凹 凸
商品番号 | tk009703 |
商品名 | 凹凸 ARGYLE KNIT VEST |
価格 | 凹凸 ARGYLE KNIT VEST: |
限定数 | 販売終了 |
サイズ | 0/1 |
素材 | 凹凸 ARGYLE KNIT VEST: |
支払方法 | 先払い |
送料 | |
納期 | 凹凸 ARGYLE KNIT VEST:8月 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | チバ |
期待 裏切らない
またしても!
驚きの発想で、新しい世界を作り上げてしまったANREALAGE。
まずは、ザッと下まで、写真を眺めてみてください。
不思議な立体のカラクリ、分かるでしょうか?
前回からの流れを感じる今回のコレクション。
内容もプロセスも全くの別物、独立したコレクションですが、まだ見ていない方は、まず前回のコレクションを見ていただくと、分かりやすいかもしれません。
「凹 凸(おうとつ)」と題された今回のコレクションの発想のきっかけ、それは前回のコレクションを作っていく過程に隠されていたようです。
可能性は無限に
写真を見て、たぶん皆さん分かったのでは?
今回のコレクションのコンセプト。
どの服もみな、一部分が極端に飛び出したり凹んだり。
実はこれ、服をデザインするプロセスに関係があるのです。
ボクも初めて知って、かなり驚きましたが、服のデザインをする時、通常は前から見た平面と、後ろから見た平面、この2面の図だけで服は作られるそうです。
つまり、横や上から見た図は作らない。
凹凸に関して指示をする図はない、ということです。
だから服になって出来上がってくるまで、誰も横から見た状態を知らないのです。
そんな...
Tシャツやタンクトップなら本当に平面になるから分かるけれど、ジャケットなら肩口に膨らみがあるし、パーカーだってフードがあるし、Yシャツにだって襟の形があるのに?
つまり、そこは経験的に「洋服の厚みはこの程度が当たり前」という常識的な寸法や形があるから、平面の図から奥行きのある立体の服が作れるのだとか。
ならば。
もし、服の一部が異様に手前に飛び出していたとしたら?
それでも平面の図になれば、その奥行き、つまり凹凸感は無視されて、いつもと変わらない姿がそこに現れるはず。
そのズレの面白さに注目して作られたのが、今回のコレクションです。
そう。
考えてみれば平面図とは、モノを無限の彼方から見たときに、こう見えるはず、と人間の頭が作り出した想像の世界。
無限に離れて見なければ、平面図にはならないとするならば、逆に平面図に描かれた物体の奥行きには、無限通りの可能性が考えられる、ということになります。
言い換えれば、今までは無限の可能性を捨てて、惰性で形が作られてきた。とも言えるかもしれません。
頭の中の想像力の留め金を外してやれば、奥行き方向の形のあり方には無限の可能性が広がる。かも。
キュビズムにたどり着いたピカソを連想させるような、そんな思考のプロセスを経て、今回のコレクションは生み出されたようです。
そして、出来上がった形もまたしかり。教科書で初めてピカソの絵を見たときの、あの衝撃にも似た、コミカルなようでもあり、同時に緊張感も漂う、不思議な世界。
正面から見ると、平面の状態がイメージできるけれど、少し横に視点をずらせばそのイメージはいとも簡単に壊れてしまう、そんな危うい形の世界です。
新しい自由
とは言え。
これは図形の遊びではありません。
あくまでも新しい服を生み出すための方法の話。
いくらコンセプトが面白くても、革新的でも、できあがった服が良くなければ意味がないのですが...
これが、本当に驚きます。
一見コミカルに、いや、実にコミカルに、ドーンとばかり思い切り良く飛び出し、思い切り良く凹んだこの立体たち。
でも、重力の前にその勢いを失って、ハラリと垂れ下がり、また人の体の厚みに帰ってきます。
想像の力を借りて、自由に飛び出していた立体。
無情にも、重力の前に自由を失い...
と思いきや。
重力によって変形された布は、体に沿ってまとわりつきながら、時に美しく、時に可憐に、そしてシャープに。ドレープにその姿を変え、実に豊かな表情を見せてくれます。
想像の中で、1方向に固定されていた布たちは、新しい自由を手に入れて、実に活き活きと、思い思いに舞うように。
さらによく見れば、元の立体で張り出していた、それぞれの頂点や稜線もゆるやかなドレープの中で、アクセントや形の基点として見え隠れ。
革新的なコンセプトを、ここまで美しく、服という形に昇華させてしまうANREALAGEの力。本当に驚くほかありません。
もちろん、ここに至る道程には数知れぬ試行錯誤があったようですが。
嬉しい驚き
なんだかずっと驚いてばかりですが、驚きついでに、もう1つ。しかも、嬉しい驚きです。
実は、前回のコレクションから薄々気になっていたのです。
そう、価格のこと。
あれ?
このコレクションの服、ボクが前回買ったパンツより安くない?見間違い?
ファッションのこと、全くの素人なので勝手なイメージですが、本気と気合のコレクションの服と、その廉価版の服、みたいな関係があるのかと思っていました。
いや、森永さんに聞いてみたところ、やはり一般的にはそうなっているようで。
「でも、コレクションの服ほど、みんなに着て欲しいんですよ。」
たしかに!
さらに、前回と今回のコレクションのこと、こう言い切ってしまうのです。
「発想さえ思いつけば誰にでも作れる服です。決して高い素材や特殊な技術を使っているわけではないので。」
でも、まだ誰も足を踏み入れていないこの方法、しかもできあがった服のこの完成度、それは裏を返せばANREALAGEの独創性が証明されている、ということに他ならないのでしょう。
ANREALAGEの服も、過去のコレクションには誰にも真似できないような服が沢山あります。密買東京で紹介させてもらった中にもいくつか。
> ボタンでできた服!?
> 乱れ咲き
しかし、それらとは全く異なるアプローチで、新しい境地を開いてしまったANREALAGE。コレクションという概念すら塗り替えてしまいながらも、「誰でもできるよ」と言ってのけるところが素敵です。
惜しみなく、想いを注ぎ込んで作られたコレクションの服が、手の届く価格で。こんなに嬉しいことはありません。
でもきっと、ANREALAGEはまた新しい世界を求めて旅に出るのでしょう。
次はどんな世界を見せてくれるのか。
また次のコレクションが楽しみです。
これまでのコレクションについてはANREALAGEのホームページで見ることができますので、こちらも是非。
密買東京で紹介している、他の商品はこちら。
> 見えないカタチ
> リペア魂 × ANREALAGE!!
> ちょうど良い服
> シルエット
> 昼の花/夜の花