じんわり夢中
| 商品番号 | tk015803 |
| 商品名 | with 4 |
| 価格 | 12 plate:¥3,080 |
| 限定数 | - |
| サイズ | 12 plate:φ123mm×H32mm |
| 素材 | 磁器 |
| 支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
| 送料 | 一覧表をみる > |
| 納期 | 1週間程度 |
| 備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
| バイヤー | チバ |
呼ばれてる
初めての出会いは、少し距離をおいたところから。
なのに、この器はすごく気になる何かを放っていて。
なんでだろう?
そう思って近づいてみたのです。
普通の形? 普通の色?
でも、なんでこんなに気になってしまうのかな? と。
近づいて、手にとって。
それからです。
じわじわと、じわじわと
今はもうこの器に夢中です。

この質感に心奪われました

24 plate
平らではなくて、底をラウンドさせることにこだわった形

柔らかいけど深い陰影は、釉薬のしわざ

エッジの部分は釉薬が溜まって、さらに深い色合いに

ちょっと夢中になりすぎ...?
でもこのザラっとした質感の風景が素敵です
![]()
吸い込まれる...
手にとってすぐに分かりました。
この器に引き寄せられた理由。
写真でうまく伝わっているでしょうか?
たぶん半減、もしくはそれ以下...
数百枚じゃきかないぐらい。
あんなに撮ったのにこれだから、ちょっと悲しいけど。
最初、惹きつけられたのは、不思議なこの陰影。
ここだけ霧がかかったような、やわらかい印象。
なのに深いこの陰影は何だろう?
と、思うより先に足が前に出て。
近づいてみて、その秘密が分かりました。
全体を覆っているのは、粒子を感じる不思議なベール。
まるで昔のモノクロ映画みたいな、しかもちょっと霧のかかったシーンのような、ザラっとしたあの質感です。
見渡す限りの、無数の粒子。
と思ってしまうのは、すでに目がお皿に近づきすぎている証拠ですが... この粒子の作り出す風景に、目がどんどん吸い込まれて、もう抜け出せなくなりそう。
実はこのサイトでは度々告白していますが、個人的にこういう微細なテクスチャの世界には、本当に引き込まれてしまう質なんです。
それは今回も例外ではなくて...
目は粒子の間をうろうろと、この陰影の作り出す見たことのない風景に迷い込んでしまいます。
その風景は、以前体験したジェームズ・タレルのインスタレーションさえ思い出させて。

14 hachi
下の方のエッジ(外側)と、高台がキリッとした表情

内側はラウンドする形に沿って、緩やかに陰影が変化します

高台の縁にオレンジの「こげ」と呼ばれるラインが出ていて、とてもキレイ
![]()
秘伝のレシピ
と、すっかりマニアックに楽しんでいて紹介が遅れました。
実はこの器、密買東京にも度々登場してもらっているイイホシユミコさん(yumiko iihoshi porcelain)の作品。
そして、ボクを虜にしているこの魅惑の釉薬は、イイホシさんの秘伝のレシピです。
イイホシさんのモノ作りの考え方は以前も紹介しましたが。
それは、「手作りのものは手跡が残らないように、プロダクトのものは味気ないものにならないように」というもの。
その作品は、イイホシさんが自分の手で作るシリーズと、外部の窯元に委託して作るシリーズの、2つに分けることができます。
今回のこの「with 4」のシリーズは後者。
有田焼の窯元で、型作りから、焼くところまで全てを行っています。
でもこの魅惑の釉薬は、元々イイホシさんが手作りの作品に使っていた釉薬。
だから工場で量産してもらうのは無理だと、今までは使っていなかったそうです。それが、今回の窯元の職人さんたちが持つ高い技術力で、見事量産で使うことに成功!
とは言え、そこには別の苦労もあって...
実はこのwith 4。
面の角度や、エッジの形などによって釉薬の濃淡が生まれて不思議な陰影のように見えます。でもそれ以前に、釉薬自体も色の濃淡が出やすいものなので、同じ面の中でも濃淡が色々な形で出ています。
それが、霧の中の風景のようで、なんとも言えない表情を生んでいて、とても魅力的。
しかも同じ形の器でも、釉薬のかかり具合で色の濃さや、表情が、ひとつひとつ違います。
もちろん、それも楽しみの一つ。
「プロダクトのものは味気ないものにならないように」というイイホシさんの考えを、まさに実現しているシリーズなのです。
が...
工場の職人さんにはそれが気持ち悪い。
均一に仕上げるのが俺の腕。それこそが商品の価値。
そうやって仕事をしてきた職人さんたちにとっては、きっと仕事をした気にさせてもらえない歯痒さが、たまらないのでしょう。
そこをグッとこらえて、均一にしない。
そうやって、「手作りとプロダクトの境界にある食器をつくる」というイイホシさんの思いを実現した、この表情のある器たちが作られています。
境界に揺らめくこの風景は、きっとボクみたいなマニアックな人間だけじゃなく、皆さんにも楽しんでいただけると思います。

17 hachi
実は意外なあれを盛り付ける想定で...

モノクロ映画の霧のかかったシーンのよう

弟の14 hachiとは同じ深さで大きさ違い

裏のwith 4、そしてyumiko iihoshi porcelainのスタンプも器の表情と良く合っています
![]()
ところで、with 4?
ついテクスチャの話に熱が入ってしまうのが悪い癖。
でもこのwith 4は、その形にもイイホシさんのこだわりが詰まっています。しかも、説明しないと絶対に分からないようなこだわりも。
そこがイイホシさんのかわいらしいところでもあります。
イイホシさんの器にいつも隠されているストーリー。
本当はそれを嬉しそうに説明するイイホシさんが、なんとも無邪気でかわいらしいので、それを見てもらえないのは残念ですが...
実はこのwith 4は、この4つで全ての食事がまかなえるように、と考えて作られたシリーズ。
っていうと、こう思うかもしれませんね。
パスタと、スープと、サラダと、小さいのは...何だろう?
って。
でも、とんかつなんです。
そして、刺身にご飯。
とくれば、小さいのは醤油やお新香。
和食!?
しかも、刺身!?
あ、刺身のところは煮物とかでもいいみたいなんですが、とにかく和食で。
いつもカフェの食器とか作っているイメージだし、日本っぽくない感じも魅力なイイホシさんなので、本当にビックリしますが、当のイイホシさんはいたって真面目。
こんなとこが、たまらないです。
でも和食なのは本当で。
その証拠にいつもは器に高台を作らないイイホシさんが、どの器にもちゃんと高台を。だから、熱いものを入れたときも、器を手に持って食事ができる、というわけです。
しっかりボリュームのあるその高台のデザインには、なかなか苦労したそうですが、それを形にするのにも、窯元の職人さんたちの技術が注ぎ込まれているみたいで。
イイホシさんがこだわったのは、どの器にも底の部分にきれいなラウンドが出ること。
和食だから、煮物とか醤油とか汁のものを入れるし、この方がいいでしょ? と。
でも、それを形にするのは、技術的にはわりと大変みたい。しかも今回みたいにボリュームのある高台をつけるときは、特に。
それを実現してくれる優秀な職人さんたちとの、ハッピーな出会いで生まれたこのwith 4。
他の食器はもう要らない!
とまでは言わないけれど、毎日の食卓で素敵に使ってもらえたら嬉しいな、と思います。
もちろん、イイホシさんの意図に反して、洋食に。
なんていうのもありだと思いますし...
そして、これまでに密買東京で紹介したイイホシさんの作品と、イイホシさんのホームページも、この機会に是非。
> YUMIKO IIHOSHI PORCELAINのポット
> おもちゃのコップ
> 手づくりと大量生産品の間
> VOYAGE
> yumiko iihoshi porcelainのホームページ

12 plate
いちばん小さなこのお皿は...

小さい中にも、豊かな表情があります

醤油を入れてみましょうか

with 4 ずらり勢ぞろい
左から、とんかつ、刺身、ご飯、醤油
色の濃さは、サイズによる違いではないので、同じサイズでも表情や色の濃さは様々です