野菜のお菓子

羨ましい

とはいえ、実家の野菜は好きでした。
一人暮らしを始めてから、野菜の成長を傍で見守るということはできていませんが、やっぱり育てている場所と育てている人を知っているというのはすごく安心できるし、なにより美味しい。
でも、自分自身ではいざ送ってもらっても使い切れない。これ事実。

そんなこんなで前頁にあるように、石木さんがすごく羨ましかったんです。自分の畑の野菜を使ってプロの人に作ってもらえたら幸せな気がするから。

もちろん密買のことも頭の片隅にはありましたが、それよりも自分の家の野菜を使ったお菓子をどうしても食べてみたくなってしまい、石木さんにハイジさんを紹介してもらいました。

あ。そうそう。
全く説明していなかったですね。ハイジさん。
石木さんの友達で焼菓子の職人さんです。普段はあるカフェでお菓子作ったり、ケータリングでお菓子作ったりしています。あと、恵比寿のトロワザムールという食料品店でお菓子販売しています。見た目のんびりしてそうなんだけど、すごくしっかりしています。夏は暑いので休みます。なぜか代官山に住んでいます。
なんか訳の分からない情報でした。

そんなハイジさんに実家から直接野菜を届け、2週間後にできたのが左の写真のお菓子たちです。

内容は
・ムカゴとサツマイモのスイートポテト
・人参のパウンドケーキ
・空心菜のフィナンシェ
・バジルのスコーン
・ヤーコンの紫蘇漬の乗ったブラウニー
盛りだくさんです。笑

えらい満足！

とりあえずこのお菓子を食べるとしたら実家の畑の前であろうと、完成したお菓子を持って実家に帰りました。それで自分の親にこのお菓子を見せてみたんです。

そしたら、すごく喜んでいまして。
どうも親にとっても自分の育てた野菜を使って、プロが美味しいお菓子を焼いてくれるというのはものすごいうれしいらしいんです。息子ながらにちょっとした親孝行をした気分にもなって。

さらに、実家で食べなかった分を事務所の人間とかにあげたんですけど、これまた結構喜んでもらえて。自分的にも満足度高いんです。「美味しいお菓子屋さんで買ってきました」と言って、あげるよりも「うちの畑で採れた野菜のお菓子です。」の方がなんかあげやすいんですよね。
しかも、味もすごくオーソドックスで、でも野菜の味がしっかり残っていて。甘すぎもせず。多分、ほとんどの人が嫌いじゃない味なんです。

いや、これ結構いい感じなんですよ。マジで。

やってみよう！

と、ひとしきり自分で満足するだけだとまずいので、皆さんにもぜひ試していただければと思います。

仕組みはいたって単純です。

自分で育てた野菜をハイジさんに直接送ります。
　↓
それが送られてきてから、ハイジさんがインスピレーションでお菓子を作ります。
　↓
できたお菓子をレシピをつけてお送りします。

他にいろいろルールがあります。
・納期は野菜がハイジさんに届いてから2週間ぐらいです。
・野菜を届けてもらう日はハイジさんとスケジュールを相談して候補をあげさせていただきます。
・お菓子は写真のものとほぼ同じ量になります。（通常お菓子をこの量買うとだいたい7,000円ぐらいかと思います。）
・制作したお菓子のレシピがついてきます。
・お菓子の種類は最低4種類です。
・ハイジさんのインスピレーションが沸くような野菜を送っていただければ、5種類以上になる可能性があります。
・送ってもらう野菜の種類は1種類でもオッケーです。どちらかというと1つの種類がなるべく多いほうが作りやすいそうです。（だいたい100サイズのダンボールにいっぱいになるぐらいの野菜を送ってください。）
・野菜は必ず育てた野菜を送ってください。買ってきた野菜はダメです。
・野菜は育った環境でちょっとずつ形が変わったりするそうなので、なんて名前の野菜かだけは教えてください。
・余った野菜は責任を持ってハイジさんが食べちゃうそうです。
・お菓子を食べた後はハイジさんに感想の手紙を送ってください。ハイジさん、自分の作ったお菓子を食べてもらって感想を聞く、というのが大好きなんです。

これで10,000円。
安くはないですが、野菜を送ってもらって即興で作る創造力、自分のためだけのレシピを考えると決して高くないと思います。それに満足度は半端ありません！自分で体験済みです。

まあ、一度体験してみてください。
絶対に今まで知らなかった自分の作る野菜の可能性を発見できると思うので。