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素直な藍色

商品番号tk028703
商品名

タコ カレー皿
ヒラメ カレー皿
タコ サラダボウル
ヒラメ サラダボウル

価格

カレー皿:¥13,200(税込)
サラダボウル:¥7,150(税込)

限定数

サイズ

カレー皿:w230mm×d230mm×h40mm
サラダボウル:w140mm×d140mm×h54mm

素材

磁器

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

じわり、ひかれる

かわいらしい雰囲気と、目を引く大胆な構図。
でもそれ以上に、見れば見るほど、じんわりと好きになってしまう。そんな魅力を持った器です。

白い磁器に、藍色の絵が施された作品は、いわゆる染付と呼ばれる技法で描かれています。

モノトーンのシンプルさと、少しだけ表情を感じさせるようなタコとヒラメの絵。派手ではない表現だからこそ、逆に気になってしまう作品です。

タコ カレー皿

ヒラメ カレー皿

タコ サラダボウル

ヒラメ サラダボウル

カレー皿とサラダボウル。大きさの違いはこんな感じ。


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ひかれる理由

例えば、タコ2品は「蛸唐草」という古典的な模様をヒントに、それが実際にタコになってしまったような絵柄になっています。

注目は、なんといっても頭のデザイン。
5つに分かれたそれぞれの部分に、模様や図柄が施されていて、コラージュのようです。

ちょっと愛嬌のあるタコの表情とあわせて、ポップでかわいらしい印象。ヒラメもお腹と背中が模様になっています。

それぞれの模様は、古典的な作品にも見られる、伝統的なモチーフ。でも、作家の川上真子さんが表現しているのは、きっと古典の焼き直しではないのだろうな、と思うのです。

それは、今の時代に生きる川上さんから見たお気に入りの柄や模様、そしてモチーフ。それが自然に集まってこの絵が生まれたのでしょう。だからこそ、ボクらにも心地良く、小気味良く感じるのだと思うのです。


タコ カレー皿
ちょっととぼけた感じの顔がかわいい。「蛸唐草」という定番の模様が、本当にタコになってしまったというイメージ。

写真ではなかなか伝わりませんが、意外と深さがあります。お皿いっぱいにタコがあしらわれていて、存在感あり。

外側には蛸唐草の模様が入っています。全て手描きなのに、この描き込みがすごいです。

川上さんに模様のことを教えてもらいました。
一番右のYがたくさん重なったようなところが「毘沙門亀甲」。隣と、一番左が「唐草模様」。グルグルと回っているようなのはラーメンの丼でもおなじみの「雷文」、卍のマークが「万字」。足に入っているのが「七宝」。海の風景も素敵です。


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川上さんと焼き物

そんな気になる素敵な器をつくる川上さんを訪ねたのは、ちょうど1年ほど前。2015年の終わりでした。

今は独立している川上さんですが、当時は山本長左さんという方に弟子入りをして、絵付けの仕事をしていたので、山本さんの「妙泉陶房」におじゃましました。

実は、川上さんの経歴は少し変わっていて、焼き物の道を目指し始めたのは、30歳を少し過ぎてから。それまでも器は好きだったけれど、普通に会社勤めをしていたそうです。

転機は、師である山本長左さんの作品との出会い。神奈川県出身の川上さんは、石川県へ移り、九谷焼技術研修所に入学。そして卒業後は、念願かなって山本長左さんの工房で働くことができたのです。

山本長左さんは、皇室のお祝い事などにも器が使われている、宮内庁御用達の大先生。作品を見せていただきましたが、今まで見たことのある染付の絵とは全く違う、繊細で美しい作品などもたくさんあって、川上さんの人生を変えてしまったのも納得です。

作業場にも少しだけおじゃましたのですが、とても広い部屋の真ん中で、お師匠さんを中心に4~5人のお弟子さんが輪になって床に座り、黙々と作業する様子は、お寺での修行を思わせるような光景でした。


ヒラメ カレー皿
こちらもちょっと愛嬌のある顔ですが、2種類の唐草模様にはエレガントな雰囲気も感じます。

ヒラメもお皿いっぱいに描かれています。

唐草模様の他にも、お腹には「星七宝」や格子柄が。

そして外側にもしっかりと模様が描かれています。


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川上さんの日常

そんなふうに焼き物の作家になった川上さんの器。

そこに表現されているのは、川上さんが身を投じてしまうほど惚れ込んだ染付の世界で、いつもに目にするモチーフの数々。

それは、ボクらにお気に入りのパン屋があったり、大好きな曲があったりするのと同じように、川上さんのお気に入りたちなのかなと思うのです。

つまり、それは古典ではなく、日常なのかなと。

だから、よくある古典の再解釈や、再構築、リミックス、あるいは単なる引用とはまた違うものをそこに感じるのです。

思えば、古典的なモチーフも、昔の人たちが日常の中で出会ったお気に入りの風景や、生活の中での願い、思いなどを描いたものなのでしょう。その日常が積み重なって、いつしか伝統になる。

川上さんがどっぷり浸るほど好きな染付の世界。そこにある日常の風景が、今を生きる川上さんというフィルターを通して出てきたこの絵だから、きっとボクらにも気持ちよく響くのかなと思うのです。

シンプルなモノトーンの表現も、マンガやイラストなどに近くて、それも普段の生活にスッと入ってきてくれるポイントかもしれません。


タコ サラダボウル
比較的しっかりサイズのサラダボウル。こちらには、カレー皿にない「青海波」という模様が。

深さもあります。そして、外側にはしっかり唐草模様。

ヒラメ サラダボウル
こちらは一匹ですが、カレー皿にはなかった模様が縁に描かれています。

作家であり、職人でもある川上さんの作品、楽しんでいただければ。