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新しい靴

商品番号tk005502
商品名

ニベレザーシューズ
(NIBE LEATHER SHOES)

価格

ローカット ¥71,820(税込)
ハイカット ¥72,360(税込)

限定数

-

サイズ

25(7)cm-27.5(9.5)cm

素材

牛ニベ革

支払方法

先払い
銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

約3ヶ月

備考

この商品は返品不可とさせていただきます
写真の色は実物と異なる場合があります
天然素材につき一点一点革のニベ感が異なります

バイヤーmikayama

見たことない質感

不思議な質感でしょ?
なにか分かりますか?

スエード?
でも、なんかスエードっぽいねっとりした感じではなくてもう少し粗いざっくりとした、だけど起毛している感じです。単純に毛羽立っている、というんですかね。難しいのですが。

と悩んでいると、この靴の作者の勝川永一さんが答えを。
「この靴はニベ革でできているんですよ。」
やっぱり聞いたことがないです。僕は初めてこの素材の名前を聞きました。

そもそも、革靴の革というものにそれほど深い興味をもってきませんでした。
ツルッとした革と、起毛した革(スエード、ヌバック等)の二種類があるんだな、という程度です。ただ、調べていくとどうもいろいろとあるようです。そもそもの皮の種類もあるし、加工方法によっても風合いが変わる。

そして、「ニベ」。一般的な用語ではないのですが、皮の裏側にある脂肪分や肉を指しています。いわゆる皮(原料)を革(製品用の材料)として使うためにいろいろと加工をするわけですが、まず最初にすることが皮のスライスです。魚の三枚おろしに近いのですが、どんどん薄くしていくんですね。
で、一番外側だったものはツルッとした革。その裏面を起毛させたものをスエード。ツルッとした部分をペーパーで摩擦して起毛させたものをヌバックと分かれていったりする訳です。(本当はもっといろいろあります。調べてみてくださいね。)

> ウィキペディア「皮革」

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この荒っぽい質感
photo:shiori kawamoto

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ハイカットもあります(踵のストライプの帯は現行のものにはつきません)
photo:shiori kawamoto

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この質感が命です
photo:shiori kawamoto


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ニベ革って

さて、本題です。
ニベ革というのはなにか?
上記にあるとおり、普通に売っている靴、というより革製品全般は一番表面の革を使って加工して作るのですが、ニベ革は一番内側の革を使って作ります。
まだ、分からないですよね。。。

人に例えると分かりやすいと思うのですが、まず毛があって、皮があって、脂肪があって筋肉がある。その他にも内側にいろいろ。
人は皮が薄いからアレですが、牛の皮は厚いんですね。だからスライスをするわけですが。そのスライスをしていった一番内側の皮。皮と脂肪や肉が接していた部分というのですかね。そんな一番柔らかい部分を使っているんです。
ここで勘のいい人は分かると思うのですが、この部分の皮はなぜ使われてこなかったのか?柔らかいから、です。革製品は強度がどうしても必要になるのですが、それがこの革はなかなか出せない。だけど、勝川さんはこの革の質感を気に入って、強度と風合いを両立させるためにいろいろな加工方法(例えばこの革は古来からのなめし方法である植物タンニン鞣しを採用しています。これ自体も珍しいんですよ。)を試して、靴に使えるところまでいろいろな人に協力してもらいながら仕上げていったんです。これはこれで本当にまた苦労話があるのですが。これを語りだすとまた長くなるのでまた今度。
とりあえず知ってほしいこと。
このニベ革の靴は本当に珍しい。そういうこと。

と、まあ知ったのは勝川さんに教えてもらったからなのですが。。。
そして、僕もまだ完璧に理解していないからアレなのですが。。。

でもね、これを知ってもらわないと珍しい靴で終わっちゃうと思うんですよ。あんま見ない革だなぁ、ぐらいで。だけど、それで終わっちゃうと本当にもったいないので、薀蓄を長々とやってしまいました。


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底から紐がピロッと伸びています

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かたちはとてもオーソドックス

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ハイカットは価格的にちょっとお得感

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かたちはやっぱりオーソドックス


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理解できないこと

しかしね。
いまだによく分からないのが、これを勝川さんが作ったということなんです。唐突すぎてみなさんは分からないですよね。

勝川さんってすごいゆったりとした人なんです。おしゃれで。なんか飄々とした。ただ、素材を考えるってすごい大変なことなんだろうな、ということも想像できるんです。根本的なところに、そして普通の人には理解いてもらいづらいことに疑問を持たなければいけないから。

しかも、革製品の靴となると歴史もあるし、ある意味かたまった業界であることも想像できる。その中で一人で新しい素材にチャレンジする。これすごいことなんですよ。多分。
「密買東京」内で扱わせてもらっている人に例えると、キリモトさんに近いんですよね。漆を使った新しい表現を考える人。歴史ある業界の中の異端児。

そんなパワーがあるはずなのに、飄々としている勝川さん、っていうことがいまいちまだ腑に落ちなかったりするわけです。

でも、勝川さんはゆったりのんびりキャラの人です。


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こちらは白の靴クリームを塗布したもの

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こっちは黒ですね

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勝川さんはいろいろと塗ってしまいます


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いろいろつけますよ!

さてさて、前置きが異常に長くなりました。

靴の話ですよね。
この靴はそんな珍しい素材を使っているのですが、実際のデザインはすごくクラシックなものになっています。だけど、勝川さんがもともとポールハーデンに師事していたからところどころに遊び心も。ま、これは写真を見てもらう、ということで。

で、デザインということではなく「密買東京」で売るにあたってちょっと考えたことがあります。
というのも、実は僕たちがこの靴に惹かれたきっかけでもあるのですが。勝川さんはこの靴をキャンバスのように使うんですよ。靴クリームで着色を始めるんです。それが、まあ面白い風合いで。履く側の自由な発想で深化していく靴、そしてそれを許容するデザイナー、って珍しいと思うんです。
でもね、これもまた不思議な部分を抱えていまして。というか当たり前のことなんですが、普通の人ってこんなに自由に靴クリームで着色できないじゃないですか。正直怖い。なにが起きるか分からないから。しかも、安いものじゃないですしね。

ということで、「密買東京」独自のサービス。
・靴クリームで好きな色を勝川さんにつけてもらえます。(その後、育てるのは自分でやってくださいね。)

他にも他にも。
・名前入れをしてくれます。(靴底にスタンプで。)
・シューケースとして、オリジナルの袋もつけさせてもらいます。

うーん。夜中の通販みたいになってきましたね。でも、これ全部勝川さんが手作業でやってくれる、って結構すごいことなんですよ。本当に。

あと、もちろんシューケアも勝川さんが実費を頂きますが行ってくれます。本当に素材が見たことないと思うので、なかなか勇気が出ないかと思いますが。質問あったらなんでも聞いてくださいね。


【最後にこの靴の手入れの仕方を少々】
この靴の手入れの仕方はスエードに似ています。
履いた後は、まず汚れをブラシで落として、革をもう一度毛羽立たせてから、スプレータイプのミンクオイルをかけてください。靴クリームで着色している場合は、毛羽立たせた後に靴クリームを塗ってから、スプレーですね。

とにかく、ブラッシングとミンクオイルのスプレーが大事です。もし、必要なら勝川さんのお勧めのミンクオイルも教えますのでご希望でしたらおっしゃってください。


勝川さんのブランド「H?Katsukawa From Tokyo」の最新の情報はこちらをご覧ください。
> H?Katsukawa From Tokyo


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試作品も並ぶ勝川さんのアトリエの本棚

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飄々とした勝川さん

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この手も勝川さん
photo:shiori kawamoto