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PE(ぺ)

商品番号tk014604
商品名

PE CARD CASE
PE A3BAG

価格

PE CARD CASE:¥7,344(税込)
PE A3BAG:¥19,440(税込)

限定数

サイズ

PE CARD CASE:
 W115mm×H75mm(広げた際:150mm)
PE A3BAG:
 W500×H330mm (持ち手は含まず)

素材

LDPE(低密度ポリエチレン)

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

一覧表をみる >

納期

3~4ヶ月程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーヤマダユウ

2010年度、ベストプロダクト!

もはや、バイヤーと言うよりも、1人のお客さんとして毎週更新される商品を楽しみに「密買東京」をチェックするのが日課と言うか、週課になってしまった程、すっかり密買での商品紹介をご無沙汰してしまっておりましたが、今回はなぜか一念発起して、密買のバイヤーとして、自分自身でこの商品を紹介したい!と心に誓いまして、ただでさえ筆が進むのが遅い自分に、ときには鞭を振るい、ときには叱咤激励しながら、この度、本当にひさびさに商品紹介をさせて頂きます。

さて、それではなぜ他でもない自分の言葉で、今回この商品を紹介したいと思ったのか?
それは僕自身、良いものに出会うと、どうしてもその良さをできるだけ多くの人に知ってほしい、という純粋な感情が半分芽生えるのと、と同時に、バイヤーの性と言うべきか、良いものに出会うとつい浮かれて、色々な人に自慢して回りたくなってしまうという残りの半分の感情が湧き起こるからです。ただ、職業上いつも何か良いものを探し求めてはいるものの、なかなかそんな気持ちになれるものに巡り会う機会は決して多くはありません。むしろ、普段から余りに多くのものを見過ぎているため、逆に少ないくらいで...。

そんな中、長年大層お世話になっている、大阪の靱本町に「Toi」というセレクトショップを構えながら、ファッションブランド「NO CONTROL AIR」を展開されている米永さんや、密買でも商品を紹介している「StitchandSew」の稲田くんから「同じ大学出身の友人が、最近良いものを作っている」という話を、ちらほらと聞いていたのですが、先日、彼らと一緒に東京で合同展示会を開催した際に、その「良いもの」を作っている当人である「PULL+PUSH PRODUCTS.」の佐藤延弘さんと初めてお会いして、噂には聞いていたその「PE(ぺ)」の実物を拝見させて頂きました。しかも噂通り本当にこれが良くてですね...。

上述しましたが、僕は「本当に良い!」と思えるものに出会えると、しみじみ「いいなぁ...」という感情が押し寄せ、その余韻を自分の中でひとしきり味わった後、今度は誰でもいいので興味ありそうな人(今回は、合同展示会のその他の出展者の方々や、ちょうど来場していた顔なじみのバイヤーさんたちがその犠牲に)に、あたり構わず、「いいでしょ!?」と触れ回るのが常なのですが、この行動を起こしたこと自体が、よくよく思い返せば本当に久々のことでした。ヘタするともう1年以上、そんな気持ちになったことが無いかもしれません...。

と言う訳で、嬉しさ半分、自慢半分で、今回はこの「PE(ぺ)」をご紹介させて頂きます。バイヤー自身が言葉を紡いでいくことで、その商品の良さや本質をお客様へと語り継ぐことができるのが、密買東京ならではの魅力でもありますし、また、常日頃、僕自身がプロダクトを評価する際の判断基準である、コンセプトのユニークさ、素材へのアプローチ、シンプルで洗練されたフォルム、仕上がりの美しさ、という4つの点を、この「PE」は、ほぼ全てクリアしています。だからこそ、僕の中での、100パーセント個人的で、全くの独断と偏見による「2010年度ベスト・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」の座を(密買東京の、という訳ではないですよ。念のため)、2010年が既に下半期にさしかかった今でも、しっかりキープしているのです。

> NO CONTROL AIR & Toi

> StitchandSew

密買東京で紹介しているStitchandSewの商品はこちら。
> 各種袋

PE A3BAG:¥19,440(税込)
色:018 Light orange

PE CARD CASE:¥7,344(税込)
名刺入れにちょうど良いサイズの2つ折カードケース。

PE A3BAG (016 Gold)
落ち着いた色も素敵です。

PE CARD CASEは、外×1、内×3 合計4つのポケットが付いていて、一般的な名刺であれば合計30枚程度入れられます。

ズラリ 全部で18色!
PE A3BAGとPE CARD CASE共にどの色でも製作できるので、お好みの色を探してみてください。
一覧で見たい方はこちら。 > PE Color Chart(PDF 1.79MB)
Frostは半透明です。


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新素材の成り立ち

さてさて、この「PE(ぺ)」のカードケースやバッグに使われている素材に関して復習しましょう。

素材となるポリエチレンは、ゴミ袋やレジ袋として普段私たちが良く手にしているものです。
このポリエチレン、その薄さ0.02~0.04mmのフィルムを、佐藤さん自身が、電気コテで熱溶着しながら(!)、幾層にも重ね合わせ、空気を含ませ、包み込んでいくことで、硬さや質感、表面の風合いが微妙にそれぞれ異なる、軽くてしなやかな素材が出来上がるのです。
また、この素材には、防水性や耐油性、耐溶剤性にも優れた性質が見られます。

驚くべきはこの層を重ねる手間と苦労、そして完全オリジナルで創意工夫されたその技術とノウハウです。ちなみにカードケースでは、ビニールの色によっても異なりますが、厚さ0.09mmのシートを6層に溶着したものから、0.03mmのシートを18層にしたもの、最も薄い厚さ0.025mmのシートの場合は、24層に溶着することで、ビニールの種類や色によって変わることなく、なるべく均一な厚みを持たせるように配慮されています。

A3バッグの場合、最大で2mm厚の素材を用いていますので、合間に空気の層が出来るものの、0.03mmのフィルムで48枚の層、0.025mmのフィルムで64枚もの層が(!)重ねられています。しかも、積層させるフィルムの材質や枚数、厚み、重ねる手順、
加熱時間や加圧方法、加熱後の冷却方法、手先の調節加減などなどの多くの要因で、仕上がり自体がガラッと変わってしまうと言うからもう大変です。

ちなみに、佐藤さんがこのポリエチレン袋を素材とし、熱加工によるプロダクト製作のアイデアを模索し始めたのは、今から4年前のこと。翌年、プラスチックが熱で融けてできる質感や造形美をデザインのポイントに絞り、まず、アートピースの作成を始めたのがきっかけとなったそうです。その後、プロジェクト名を「PE(ぺ)」とし、製品化に向けた素材の特性や加工方法について、資料の収集と、実験、研究を重ねる一方で、湯煎や熱風、直火など、あらゆる熱加工の方法も試し、具体的な加工方法を探っていく中で、現在の電気ゴテでの溶着という方法に辿り着いたそうです。

その後、試作を開始し、展示会やイベントでのプロジェクト発表や、スタディーモデルの展示を単発的に行なった上で、製品の製作や使用においての安全性と耐久性について、情報の収集と実験を繰り返したのが、さらに翌年の2008年。

そのさらに翌年の2009年には、製品成形まで全て電気ゴテのみで行なう熱溶着の加工にスイッチし、造形表現のバリエーションについてもスタディーを重ねた上で、ようやく現在のカードケースとA3バッグの原型となるプロトタイプが産まれ、同年、遂に晴れて製品化を迎えます。ここまでで何と足掛け約3年もの歳月が。

ただし、4年目となる今年に入った今でも、A3バッグの持ち手部分の形状や生地質の改良、またカードケースの加工方法の再検討、開き角度の調整など、細かいディティール部分にもマイナーチェンジを加えることで、プロダクト自体の改良にも余念がありません。

この製品化までの歳月と、重ねられたシートの層の数を知るだけでも、佐藤さんのものづくりを、ただ職人的である、と断ずるのは陳腐に過ぎます。開発に3年かけたというプロダクトは、世の中で他にいくつもあるのかもしれませんが、これ程、不器用なまでに真っ直ぐに、そして真摯に素材やものに向き合いながら、尋常ではないくらいストイックに、完成度に対してこだわり続ける。そう、彼はものづくりにおいて、自分の道をただひたすらに求めて歩き続ける、言わばものづくりの求道者なのです。そんな彼の姿を見て、感心しない訳がありません。

だって、佐藤さんにこの「PE(ぺ)」を実際に見せて頂いた際に、「何で今回の展示会に出なかったんですか?出展すれば良かったのに」と僕が聞いたら、開口一番「まだ早い。」ってピシャリと仰っていたぐらいですから。でも、さすがに僕たちの周りで会話を聞いていた皆さんは多少呆れ気味でしたけどね(苦笑)。かく言う僕自身も「この完成度で、まだ早いの!?」と内心思ったくらいですし。ホント、彼はストイックなんです。


京都市内にある「PULL+PUSH PRODUCTS.」さんの、アトリエ内の風景。この場所で「PE(ぺ)」のプロダクトが産まれます。大事な企業秘密の工程もあるので、大雑把に紹介すると...

上から
1. 「PE(ぺ)」の素材の元となるポリエチエンのフィルム。こちらは厚さ0.03mm。
2. このフィルムを重ねて...
3. 佐藤さんが電気コテを押し当てていき...(企業秘密保護のため白黒)
4. そしてはがす。

電気ゴテを使って作業する佐藤さん。

こちらは、「PULL+PUSH PRODUCTS.」のモルタル製プロダクトのシリーズの「HOUSE INCENSE POT」。


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「PULL+PUSH PRODUCTS.」さん

そんな佐藤さんがクラフトデザイナーを務める「PULL+PUSH PRODUCTS.」のお名前は、以前から記憶にあったのですが、佐藤さんは、京都精華大学美術学部デザイン学科の建築分野を卒業した後(「NO CONTROL AIR」の米永さんとは同じ学科の同級生。「StitchandSew」の稲田くんは後輩にあたるそう)、京都の造形製作会社に勤務し、FRP装飾造形の設計と製作を担当した後、2002年に「PULL+PUSH PRODUCTS.」を立ち上げました。

今回ご紹介した「PE(ぺ)」のシリーズ以前にも、皆さんも一度は見た事があるかもしれませんが、主にモルタル素材をメインに用いた、いかにも建築を学んだ香りの漂うインセンスホルダーなど、様々なユニークなプロダクトを京都のアトリエから、デザイン、製作、パッケージ、発送までに至る全ての工程を自分たちだけで行って送り出しています。

「PULL+PUSH PRODUCTS.」のコンセプトは、素材とストーリー。
使うときの楽しさや、触れたときの質感を大切にしたアイテムを送り出すことを大事にしているそう。彼らに高度な機械を使っての精密な製品作りや、大量生産はできないかもしれませんが、
人の手だからこそ可能な繊細で作り手の温度が伝わるモノ作りを続けていきたい、という彼らの思いは、確かにプロダクトからも強く伝わってきます。

> PULL+PUSH PRODUCTS.


第一印象を決定する名刺入れは、この新素材のPEで。

011 Frostと、018 Light orange。

PE CARD CASEは、シンプルなパッケージに入っています。


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「PE(ぺ)」ギャラリー

さあ、前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ商品について具体的に紹介していきましょう。

単色で仕上げたカードケースは3つのポケットが付いています。使い始めは少し硬い仕上げになっていますが、使用を続けることで生地にしなやかさが出てきます。きっちり詰めれば名刺で、最大30枚程は収納可能です。名刺を10枚減らして、替わりにSuicaやPASMOなどのICカード等を収納しても良いかもしれませんね。

A3バッグは、仕事の打ち合わせ時など、必要な書類と最小限の必需品の持ち運びを目的とした、薄型のバッグです。
A3サイズの図面や書類が横向きに折らずに入る大きさになっており、A4サイズの用紙や、すぐに取り出したい確認資料などは、同じく横向きに内ポケットに分別して収納できるよう設計されています。



シワ加工で仕上げた本体の生地は、意匠性の他にクッション機能も兼ね備えており、内部の荷物を衝撃から保護する役目も備えています。カードケースと比べると、バッグは大小様々な大きさのシワを不規則に作ることによって、より表情のある生地に仕上がっています。

また、フィルム素材は、1点に集中する力に対しては比較的弱い性質のため、その短所をカバーするために、本体生地は底部が最も厚みが増すように仕上げており、バッグ底面に集まる小物類を包み込むように底部のシワも大きく加工をしています。

最も力が集中するバッグ本体と持ち手の接続部分には、厚さ約2ミリの厚手の帯生地を使い、パーツの接続部分を熱溶着することで、バッグ全体が一体化した構造になるように作られています。

カードケース、バッグ共、フロストカラーは、内部に収納したものがうっすらと透ける仕上がりが特徴です。本体生地の表面反射が美しく、他のカラーに比べて浮遊感のある軽い印象の仕上がりになっています。特にバッグについては「透ける」ことを意識することで、バックの中身をレイアウトして持ち歩く面白さも加わります。

個人的には、ビニール袋など元のポリエチレン素材の姿を想起しやすいような、ポピュラーな色である、フロストや、スカイブルー、ブラックなどがお奨めです。ただ、渋めのブラウンやブラックなどのダークな色も、一見、革のように見えたりするギミックが効いていて好みです。

 
PEのシリーズは別ページでも販売しています。
> 続・PE(ぺ)

またモルタルのシリーズもとても興味深く、美しいので、こちらもぜひ。
> 稀なる薄さ
> 素朴にともる


PE A3BAGは、テクスチャの大きさに幅があるので、色々な表情が楽しめます。そして、このテクスチャにはクッション性もあり、中の物を保護する役目も。

PEのロゴが刻印されています。溶着によるつなぎ目部分はキレイに一体化。ノートパソコン等の重量のある荷物の持ち運びも可能です。

A3サイズの図面も余裕を持ってすっぽりと入るサイズ。

持ち手部分は、肩にも掛けられる長さです。