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奇想天外脱力ワールド

商品番号tk027000
商品名

あいうえおカルタ
世界メルヘンかるた

価格

¥1,980(税込)

限定数

サイズ

カード : W90mm×D68mm
パッケージ : W163mm×D106mm×H37mm

素材

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

520円(日本郵便・レターパック)
4点以上ご注文の際は宅急便送料に変更

納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーヤナギサワ

ゆるゆるの世界へ

どこかで見たことある絵だぞ、と、
すでにご存知の方もいるかもしれません。

それでもやっぱり紹介したくて、
どんな人がつくるとこうなっちゃうのか興味津々で、
作り手の豊永盛人さんに会いに行ってきました。

迷わず会いに行きたくなる気持ちは、
かるたを1枚1枚手にとって見てもらえたら、
きっと分かってもらえるんじゃないかと。

いま自分がかるたで盛り上がれるかというと、正直自信がない。
けれど、このかるたならたやすく想像できるし、
笑いを共有できる仲間となら、さらに文句なし。
極端な話、かるた遊びをせず札を眺めるだけでも満足できちゃう。

本来、かるたや百人一首って、
いかに記憶して素早く札を取るかというゲームのはずだけど、
そんなことはみんなすっかり忘れてしまうくらい、
読み札に笑い、絵札につっこみ、愉快な時間が始まります。

次回も、同じように新鮮な感覚で笑い合いたいから、
できれば一度記憶をリセットできるよう、
すっかり忘れた時期を見計らって再戦したい、なんて
不思議な感覚にとらわれてしまうほど。

爆笑とは違ったゆるーい笑いを誘う愛すべきかるたは、
ネタバレせずにお届けするのがいちばんと分かりつつ、
折角なので、少しだけ紹介させてください。

はい!答え合わせをどうぞ

あいうえおカルタ

世界メルヘンかるた

かるたの作者豊永さん アトリエの前で小さくピース


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とぼけた絵

豊永さんにしかつくれないかるたの世界。
その魅力のひとつは、なんといっても絵!

たまらないゆるさと脱力感の連続、と思えば、
中には気迫あふれる絵も紛れ込んでいたりして。
いちいちツボを突いてくるから大変です。

知り合いからの依頼がきっかけで、
初めて挑戦することになったガラス絵の数々を、
そのままかるたにしてしまった豊永さん。

透明なガラスに描き、その裏側から鑑賞する絵画手法は、
絵の具をのせる手順が普段と逆になるばかりか、
左右も反転するので、なかなか思った通りに描けません。

でも逆手にとって考えてみると、
いつも見慣れた自分の絵とは少し違った表現に出会い、
思い通りにならない「つたなさ」が新鮮に映ったそうで。
結果、玩具であるかるたとの相性のよさが見出されました。

たしかに、意図的なおとぼけ感のようでいて、
それだけでは表現しきれない不自由さのようなものが、
豊永さんの絵の面白さをぐんと加速させている気がします。

パッケージを飾るおどけたイラストは、
白黒プリントの上に手作業で色を付けているので、
塗り方のパターンは一つずつ異なり、何が届くかはお楽しみ。

このちょっとしたオマケ感覚と、素朴なダンボール箱からも、
豊永さんらしさが伝わってきます。


箱に貼られたイラストはひとつずつ色付けされています

それは困りました

「そ」から到底思い浮かばない発想

箱の中には手紙が添えられています


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意表を突く言葉

もうひとつ外せない魅力が、読み札の言葉選びです。

手に取るまでの大いなる楽しみだと思うので
お見せする札はいくつかに留めておきますが
気に入ってもらえるでしょうか?

紹介するかるたは2種類。

あいうえおに対する素直な思いつきを表現した
「あいうえおカルタ」と、
世界の童話や昔話に対して、
聞いたときに感じたこと想像したことを表現した
「世界メルヘンかるた」です。

使われている言葉自体はとてもシンプル。
といっても、豊永さんの感性から飛び出てくる表現に
意表を突かれてばかりの44枚です。

ときに五・七・五を踏んでみたり、
平然とシュールな一言を突きつけたり、
純真無垢に問いかけてみたり、とにかく自由すぎるんです。

おとがめなしの奇想天外な発想に、腰が砕けそうになりながら、
いつの間にか心地よく翻弄されている自分。

「世界メルヘンかるた」のほうは、
読み札としての言葉だけでなく、童話の解説付き。
ウィキペディアで調べ書き上げたのは豊永さんの奥さんです。

これがまたすごい!限られた文字数の中で、
俗世に寄せた表現に言い替えられているから、
知らない話も知った気になれる分かりやすさになっていて。
豊永さんの言葉に畳み掛けるような、さすがのコンビ芸。

たとえば、

「金太郎」
えらい人の息子だけれど山で自由に暮らしているところを
見つけられてスカウトされた話。五月人形のモデル。

「舌きり雀」
スズメへの嫉妬にくるったおばあさんが最後はえらい目にあうお話。
スズメが食べる糊がおいしそう。

「オオカミ少年」
繰り返し人を騙すことの中毒的なおもしろさが仇になるお話。

「ラプンツェル」
生まれてからずっと髪を切らないと妙齢には塔の高さ位に伸びるし
それがとても役に立つというお話。

えいやっという思い切りのよいまとめ上げ方と、
ときどき挟み込まれる、個人的なつぶやきがたまりません。

絵札をお題に上げ、読み札の言葉を当てるスタイルも、
このかるたならではの遊び方としてアリかもしれません。
ぜひ、自分なりの楽しみ方を模索してみてください。


どうした、白雪姫

竹取物語

裸の王様 ときとして子どもは残酷です

織姫と彦星


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かわされ三昧

かるたは作品の一部であって、
普段は沖縄に古くから伝わる琉球張子の作品をメインに、
作家としての活動に取り組んでいる豊永さん。
沖縄生まれ沖縄育ちの、生粋の沖縄人です。

ゆるやかな雰囲気に包まれたご自宅でお会いして、
コーヒーをいただきながらしばらくお話ししていると、
やっぱり豊永さんからしか生まれ得なかったものなんだな、
と、しみじみ合点がいく飾り気のないお人柄。

たとえ、おとぼけ感が売りになるようなものでも、
力みを感じる意図的な面白さには、人って素直に笑えないもの。
豊永さんの中に自然と根付いている不可思議な世界観から、
練られすぎず思いつくままに放たれる絵と言葉があまりに痛快で、
ためらいなく笑えるんだなと感じました。

一方で、その作風から
自由気ままに己の道を歩まれているように想像しがちですが、
俯瞰の視点を持って活動されていることに、新鮮な驚きがあって。

豊永さんのつくる張子は独自のセンスが光るユニークなもので、
現代的な感覚で受け止めるわたしたちからすると、
琉球張子か否かというのは大きな問題ではなく、
純粋に「豊永さんの張子」として人気を博しています。

でも、琉球張子自体が世間に認知されなければ、
そこに携わる一人の作家として、本当の意味で、
自分の活動を評価してもらったことにはならない、と。

そのために、発表の場によっては、
いつもの豊永さんらしい個性あふれる作品は出品せずに、
伝統的な琉球張子を作り分けて出品しているそうです。

誰とも比較できない独創的な感覚と、理知的な思考力、
右脳と左脳がうらやましいくらいにバランスした活動に、
ここでもまた、想像を見事にかわされてしまいました。

いろんな思いをもらって、翌日伺った豊永さんのお店には、
アトリエで見た様々な張子の完成版が沢山並んでいました。
お店いっぱいに豊永ワールドが炸裂しており、
かるただけでなく、張子もいちいち面白くてすっかり夢中に。
ガラス絵の現物を発見できたことも、思いがけぬ収穫でした。

かるたといえば、お正月のイメージが強いかもしれませんが、
これからの行楽シーズンだって、ピクニックシートの上で、
ほろ酔い気分だったりすると、笑いが止まらなそう!
「あいうえお」と「メルヘン」、2セットまとめて混ぜこぜにすると、
88枚、身体を張ってよりダイナミックに戦えると思います。

子どもはもちろん大人でも、
いや、大人のほうが楽しめるのがこのかるたの面白さ。
家庭の常備用に、笑いの絶えないあの人へのプレゼントに、
自信をもっておすすめしちゃいます。


コーヒー豆を挽いてくれる豊永さんの背にはあいうえお表が

制作途中の琉球張子がアトリエのあちこちに

那覇市内にある豊永さんのお店

店内の壁にガラス絵を発見