神々のファッションショー
商品番号 | tk012303 |
商品名 | コレクション005 ボディ |
価格 | コレクション005 ボディ 06 |
限定数 | コレクション005 ボディ:各1点 |
サイズ | ストール リネン ALL アニマル 刺繍 12体 |
素材 | コレクション005 ボディ 06 |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | |
納期 | コレクション005 ボディ:2ヶ月程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | チバ |
予感
うまく言えないけれど...
ここから新しい何かが始まる、という不思議な予感に満ちています。
それは、確信にも似て。
writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)のコレクション。
「神々のファッションショー」と題された今回のコレクションは、「もしも遠い昔、たくさんの動物たちの前で世界で初めてのファッションショーが、神々によって行われていたら」というテーマで作られました。
ショーが行われたのは、writtenafterwardsのアトリエが入っている、台東デザイナーズビレッジという元小学校、その体育館が会場です。
ぎっしりと観客が入り、まるで学生の頃を思い出させるような体育館は、ショーが始まると同時に荘厳な、でもどこか清々しい、神々の世界へと変わりました。
いや、変わったと言っても、何か特別な演出がされていたという訳ではありません。むしろ本当にシンプルに、闇の中、布をまとった神々が光に照らされてゆっくりと現れる。ただそれだけなのに...
きっと、あの会場を埋め尽くしていた人たちは皆、神々の世界へと心をいざなわれて、しばし我を忘れてショーに見入ったのではないかと思います。
そんな感動に満ちた雰囲気が、古い体育館に充満していました。
創造の原点へ
ショーの数日後
writtenafterwardsのデザイナー山縣良和さんに会ったときのこと。
ショーの感動を伝えると、嬉しそうにしながらも、でも「また売るものがないですよ」と、さっぱりした笑顔で言う山縣さん。
確かに。ファッションの世界には全く縁の無いボクでも、コレクションを見たときからそれは疑問に思っていました。
この感動的なショーは、いったいどうやって「商品」に結びついていくのかな? と。
writtenafterwardsのコレクションの表現力の高さ。
それは、ファッションの世界の外にいるボクらにも、充分すぎるほどに伝わってくるけれど、それとは裏腹にこの疑問は大きくなるばかり。
でもそれは、きっと山縣さんにとっては、始める前から分かっていたことなのでしょう。
それでもあえて、創造の原点へと向かった山縣さん。
そんなコレクションの作品を、ボクらのサイトで紹介させてもらいたいと、今回改めて山縣さんに話し合いの機会をもらいました。
そして話題はやはり、コレクションというのは何なのか?という疑問へと向かっていきます。
人の体を使って究極の美を表現すること。
そんな根源的な憧れが、根底にあると思う。と言う山縣さん。
感性や芸術性、あるいは技術の高さを表現するための場であるコレクション。それは、いわば宣伝行為として成立していて、通常の場合、そこに出された服はそれを売って利益を得る、というために作られているのではないそうです。
コレクションを通して発信される、ブランドのイメージやトレンド。そして回ってゆくファッションの世界。
でも、そんなファッションの世界に身を置きながらも、writtenafterwardsが目指している「ファッション」は、それとは全く違う方向を向いているようです。
以前聞いた話の中で、こんな言葉が印象的でした。
writtenafterwardsが目指すファッションのデザインというのは、単に服をデザインすることや、流行を作り出すこと、追いかけることではなくて、人の心を動かしてその人の生き方や社会のあり方までも変えてしまうような、そんなものづくりをすることなんだと。
きっと、それがすでにできているかと言えば...
それは山縣さん自身も否定するのだろうと思います。
すぐに手の届くような簡単な目標ではないし。
でも、あれだけの人の心を揺り動かす力を持ったwrittenafterwardsの創造性をもってすれば、きっと...
と思ってしまう、今回のコレクションなのです。
神様の服の作り方
見る人の心を神々の時代へといざなってしまった、writtenafterwardsのコレクション。
今回のコレクションに当たって、山縣さんが感じていたことが、もう一つあったようです。
それは、巷を賑わすファストファッションの台頭です。
コレクションの世界と対極にあるような、このファストファッションの存在も、山縣さんの目には否定的な意味には映っていないようです。
むしろ、どんな人にも手軽にファッションを楽しめるようになっているということを、興味深く感じているようで...
そんな山縣さんが挑んだ、今回のもう一つのテーマ。
それが、「ファストファッションを超えるファストファッション」。
驚くことに、こんなに表現力豊かな今回の作品は、全てほぼ即興の状態で作られたそうです。
そのために、あえて発表の直前まで作らないようにして、ギリギリの時間で作り上げたという今回の作品。全ての作品は1枚の布から、それも1点の作品に50mほどのロールを1本、まるまる使って作られています。
しかも、切ったり縫ったりという加工は一切せずに、長い布を結んだり、ねじったり、巻いたりという作業だけで、全ての服が作られているのです。
まさに、神々の服というテーマにふさわしい、プリミティブな方法と、そして究極のファストファッションです。
そんな、ファストファッションを超えるファストファッションで、出会った人の心をこんなに動かしてしまう、山縣さんの表現力。
さらにもう一つ。
今回のコレクションと密接な関係にあるのが、前回のコレクションです。
通称「ゴミのコレクション」と呼ばれている、前回のコレクションは、「0点」というテーマをもとに作られました。
「0点」を表現する、0点の素材は何か?
考えた末にたどり着いたのは、学校の卒業制作で出た廃材を使って服を作るという大胆な答え。「ゴミのコレクション」と呼ばれるのは、そんなところから。
ゴミの服から、神の服まで。
その全てにファッションがある。と言う山縣さん。
どちらもある意味センセーショナルで、そして既存のファッション業界に対するアンチテーゼだと、誤解されることも多いというコレクション。
でもそうではなく、writtenafterwardsが目指すのは、これまでファッションが生み出されてきたのとは別の次元にある、新しいクリエイションの形。いや、正確に言えば、ありそうな新しい形。
そこにたどり着くための、純粋な試行錯誤の中にwrittenafterwardsはいるのだと思います。
それが、どんな形をしているのか、どうやって実現できるのか、そしていつ形になるのか...
きっとそれはまだ誰にも見えていないけれど。
でもwrittenafterwardsがそれを目指すなら、いつかきっとそれは実現するのだろう、という予感だけは、確かに漂っているのを感じます。
世界が創造される前の、闇と混沌の中に、小さな光が生み出されるような、そんな情景を想像してしまうのは、今回のテーマが神々だから、というだけではない気がします。
そして、神様のお下がり
「売るものがない」と言っていた山縣さん。
でも実はこんな商品を作ってくれています。
「神さまからの贈り物」
という副題のついた今回のコレクション。
その通り、神さまから贈り物です。
というか、お下がりですね。
上に書いたように、50mの布を切らずにそのまま着せた、神様の服。ショーで本当に神様が着ていたその布が、ストールになりました。
もちろん、元の神様の服が1点ものということは、そこから作られるストールにも数に限りがありますので、数量限定の商品ということになります。
そんな中でも、特に神を感じるのがスーパーシフォンという布で作られたストールかもしれません。
まず、手に持った瞬間に誰もが驚くはず。
重さがほとんどありません。
そんな奇跡の布は、見た目にもほとんど透明ですが、墨流しという技法で薄っすらと虹色に染められています。まるでシャボン玉がそのまま布になったような、優しさと美しさが幻想的。
他にも、布として特徴的なのが黄色や緑、ピンクの糸が、まるで花咲くように散りばめられている、クロスジャガードというストール。
クロスという名の通り、実は花のように糸が出ている部分は、十字にウールの糸が織り込まれていて、その糸を後から切ることでこんな表情が生まれています。
これは、大きいサイズを羽織るのが比較的神っぽいかもしれません。
ボクも挑戦してみましたが...
これは一旦忘れましょう...
でも素敵男子なら、男子でも素敵に着こなせると思います。
それから、今回のストールでは刺繍作家の有本優美子さんの手がけるブランド「sina」とのコラボレーションで、いくつかのストールが作られていて、先ほどのスーパーシフォンにも動物の刺繍が入っています。
さらに、そんな動物の刺繍が12体も入っているのが、リネンのガーゼで作られたストールです。
刺繍は有本さんが一つ一つ手で入れるそうで、しかも動物がグラデーションで表現されています。このグラデーションも使う糸がグラデーションなのではなくて、単色の糸を使ってグラデーションが作られているというから、気の遠くなる作業です。
ここに刺繍されているのは12種類の動物たち。神々のファッションショーを見に来たけれど、つまらなくて寝てしまった、というストーリーに合わせてどれも眠った姿で刺繍されています。
そして最後に、ピンクの模様が格子状に入った、シルクのストール。
これは、黄色に染めたシルクを、伝統技法の板締めという技法で、格子模様に染めたもの。
板締めは絞り染めのような技法ですが、折りたたんだ布を板で挟んで染めるため、板で挟まれた部分は染まらずに、格子状の模様が染め上がります。
どれも、実際にショーで使われた布を、手に入れて、そして身にまとうことができるという、かなりレアな商品です。
神々に思いを馳せながら、使っていただければ...
そして、これまでに密買東京で取り扱ってきたwrittenafterwardsの商品も、引き続きご購入いただけます。
シーズンで終わってしまうのではなくて、定番も大事にするのがwrittenafterwardsの素敵なところ。
こちらも、ご覧いただけたら嬉しいです。
そして、もちろんwrittenafterwardsのホームページも。
writtenafterwardsの商品はこれからも登場の予定なので、お楽しみに。