あったかい金属の皿
商品番号 | tk026702 |
商品名 | Onami |
価格 | トレイ270(ウス茶オハグロ):¥12,960 |
限定数 | - |
サイズ | トレイ270:φ270mm×h17mm |
素材 | ボウルとロックグラス、タンブラーは色に関わらずステンレスです。トレイ、コースターに関してはサイズに関わらずウス茶オハグロはステンレス、黒ゾメは鉄を使用しています |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | |
納期 | 2週間程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | mikayama |
相和シボリ工業
工場っていいですよね。
なんかアガる。
飾り気が無くて、機能だけで構成されていて、全てに意味があって。なによりその空気感がなんかアガる。大浪さんのとこもそんないい雰囲気の工場です。
ヘラ絞りの工場相和シボリ工業は親子3人で経営されていて、今回のOnamiシリーズは息子さんの大浪友和さんがリーダーでとっかかっているもの。とはいえ、じゃあ友和さんが全て手掛けるのかというとそうではなくて職人気質の無口なお父さん(でもしゃべりだすといろいろ教えてくれる)と、そのお父さんをサポートするおしゃべりお母さん。(つまりはみんなしゃべりだすとよくしゃべります。)みんなで手掛けている感じの作品です。
ウス茶オハグロのトレイ270
黒ゾメのトレイ270
裏側も同じ加工になっています
トレイ、プレート、コースターと段々と小さくなっていきます
(プレートとコースターは側面の加工がトレイと違います)
いろいろな登場人物
実はもうちょっとこの作品に関わっている人は多くて。
この作品はデザイナーに密買東京ではお馴染みの大治さんの弟子(?)の山崎義樹さん。漆の焼き付け等加工はまた別の富山県高岡市の着色屋さんがやっていたりします。ちなみにこのページの雰囲気いい写真は山崎さんの写真。ロゴデザイン、ホームページ制作から実は商品の発送まで山崎さんが担当だったりします。
本当は山崎さんにも加工している業者さんにも会いに行きたいんだけど、ちょっと距離が遠いので、まだお会いできていません。でも、こちらのお二方。写真を拝見させてもらったり、やり取りさせてもらっている限りはやはり良い人たち。今度用事ができたときにはまたレポートさせてもらいます。
ボウル120,150(上段がクロ茶で下段がウス茶オハグロです)
ロックグラス65、タンブラー90、タンブラー110、数字は高さを示しています
内側は焼付の加工はしていないです
裏面は全面的に加工済み
ヘラで絞る
さて、主役のヘラ絞り。
そもそもヘラ絞りとはなんぞや?という話なのですが、ロクロのように回転させた金型に金属板をヘラで押し当てて成型させていく、昔ながらの金属加工技術です。特徴として製品の加工面にヘラで加工した跡が残ったりします。
現在、こういうタイプの金物製品は工場でプレス加工で作られたりすることが多いのですが、プレス加工の方が金型の費用がかかったりするので、大量に作られる商品向きで。実験的な製品とか大量に作られない特殊な金物とかはヘラ絞りで作られているそう。
あと重要なポイントとしてはヘラで絞った方が金属をいじめる(成型の際に分子配列がぐちゃぐちゃになるそう)ので強度が出ます。これ見てるとよく分かるのですが、手で曲げることができる金属の板をヘラで絞って皿型になった瞬間にすごく硬くなるんですよね。本当に不思議。
それぞれに側面の部分をよくよく眺めてもらうとロクロの跡のような紋様が分かると思います。
それを今回は漆を塗って焼き付けたりしながら、金属であることは間違いないんだけど、新品というより古道具のような、マットな作品に仕上がっています。
ちなみに今回使っている着色技術。漆で金属に焼付自体は鉄や銅器の産地である高岡や岩手なんかで使用される技術なのですが。
食品に直接触れないトレイのシリーズはウス茶オハグロ(ステンレス)と黒ゾメ(鉄)。
食品に直接触れるボウル、グラスのシリーズはウス茶オハグロとクロ茶(どちらもステンレス)。
トレイの方の着色方法はウス茶オハグロの方は昔の人が使っていたお歯黒(今回の場合は酢と鉄の混合物)を焼き付けて漆を焼き付けて、黒ゾメ(鉄)は酸化処理でムラをつけてから漆を焼き付けています。
対して、食品に直接触れるシリーズのウス茶オハグロは「漆焼付け→オハグロ焼付け→漆焼付け」とオハグロを漆でコーティングする独自の着色方法を用いています。またクロ茶はステンレスに焼いて黒くした漆を焼付けた仕上げになっています。
と、大変複雑なのですが、どちらもOnamiシリーズ独自の仕上げの質感になっています。ポイントはちょっとムラ感です。
少し型を付けた金属板を
ロクロのような機械で回してヘラを押し当てていきます
その後、側面を削って丸めて
素地の状態での形だけ完成しました!
あったかい金属
いつもはですね。
密買で会う作家さんてみんな秘めたる闘志というか。ストイックというか。とっつきにくいとは違うんですけどね。なんか変な人が多いし。どっちかというとクールなんですよ。かっこつけてるわけじゃないし、伝え方難しいんだけど。
なんだけど、多分この加工の感じと、ヘラ絞りの技術とそこから現れる模様と。あとは何よりそこに関わっている人の感じと。なんか今回の金属あたたかかったんです。アツい想いがないとかそういうことではないですよ。ちょうどいいバランスというか。みんながうまく折り合っているというか。
山崎さんのおかげなのかもしれないんだけど、技術と技術をぶつけ合わせたという感じではなくて、ちょうどいい感じでバランスしたというか。デザインも主張があるものでは全くないし。金属なのにこの感じってあんまり出せるもんじゃないよなあ、とか妙なことをこの作品見ながら思ったりしたんです。
そうだ!最後に注意点。
トレイシリーズの黒ゾメは鉄を使っているので、食品を直接乗っけないでください。漆の焼付をしてあるので、直接鉄が食品に触れるということはないと思うのですが一応。あと、尖ったものとかにぶつけると漆がはがれる可能性があるそうです。大浪さんのところで1年使っている分には剥げたりということはまだないそうなのですが。
でも、通常に使っていただく分には当たり前に問題ありません。むしろ漆の色が濃くなっていったり経年での変化も楽しめるそうで。生活には意外に馴染みやすいと思うので、ぜひ楽しく使ってみてください。
Onamiシリーズに関して詳しくは下記をご覧ください。
> Onami
相和シボリ工業に関して詳しくは下記を。
> 相和シボリ工業
山崎義樹(BLOCK DESIGN)さんに関して詳しくは下記を。
> BLOCK DESIGN
息子の大浪友和さん
大浪ファミリー
着色はこんな感じで行われています
ムラ感がかっこいい裏面。Onamiのロゴが入っています。