、どれも風景が描かれた生地です。

そしてさっきも書いたように、生地の上をふわりと覆っている糸を切ると、その下に隠された絵や色が出てくるという、見たことのない生地。

例えば「LAPLAND」で描かれているのは、このテキスタイルの作者、氷室友里さんがフィンランドに留学したときに出会った風景。

湖に張った氷や雪に見立てた、表面の淡い水色の糸を切ると、顔を出すのは、青い水や、小さな魚。

切った糸も、まるで舞い上がる雪や、水しぶきのよう。
サウナから出て凍った湖に飛び込んだり、氷に穴を開けて魚釣りをしたり、船が氷を掻き分けて進んだり。雪と氷に覆われたフィンランドの風景を表現する一部になるのです。

そして「SHIBA」も同じように。
一面緑の原っぱは、ハサミを入れることで、隠れていた動物や鳥たちがうごめく大地に早変わり。

緑の下にかすかに見える影を頼りに切ってみると、茂みの中から動物たちが顔を出します。そして、一枚の大きな緑だった布は、ハサミが入ることで、いくつものシーンが織りなす楽しい日常の風景になるのです。

LAPLANDの生地を「切る」とこんな風景ができます。
氷が張った湖の中に、たくさんの魚たち。
(※水の中に魚がいるのは、釣り人の周りだけです。)

水しぶきを上げながら泳ぐ男女。
の、水しぶきは、こんな風にハサミで切って描きましょう。

2015年から新登場のHAKKUTSU。発掘現場の作業員になった気分で、地面を掘って恐竜の化石を掘り出す作業を楽しめます。

SHIBA こちらも生地をふわりと覆っている緑の糸を切ると、下から地面が出てきて、まるで本当に芝を刈ったみたいになります。

切ると、どんどん活き活きした風景になってくるテキスタイル。草むらの中には、小動物も隠れています。


dot_line.gif

お好きな位置を、お好きなサイズで

密買でもかなり人気の商品「Sandwich Tag」。
それが、この驚きのテキスタイルを発明した氷室さんとの出会いのきっかけでした。

> かぶりつきたい! (Sandwich Tag)

多摩美の美大生だった氷室さんたち3人のユニットYUSE。
彼らがアイデアを商品にしようと東奔西走して、どうにか商品化にこぎつけた、このSandwich Tagをサイトで紹介して間もなく、たくさんの注文が舞い込む中、氷室さんはテキスタイルの勉強のためにフィンランドに旅立ちました。

次に氷室さんに会ったのは、それから1年半後。
帰国して卒業制作も無事に終えた氷室さんが、個展で発表したのが、このテキスタイルだったのです。

かわいらしいDMに高まる期待を胸に会場へと向かうと、そこで待っていたのは、そんな期待を軽々と超えた作品たち。聞けば聞くほど面白すぎて、これは早くプロダクトにしなきゃね、と話したのは、今から半年ぐらい前のことでした。

そして今回、無事にクッションカバーとしてプロダクトになったものを紹介させてもらうことに。

さらに、密買東京では生地のままでの販売もお願いしました!

こんな楽しい生地で、何か作りたい人、あるいはこのまま飾りたい人も、生地の状態で是非お求めいただければと思います。

しかもLAPLANDとHAKKUTSUの生地は「この位置が欲しい!」というリクエストに合わせて作ることができるので、ご希望の位置を教えてください。

1m以上3mまでを、20cm単位の幅でご指定いただいたら、その位置を製作してもらいます。ただし、受注製作のため、少しお時間はいただきますのでご了承を。

ちなみに、高さ方向は固定なので、横方向の位置と幅を指定してください。高さは約1.4mです。

そして使う際には、普通の布よりも繊細な生地なので、擦れたりするような物として使うのは難しくて、タペストリーやクッションカバーのように鑑賞メインで使うようにしてもらうのが良いそうです。

洗濯をするときも、お湯はNGで、手で押し洗いをして陰干しでお願いします。


LAPLANDのクッションカバー fishing(上)
一番上の画像と同じ部分の、切る前の状態。
(中上)ship (中上)raindeer
(左下)swimming (右上)after sauna

(上から)
HAKKUTSUのクッションカバーBrachiosaurus、Triceratops、Tyrannosaurus
SHIBAのクッションカバー

生地全体はこんな大きさ。
その中から幅1mだと赤で囲んだぐらいの大きさです。
(位置は自由に選べます。)
詳しくは、下のリンクから拡大画像を見てください。
> 拡大画像

こちらもハサミを入れると、静かだった風景が活き活きと楽しくなってきます。


dot_line.gif

二重のナゾ

では、このすごい生地はどうやってできているのか?
かなり興味を引かれて、根掘り葉掘り。
改めて作者の氷室さんに聞いてみました。

ただこれが... やっぱり、かなり難しいのです。
だから、分かるように伝えられるかどうか...
ということで、ここから先は興味のある人だけに。
普通の人は読まなくてもいいと思います。

何しろ、一目瞭然、見ての通りのすごい作品。
細かい作り方なんて分からなくても、充分に楽しめると思うのです。

ということで、改めて。
上の糸を切ると、下から絵が出てくるということは?
生地が二重になっているっていうことなのだろうか?

無知とは恐ろしいもので、自分が何を聞きたいのかさえ分からないけれど、何とか突破口に出会えないかと質問を繰り返します。

そして何となく分かってきたこと。
それは、この生地がめちゃめちゃ特殊な技法で作られているかというと、そうではない、ということ。でも、同じことをしている人がいるか?できるのか?というと、たぶん作れないんじゃないか、ということです。

織り方自体は、ジャカード織という一般的な織り方でできています。

つまり、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が直角に交差していて、緯糸が経糸の上を通ったり下を通ったりすることで、模様ができるという仕組みです。

単純に言えば、交差するときに、緯糸が経糸に対して、上・下・上・下・上・下・・・と通れば、経糸と緯糸が交互に見える状態になって、糸もお互いにしっかり組み合わされることになります。

でも、これだと均一な生地になって、柄にはなりません。

経糸と緯糸の色(とか素材)が違うとき、上になっている方の糸が表に見えてくるので、さっきの上・下・上・下・・・という順番じゃなくて、上・上・上・上・下・下・上・上・上・上・・・とか、変化させることで、模様が作られるのです。

と同時に、上下するのが密になると、生地としてもギュッとタイトな感じになるし、たまにしか上下しないと、ゆるっと、フワっとした生地になるそうです。

つまり...
例えばSHIBAの緑は、どうなっているかと言えば...
上・上・上・上・上・上・上・上・下・上・下・上・上・上・上・上・・・
みたいな...
イメージそんな感じ。
つまり、緯(よこ)糸が経(たて)糸の上をずーっと通ってる。だから、芝の緑は、フワッと浮かぶような感じなのです。

で、実は緯(よこ)糸は1色じゃなくて、いくつかの色が使われいて、それが、緑・赤・黄・青、のように順番に織られています。

例えば、芝の緑の糸を織って、次に土の色の糸を織る。
そのときに土の色の織り方をギュッと密にしてみます。そうすると、順番としては緑色の次に土の色、という風に織っているんだけど、緑が経(たて)糸の上をずっと浮いたように通っているから、ここには何もないような状態になっているので、次の土の色が緑の糸の下に潜るように入り込む、というわけなのです。

それが、二重になっているような、不思議な生地ができあがっている秘密、なのだそうです。


よく見ると、単色で描かれている赤や黒にも、経(たて)糸の黒や白が混ざって見えています。

緑の糸を切ると、ギュッとしっかり織られた土の部分が顔を出します。そして、お兄さんの服も、ズボンはふわりと膨らむように織られていて、シャツの赤はフラットに織られています。

恐竜は全部で4種類。他にも土器などいろいろなものが隠されています。

(上) 経(たて)糸は白黒2色。下の方に赤の緯(よこ)糸が経(たて)糸の上に出たり、下に潜ったりしているのが分かります。上の方では白っぽい緯(よこ)糸が、経(たて)糸何本分もの上を下に入らずに通っています。
(下) 緯(よこ)糸はカラフルに5色の糸が使われています。


dot_line.gif

表現の奥行き

で、もちろん生地としては、そんな単純な作りではなくて。

今回の2種類の作品の場合には、5色の糸が緯(よこ)糸に使われています。

さらに、経(たて)糸として白黒2色の糸が使われていて、その糸をどう織って、どう組み合わせるかを考える。そうやって、柄を作りながら、同時に糸をしっかり織るのか、ゆるく織るのか、という構造も考えて、生地が作られるのです。

というか、普通はその構造は、工場に職人さんがいて、その人が考えてくれそうです。

日本では、テキスタイル作りは分業化されているそうで、デザイナーは柄を考えて、こんな素材で、柔らかくとか、しっかりした感じとか、そんなニュアンスを指定します。

そうすると、そのイメージのテキスタイルをどうやったら作れるかという部分は職人さんが考えて、こんな織り方で、というのを決めてくれるのです。

それを氷室さんみたいに1人で生地の柄から、1本1本の糸の織り方まで全部決めるなんてことは、めずらしくて。

でも、氷室さんが留学したフィンランドでは、工場でつくるのと同じ構造を試せる織機を使った授業があるそうで、そんな経験があったからデザインと構造の両方を考えられるようになったのだとか。

でも、一体何のためにそこまでするのか?

元々、生地の構造についての知識は、表現できる色や質感の幅を広げるためにあるそうで、色彩に奥行きを出したり、質感を変えたりするために、その知識が必要なのだと言います。

さっきも書いたように、生地は数色の緯(よこ)糸と、経(たて)糸によって色が決まります。

でも、実際には絵の具の青に黄色を混ぜると緑ができるように、中間的な色の表現をすることができるのです。

と言っても、糸が混ざり合うわけではありません。
プリンタやカラーコピーが数色のインクやトナーでフルカラーを表現する原理は、皆さん顕微鏡写真のようなもので見たことがあるのではないかと思います。それと同じようなことがテキスタイルでもできるのです。

つまり、経糸と緯糸の交差で表現されるテキスタイルは、言ってみれば無数の小さなドットが規則正しく並んでいるのと同じです。それを意のままにコントロールすることができたなら、たった数色の糸でも表現の奥行きは限りなく広がって行くことになります。

それを留学で学んできた氷室さん。
でも、同じように絵画的表現力の探求に向かうのかと思いきや、生地の構造自体をコントロールするという面白さを、作品として表現することを目指すのです。

そうやって生まれたのが、この3作品。
色彩は多いわけではなく、どちらかと言うと限定的ですが、作品の構造自体に仕掛けを作ることで、そこに奥行きを持たせてしまうという、驚きの表現を実現しています。

もちろん、日本で生地の組織にまで指示をするなんて容易なことではないし、そのための知識を持ち合わせている人も少ないので、実際に生地の産地である岐阜に何度も足を運んで、時には構造の分かる職人さんのいる桐生を訪ねて勉強して、試作を重ねることで、こんな生地が完成したのです。

そんな、もの作りに対するガッツと、努力を惜しまない姿勢は、前回のSandwich Tagと同じ。

今回は前回とは逆に、作り方と構造から出発して、それを新しい表現にまで持って行ってしまいました。

ちなみに、個展で発表していた作品には、テキスタイルのこの「奥行き」を全然別の方法で表現した、興味深い作品もまだまだあります。それも今後紹介していけたらと思っているので、お楽しみに。

そして、氷室さんのサイトでも作品など見ることができますので、こちらも。
> HIMURO YURI


SHIBAの全体はこんな感じです。

ちびっ子の周りにも動物が隠れていそうな気配。

こんなところに、大きなカラス。

他にも、トカゲ、キノコ、ヘビ、蝶など。