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イッツ・ア・ミクロ・ワールド

商品番号tk014507
商品名

携帯デジタル顕微鏡
 Anyty MSA108(旧Vitiny VT101)
 Anyty MSA200(旧Anyty A200)

価格

Anyty MSA108:¥27,615(税込)
Anyty MSA200:¥43,155(税込)

限定数

販売終了

サイズ

MSA108:120mm×56mm×25mm
MSA200:130mm×62mm×27.5mm

素材
支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

無料

納期
備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤースギウラ

印刷のふしぎ

正解は、オフセット印刷による「網点」です。
手前味噌ですが今年3月に出版された「東京R不動産2」の中扉ページ、この単色に見えるグレーが、40倍に拡大するとこんなことになっているのです。

このグレーは「C=シアン」「M=マゼンダ」「Y=イエロー」「K=ブラック」の点の4色から構成されていて、グレーはちょうど各々がバランスよくミックスされています。このつぶつぶの点=「網点」は色の濃淡を表現するためのもので、間隔や配置、大きさによって色を表現しているのです。
じゃあ他の色は?と見てみると、たとえば同じ黄色でも青味がかっている場合は、大きいイエローの網点に小さなシアンの網点が配置されていたり、と、見れば見るほどに全部違う......印刷ってふしぎ。奥深い。

拡大しているのは携帯デジタル顕微鏡。
デジカメ?照度計?のようなお手軽な見た目ですが、高性能なレンズが入っているので、びっくりするような精密画像が液晶画面に映し出されます。
一度手にしちゃうとどこへでも持ち運びたくなる面白さ。
目にする平らなもの全てに押し当てて、さあミクロの世界へ!

グレーの部分を拡大すると、こんなカラフルな点が出現!前ページの画像はこの携帯デジタル顕微鏡で撮ったもの。

印刷物のいろいろな網点。肉眼で見える色は左はオレンジ、右は緑。

携帯デジタル顕微鏡各種。上が「Anyty MSA108」、下が上位機種の「Anyty MSA200」。左側が液晶面、右側は対称に裏返したレンズ面。

5ユーロ紙幣の10倍画像。このデジタル顕微鏡は通常の撮影モードに加えて(左上)、グレースケール(右上)、エンボス(左下)、インバース(右下)の4パターンの画像撮影ができる。


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出会いは「デザインのひきだし」の津田さん

このデジタル顕微鏡との出会いは、グラフィック社に津田淳子さんを訪ねた時の雑談から。「最近、面白いものを見つけたんですよー」とおもむろに取り出されて。
津田さんは「デザインのひきだし」の編集長。前から私は大の「ひきだし」ファンでした。だってこの本、ちょっとすごいんですよ……
題名だけ見て、普通のデザイン誌だと思っていたらそれは大間違い。いや、デザイン誌ではあるのだけど、その範疇に収まりきらないのです。
例えば、シール・ラベル特集の号では表紙までもシールで作られていたり(だから剥がせる!)、箔押し特集の号でも表紙にも箔を(なんとぜいたく!)。
記事で紹介したデザイナーとの印刷トライアルの結果を、紙も印刷もオリジナルのまま、ふろくとして綴じ込んでいたり。本そのものが素材集でもあり作品でもあるのです。
思えば創刊以降、徐々にふろくが増え続けている気がします。本がどんどん膨らんでる……そういえば、ふろくが本の中に収まりきらず別で箱を作ってパッキングしていた号もあったなあ。
つまるところ、ちょっと普通じゃない(すごく良い意味で!)本なのです。毎号、ここまでやるんだ!と驚きます。そして感動しちゃう。

デザイナーしかこの本の存在を知らないなんて、なんてもったいないこと!一度手にとってご覧になることを強くオススメします。


> 「デザインのひきだし〈10〉」

> 「デザインのひきだし」(amazonの検索結果)

> デザインのひきだし・制作日記


デザインのひきだしの表紙。左上から10号「凸版・活版印刷で行くのだ!」右上9号「紙の魅力をもっと知る」左下8号「シール・ラベルは、こんなことまでできるんだ!!」右下7号「製本加工はここまでできる!」

顕微鏡に夢中の津田さん。見ているのは千円札、野口英世の目!

野口英世の目アップ。凹版印刷で刷られているため、インキが紙よりぐんと前に飛び出ている。ちょっとこわい。


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印刷講座入門編

そんな津田さんがはまっている顕微鏡とは、と興味津々で、さっそく購入し使い始めたら、めちゃくちゃ面白い!と、同時に疑問点がいくつも。
さっきから、活版やらオフセットやら印刷の用語を並べ立ててしまっていますが、聞いたことはあるけど、実は私もよく分かってない……
ということで、津田さんのところにまたまたお邪魔して、レクチャーを受けてきました。
まずは印刷版式の種類をざくっと。大きく4つに分かれます。

①平版印刷—水と油が反発する性質を利用して、平らな版にインキを乗せて刷る(例:オフセット印刷)
②凸版印刷—版の凸面にインキを乗せ、圧をかけて刷る(例:活版印刷、フレキソ印刷)
③孔版印刷—穴の開いた版にインキを乗せ、紙に押し当てて刷る(例:シルクスクリーン、プリントゴッコ)
④凹版印刷—版に彫られた凹部に溜まったインキを転写して刷る(例:エッチング、グラビア印刷)

うっすら聞いたことある言葉が輪郭を帯びていき、頭の中が整理されていって気持ちよいです、なるほどー。
そこに津田さんからワンポイント解説が。②に含まれる活版印刷は、つまりハンコのような仕組みなので、刷った文字を見ると「マージナルゾーン」と呼ばれるインク溜まりがある、とのこと。版に圧をかけて紙にぎゅっと押しつけるので、文字の真ん中よりもフチの部分のインクが濃くなるんだそうです。
どれが活版印刷か分からないと言う方には、発売中の「デザインのひきだし」10号がオススメです。今号は凸版・活版特集、表紙、本文P18〜P20、綴じ込みふろくが活版で刷られています。
最近では活版で刷られた印刷物はどんどん少なくなっているのですが、いったん見つけることができるようになると、すぐに分かるようになるはず。
活版印刷ならではの風合いは私も大好きです。ひきだし10号表紙の見出しにあった言葉「無くしてしまうのは惜し過ぎる。」まさに同感、惜し過ぎる……

ほんとうは津田さんの印刷講座、この後どんどんとマニアックになっていきすごく面白かったのです。みなさんにお伝えしたくてたまらないのですが、今回はとりあえず入門編のみお送りしました。


5ユーロ紙幣、ホログラムの入った帯状の金属箔部分。日本も海外も偽造防止のため紙幣はとても手が込んだ印刷になっている。見る場所ごとに驚きの連続!

デザインのひきだし10号P19より。活版印刷で刷られた「ぶ」の文字。隅にインキが溜まっているのがわかる、これがマージナルゾーン。

デザインのひきだし10号綴じ込みふろくより。ふわふわの紙にされた活版印刷。圧がかけられてインキ部分がへこんでいる。ここまで拡大すると、紙の風合いの違いもはっきり見えてくる。

同じくデザインのひきだし10号綴じ込みふろくより。特色の蛍光ピンクとイエローに刷られた活版印刷。これはマージナルゾーンがよくわかる!


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日常のなかにひそむワクワク

このデジタル顕微鏡、印刷物を見ているだけでも垂涎モノなんですが、それだけじゃありません。
例えば人間の皮膚の角質や毛根。それから植物の葉脈、洋服の繊維、電子回路、ちいさな虫……
いろんなところをデジタル顕微鏡で見るたびにガツンとやられます。私はここのところ毎日やられっぱなしです。
あまり詳しくここで書いてしまうと楽しみが減ってしまうので、ここまではほんの序の口として、あとはみなさまの日々の観察に委ねたいと思います。

それにしても、今まで見えていた世界がなんとおおざっぱだったことか!当たり前に見えていたモノががらっと顔を変えます。材料の表情ってこんなに豊かだったんだ、と目からウロコがぽろぽろと。
お子さんの、いや家族そろっての夏休みの自由研究にもオススメです。

今回ご紹介しているデジタル顕微鏡は二種類あります。
「Anyty MSA108」と上位機種の「Anyty MSA200」。
見た目もかなり違いますが、一番大きな機能の違いは保存できる画素数が違うこと、「Anyty MSA108」30万画素、「Anyty MSA200」200万画素です。画像をデータとして記録したいときは「Anyty MSA200」の方がよいかもしれません(このサイトに掲載しているミクロ画像はすべてAnyty MSA200で撮ったものです)が、直感的な使いやすさや手軽さは「Anyty MSA108」の方が上です。
あくまで個人的な意見ですが、両方使い比べてみた実感としては、拡大率の差はそれほど気になる点ではないかと思います。使う方法次第ですが、大きすぎると物体がなんだか分からなくなってくるので、私の場合40倍以上はなかなか使いこなせませんでした。
あと「Anyty MSA200」は動画撮影ができるのがうれしいところ。動く被写体や拡大率の変化も撮影できます。

詳しい違いは以下の表をご参照ください。

> 携帯デジタル顕微鏡 機能比較表(PDF 520KB)


ハードディスクの一部。電子回路についている白いものは肉眼ではまったくみえなかったホコリ。

左手の甲。化粧品カウンターでみせてもらえるような画像まで撮れちゃう。

植物の葉脈。ところどこに水泡がみえ、水をちゃんと貯えていることがわかる。

ハンカチの繊維。