ちょうど良い服
商品番号 | tk013703 |
商品名 | ワイドショートTシャツ |
価格 | ワイドショートTシャツ:¥19,950(税込) |
限定数 | - |
サイズ | 0/1/2 |
素材 | ワイドショートTシャツ: |
支払方法 | 先払い |
送料 | 無料 |
納期 | ワイドショートTシャツ:2010年7月頃 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | チバ |
新しい洋服
身長や袖丈における長さや短さ。
バストやウエストにおける太さや細さ。
これら人の身体を基準として定められた、
長さ、短さ、太さ、細さ、は絶対的だろうか。
身体という洋服における定規を問い直すこと。
定規を変えない限り新しい洋服は生まれない。
(ANREALAGE 2010-11 A/W COLLECTION
リリースより)
新しい身体
密買東京では、もうお馴染みのブランドANREALAGE(アンリアレイジ)の新しいコレクション。
会場になったスタジオの真っ白い空間には、ピッタリのサイズにあつらえられた服を着たモデルが10人。
ではなくて、ご覧の通り10体のマネキンが迎えてくれました。
大盛況。
満員の来場者で埋め尽くされたスタジオ。
そして、その空間が歪んだのかと錯覚させるのが、このマネキンたち。縦に引き伸ばされた背の高いマネキンと、横に引き伸ばされた幅の広いマネキンの存在です。
まさか、とは思いつつも...
すでにお気づきかと思いますが、この引き伸ばされたマネキンが着ている服は、そのまま人が着るようにデザインされた服なのです。
上の文章にあるように、今回ANREALAGEが用意した新しい定規。その基準となる身体が、この2つのマネキンで表現されています。
ある意味で極端に歪んだ2つの身体。
インパクトのあるその存在感は、新しい洋服を求めるANREALAGEの強い意志がそのまま形になったようです。
と同時に、イメージではなく実際に立体になって現れたこの2体は、想像よりも遥かにコミカルかつチャーミングで...
こんなのを実際に作ってしまうところに、ANREALAGEらしい偏執的なパワーを感じて、ニヤリとさせられます。
※インスタレーションの様子はこちらでもご覧いただけます。
> wideshortslimlon(ANREALAGE)
wide-shortとslim-long
「wideshortslimlong」。
このコレクションのタイトルは、wide-shortと、slim-longに分解できます。
標準的な日本人の身体を、横250%、縦70%に変形させた、wide-short。そして、横80%、縦150%に変形させた、slim-long。
パーカーや、Tシャツ、パンツなど、全てがこの2タイプで作られているのが今回のコレクションです。
基準になる身体が極端に変形された服は、多くの人が着た場合、当然ながら幅や丈が大きく余ったり、少し足りなかったりします。そのときにできる、弛みや重なり、あるいは張りなどが、美しくなるように計算された、この2つの比率。
普段使っている定規を捨てて、試行錯誤の末にたどり着いたこの新しい定規を使って、全ての服が作られているのです。
一般的に言って、現代の日本では、どちらかというとプラスに見られるslim-long。(もちろん、それよりも遥かにlong...)
そして、マイナスに思われることも多いwide-short。
今回、実際に人が着た状態で2タイプを見ると、slim-longはやはりカラダのラインもキレイに見えて、ある意味で想像を裏切らない感じ。
それでも、あの巨大なマネキンが着ていた服が着られるとは、驚きですが。
それに対して、一見マイナスのイメージのあるwide-short。普段あまり見かけない所に余る布が、陰影や膨らみを作って、slim-longより新鮮な印象を与えるのが、ある意味で示唆的?と思わされます。
当たり前に
当たり前に作られる服から、戦略的な逸脱を試みるANREALAGE。
「新しい洋服」を目指す。
ANREALAGEのそんな服作りは、同時に当たり前に着られる服を作る、という強い志向性を持った服作りでもあります。
衝撃的だった、2009 S/Sのコレクション「○△□」。
以来、服が作られる過程に眼を向け、そこにまだ隠されている新しい服作りへの手がかりを掘り出すANREALAGEの服作り。
今回のコレクションでも、服作りの基準である身体のサイズさえも聖域とせず、再構築の対象としています。
しかし同時に、衝撃的なインパクトを持つ全てのコレクションにおいて貫かれているのは、着るという行為を一切拒否することなく新しい服を作り出す、という姿勢です。
今回のコレクションでも、どの服も日々の暮らしの中で着てみたいと思うものばかり。
この強さがANREALAGEの一番の魅力ではないかと思うのです。
そして、毎回書いていますが、価格についても。
コレクションの服こそ、沢山の人に着てもらいたい。そんなANREALAGEのメッセージが、今回のコレクション作品の価格にも込められています。
コレクションの終わりを待って、今回もANREALAGEのデザイナー森永邦彦さんを訪ねました。
服作りの大事な道具であるメジャーを捨て、新しいメジャーを作り出すことからスタートしたANREALAGE。
メジャーは定規の意味と同時に、メジャー/マイナーのメジャーでもあるんですよね。と語る森永さん。
きっとANREALAGEが目指すのは、メジャーへのアンチでもなく、ましてやマイナーの救済でもなく。
ただ純粋に、まだ見ぬ新しい洋服への探求なのです。
でもそのことが「メジャー」の意味を曖昧にするような出来事になったら、これは何だか面白い世の中になってくる予感。ちょっと未来が楽しみになります。
そんなANREALAGEのこれまでの作品は、こちらから。
すでに見た方も多いかと思いますが、この機会に是非もう一度。(今回のモデルさんが履いているスニーカーは、「リペア魂 × ANREALAGE!!」から。)
> リペア魂 × ANREALAGE!!
> 見えないカタチ
> ○ △ □ ?
> 凹 凸
> シルエット
> 乱れ咲き
> ボタンでできた服!?
> 昼の花/夜の花
そして、ANREALAGEのホームページでも密買東京で紹介していないコレクションも含め、全てのコレクション作品を見ることができます。
> ANREALAGEのホームページ
> 2010-11 A/W COLLECTION IMAGE PHOTO