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幻聴妄想ワールドへようこそ

商品番号tk030403
商品名

超・幻聴妄想かるた

価格

¥3,080(税込)

限定数

サイズ

w129mm×d39mm×h191mm

素材

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

幻聴・妄想の世界へ

ここに描かれているのは、精神障害を持つ人たちの日常です。

その様子を、短いセンテンスでつづった読み札と、イラストのように描いた絵札で、この「超・幻聴妄想かるた」はできています。

教えてくれたのは、このカルタの編集を手がけた、米津いつかさん。説明を聞いた瞬間に想像が膨らみすぎて、数日後にはカルタを作っている施設「就労継続支援B型作業所ハーモニー」に、お話しを聞きにお邪魔していました。

幻聴や妄想が飛び交う現場を想像して、軽い緊張とともに訪れたハーモニー。

そっと扉を開けてみると、そこにはお昼前の柔らかい光の中で、のんびり静かに、思い思いの時間を過ごしているメンバーの方たちの姿がありました。

このハーモニーで毎週水曜日に行っているミーティング。そこでメンバーの方たちが話す、日々の幻聴や妄想の体験の中から、興味深いエピソードを掘り下げたのが、このカルタです。

そして絵もメンバーの方たちが描いているというから、驚きです。

「超・幻聴妄想かるた」精神障害を持つ人たちが日常のエピソードをつづったカルタです(画像クリックで拡大)

絵も施設のメンバーの皆さんが描いたものだというから、驚きです

一つのエピソードにみんなで絵を描くので、エピソードを出す人と、絵を描く人が同じとは限らないそうです

そっくり!


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異世界への扉

そんな「超・幻聴妄想かるた」ですが、皆さんが想像するのとはちょっと違うかも? という部分もあります。

例えば読み札に書かれている言葉。思わずクスッと笑えるものや興味をそそられるものから、すごく真面目なフレーズまである一方で、こんな言葉も……。

「さよなら ベゲA 僕の赤玉」

実はこんな感じで、札を読んだだけではよく分からないものも、たくさん入っています。

というのも、このカルタは本とセットになっていて、そこにそれぞれの札の意味が解説されているからなのです。

そしてもう一つ、遊び方も普通のカルタとちょっと違って……。札を最後まで読み、合図があったら、絵札を取る、というルールになっています。

つまり絵札を取る枚数を競うのではなく、札に描かれたシーンを想像し、本を読んでより詳しく知るのが、このカルタの遊び方なのです。


カルタと本がセットになって、ボックス型のカバーに入っています

水色のが本で、白地の箱がカルタです

谷川俊太郎さんも推薦!

本にはメンバーの皆さんの紹介も載っています


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カルタが変える

興味深い隣人の日常を、扉のすき間から垣間見てしまったような気分……。それがなんともいえず面白いのが、「超・幻聴妄想かるた」です。

幻聴や妄想と共に生きる暮らしは、想像を絶するものがあるはず。

でもこのカルタと本を読んでいると、そんな彼らの日常がほほ笑ましく描かれていて、どこか優しい気持ちにさせられます。

それだけでなく、このカルタは彼らにとっても、幻聴や妄想の世界と、現実とをバランスさせる、良い手掛かりになっているようで……。

実はこの「超・幻聴妄想かるた」は、3作目にあたるカルタです。

初代の「幻聴妄想かるた」は2008年に誕生。それから物として販売するだけでなく、イベントなどに出張して、カルタで遊びながらメンバーの皆さんが自分の体験を語る活動もしてきました。

すると、自分のエピソードがイベントで人気になることで、日々の幻聴や妄想のストーリーが明るくなっていくような変化が現れたのだとか。

それだけでなく、カルタが売れたり、反応が得られたりすることが、メンバーの皆さんの楽しみにもなっているのだと、ハーモニーの施設長、新澤克憲さんが教えてくれました。

初代のカルタを作ったときは、メンバーの皆さんの名前を伏せていましたが、そんな変化が現れてからは逆に名前を出すようにしているそうで。

今回の「超・幻聴妄想かるた」を作ったきっかけの一つにも、メンバーが入れ替わり、自分のエピソードがカルタに入っていない人が増えてきたことがあったといいます。


なんといっても、心をつかまれたのは、この絵です

絵札から読み札を想像してみるのも楽しい

それぞれの読み札のエピソードは、本に詳しい説明が載っています

読んで分かるものもあるけど、分からないものの方が断然多い。説明が気になります


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妄想循環型システム

メンバーの皆さんの暮らしに、いいサイクルを生み出している「超・幻聴妄想かるた」。

そのネタ出しの場ともいえる水曜のミーティングにも熱が入って、盛り上がりを見せているようですが、時に熱が入りすぎてしまうこともあるようで……。

中には妄想を“盛って”しまって、面白いエピソードを足してしまい、後から「実はあれは妄想じゃなくてウソなんだ」と、謝ってくることもあるというから、ほほ笑ましい。

本物の妄想に、ウソの妄想、そして現実の世界もあって、もはや何が何だかややこしいですが……。

でも幻聴や妄想が、現実にはない音や映像を現実として感じてしまうことであるなら、幻聴や妄想とウソとの境界が意識されることは、大きな変化のように思えます。

「就労継続支援B型作業所」という肩書きの付いた施設ハーモニー。この「就労継続~」として活動するには、決まりごとがあって、毎月メンバーに一定の工賃を支払う義務があるそうです。

実は「超・幻聴妄想かるた」は、箱の組み立てや包装などをメンバーの皆さんがすることで、この工賃を生み出してもいます。

つまり幻聴や妄想がカルタになり、そのカルタを作る仕事が生まれ、それが幻聴や妄想を生み出す場を支え、そして新しいカルタが生み出される。

「妄想循環型システム」ともいえるものが構築されているのです。

こんなシステムが世界中で稼働したら、世の中はもっと楽しくて刺激的で、でも優しい世界になるのではないか……。なんていうのは不謹慎な妄想でしょうか?

でもなんだかとってもクリエイティブなことの始まりのように感じて、ワクワクせずにはいられない、「超・幻聴妄想かるた」です。


このセンスはヤバいです

上と同じエピソードを、皆さんで絵にしています

色付けも皆さんで

毎週水曜日のミーティングで使われるホワイトボード。気になるエピソードが満載です