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長い旅 - 100年の壁 -

商品番号tk017103
商品名

100年の壁

価格

w11-01-0年:¥44,000
w11-01-100年:-
w11-03-0年:¥37,400
w11-03-100年:-
w11-07-0年:¥48,400
w11-07-100年:-
w11-08-0年:¥30,800
w11-08-100年:-
w11-09-0年:¥63,800
w11-09-100年:-
w11-10-100年:-
廃墟のようなカバン 2011:-
 
※全て税込価格

限定数

サイズ

w11-01:
 W310mm×D100mm×H350mm
 (handle:500 - 1000mm)
w11-03:
 W370mm×D20mm×H350mm
 (handle:520mm)
w11-07:
 W470mm×D100mm×H310mm
 (handle:590mm)
w11-08:
 W380mm×D120mm×H150mm
 (handle:520mm)
w11-09:
 W620mm×D200mm×H240mm
 (handle:580mm)
w11-10:
 W530mm×D180mm×H370mm
 (handle:300mm)
廃墟のようなカバン 2011:
 W580mm×D50mm×H600mm
 (handle:500 - 1000mm)
 
※0年、100年共通
※サイズは加工の性質により誤差が生じる可能性があります。

素材

レザー(牛革)、他

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

無料

納期

1.5 - 3ヶ月程度

備考

2013年2月末で100年(50年)バージョンの受注を終了します。
 
この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。
注意事項等については、本文も必ずご確認ください。

バイヤーチバ

そうだったのか!

ちょっとした思い違い。
それは、かなり嬉しい誤算でした。

すでに、密買東京に無くてはならない存在となった、カバン作家のカガリユウスケ氏。

届いた2011年のコレクションのDMに心躍らせつつ、しかし、これはたぶん密買東京では紹介できないだろうなと、ちょっと寂しい気分にもなっていたのです。

そんな気分で向かった会場は、カガリくんのアトリエ兼ギャラリーでもある、お馴染みのP2G(pilot program gallery)。

一歩そこに足を踏み入れると...
見慣れた白いギャラリーの姿はそこになく、床は土で覆われ、壁や天井からはツタ状の植物が伸びる薄暗い空間。そして、腐食した工場の壁のようなカガリくんのカバンが、光を浴びてそこに吊るされていたのです。

出迎えてくれたカガリくんとの挨拶もそこそこに。

「このまま使えたらかっこいいのにね...」

ため息混じりに、そうつぶやいてしまいました。

でもその瞬間、いつものように飄々と返してきたカガリくんの一言は衝撃でした。

「いやー、普通に使えますよ。」

マジで?!

「100年の壁」
いきなり、こんなインスタレーションが待ち構えていました。

廃墟のようなカバン 2011

実は巨大です。でも、持つとかなりかっこいい。
今回のモデルはカガリくんのアシスタント小川くんです。身長178cm(2011年現在)。小川くんも結構大きいです。

静かだけれど饒舌な、100年後の世界。


dot_line.gif

壁の時間

「壁を持ち歩く。」
というテーマで作られる、カガリくんのWALLシリーズ。

不幸にも、まだカガリくんの世界に触れていない方は、これまでの作品も含め、この機会に是非。密買東京でもレギュラー的に度々登場してもらっています。

革の上に、本来建材であるパテを塗りたくり、作られたカバンはまるで外壁さながら。いや、作られた瞬間の壁に外壁も内壁も無いのだろうけど、カガリくんの作る壁は、どことなく外壁で、そしてグングンと外壁化していきます。

でも、カガリくんも敬愛する「壁の本」の作家杉浦貴美子さんも言うように、本来垂直面である壁に訪れる変化の時間は、ゆっくりとゆっくりと進行するのが常。それが深い味わいを生み出します。

対照的に、カバンとして持ち運ばれるカガリくんの壁は、移動が時間の経過を加速させているかのように、あっという間に風景と一体化していきます。その表面に、持つ人の動きを記録しながら。

その向かう先は、廃墟的で静かな美。

カガリくんは、そんな風に変化する自身の作品を観察し、記録を残しているので、一度見ていただくと面白いと思います。

> 形状劣化

そんなカガリくんが今回のコレクションに当たって招聘した刺客。それがアーティストの秋葉舞子(maico akiba)さんでした。

通常0年から始まる時間進行は、いきなり暴力的に100年にその目盛を進められてしまいます。

そこに現れるのは、どこか懐かしく、退廃的で、でも未来的な匂いのする世界。

時間も、質量も、質感も、変位してしまったかのようなこの壁が、これからどんな風に時を進めるのか。それは、まだまだ未知数ですが、きっとそれを持つ人によって、その速度も方向も違ったものになるのだろうと予想されます。

場合によっては、一時的に時間の進行が逆転する可能性さえあって。

今回の「100年の壁」のシリーズは、まだ「形状劣化」のページには入っていませんが、すでに名刺入れとして、カガリくん自身が数ヶ月使ったものがあるので、サンプルとして写真を載せておきます。(一番下の画像)

確かに。
全然使えています。

 
(2017年6月更新)
100年の壁は「都市型迷彩」として生まれ変わりました。
> 都市型迷彩2017

 
密買東京で紹介しているカガリくんの作品は、こちらから。

> 発光する壁
> 壁をまとう
> 導かれた立体
> まさかの巻きもの
> リペア魂 × Dr. カガリ
> 外壁を携えて
> このバック繊細かつ獰猛につき
> 視覚交換作戦
> 外壁を携えて - 100年の壁 -


w11-07
100年と0年。このw11-07は1ハンドルと2ハンドルが選べます。1ハンドルの方が肩から落ちにくく、なで肩の人にお薦めだそうです。

w11-09
100年と0年。これはリアルにかなり活躍しそうです。


dot_line.gif

秋葉舞子さんの100年

ウワサには聞いていた秋葉さんの「仕事」。
チラリチラリとその作品を散見する機会もあり。
その静かな美しさに、かなり心惹かれていたのです。

でもそれが誤解の原因でした。
見て楽しむ作品なのだと、なぜか勝手な思い込みがあって。

100年後をテーマにした作品を作っている秋葉さん。

プラモや模型を作っていた諸君なら、一目であれだ!とお分かりでしょう。エイジング、あるいはウェザリングと呼ばれている技法と出会ってしまったのが、秋葉さんが100年後のシリーズを作り始めたきっかけでした。

というか、本当にエイジングの教則DVDとかを見ながら習得した技術をベースにして、苔むしたような表現などオリジナルで加えつつ、100年後の世界を表現する術を体得していったというから、なんだか微笑ましいというか、秋葉さんらしいというか。

どちらかと言うと、ライブ感を表現するのに使われることも多い気のするエイジングの表現手法ですが、100年後を表現する秋葉さんの世界は、すでに動きを止めた物たちが、朽ちてゆくのを待つような、静かで美しい世界です。

それは、静かだけれど時に饒舌な動かない壁に憧れるカガリくんの作品とも、完全に同期する世界観と言えそうで。

そんな、静かな世界の中で際立つ存在感にすっかり魅了されて、完全に見落としていたのです。よく見れば、秋葉さんのホームページにも、いくつかの作品の下に書いてありました。

「※実際に使えます」

それは、今回の100年の壁も同様に!

「100年の壁を持ち歩く。」
そのあり得ない光景の出現によって歪む時空のねじれは、いったいどんな風に受け止められるのか?楽しみでなりません。

何しろ、自分用にもすでに1点オーダー済みなので。


w11-10
この形は100年(と50年)のみ。建築や大型船を彷彿とさせる立体と、エイジングの関係にハッとさせられました。

w11-03
50年と0年。両サイドのWALDES zipperがデザインのポイントになっています。


dot_line.gif

リクエスト受け付けます

使えます。
そう言われても、にわかには信じがたく。

でも、エイジング加工の上からコーティングを施された100年の壁は、実際に手に取り触れると、意外なほどにしっかりとして。

特に頼りなさげな苔の部分でさえも、コーティングはその威力を発揮して、しっかりと定着している感じです。

とは言え、ベースはしなやかな革の上に塗られた硬質なパテ。このベース自体が動くにつれてヒビ割れもするし、ときに剥がれ落ちたりもする。苔の部分もある程度は薄くなったりするようで、部分的に欠け落ちたりということも。

それも含めて、100年のその後を味わってもらえたらと思います。

そう、ここまで100年と言ってきましたが、実は今回の「100年の壁」ではエイジングの加減を選択することができるのです。

100年か50年。
さらに、エイジングされない0年もあるので、3タイプから選んでご注文ください。100年と50年の違いはと言えば、簡単に言うと苔が生えているかどうかの違いです。(値段は同じです。)

そして、密買東京では受注制作の形でオーダーを受けますので、納期を少し長めにいただきますが、エイジングの具合についてリクエストを受けることが可能です。

あまり厳密な指示は受け付けられませんが、錆を多めでとか、苔を少なめにとか、雨だれをたっぷりとか。

全体の汚れも、黒系がいいか、茶色系がいいかという選択が可能です。(写真のサンプルは黒系の汚れが多くなっています。)

そして、最後に。
実は今回(2011年)の「100年の壁」には、もうひとつの100年が組み込まれているのです。

それは、今からおよそ100年前に作られた、世界で最初のジッパーの復刻版。WALDES zipperのクラシックジッパーです。

「鷹の爪が食い込む如く噛み合う」という通り、デカくて無骨な爪がひとつひとつ噛み合っていく様は、かなりの迫力。

この三者の遭遇はかなり奇跡的でしょう。

ただし、さすがに世界初のジッパーだけあって、一筋縄では飼い慣らされない手強さもあります。滑らかな開閉にはコツが必要で、使ってみるとここから100年、今のジッパーは確実に良くなっているのだと実感できるはず。

今回は、このクラシックジッパーと通常の今のジッパーのどちらかから選択が可能になっています。

ただし、これは今シーズンのみの期間限定。
来期以降は仕様が変わるか、価格に差が出る予定になっていますので、この無骨な装備を楽しみたいならお早めに。

今回のコレクションでは、クリエイターからディレクター寄りに軸足をずらして、迫力の世界観を作り上げたカガリユウスケ。

その作品は、きっと皆さんにも楽しんでいただけると信じてます。

 
最後に、それぞれの世界観をさらに深く知っていただくべく、こちらの入り口から覗いてみていただければ。

> カガリユウスケ
> P2G - pilot program gallery –

> maicoakiba web : 秋葉舞子

> クラシックジッパー(WALDES zipper)


w11-01
100年と0年。直線的な造形は建築的で、エイジングと相性が良いようです。

w11-08
50年と0年。これは女性サイズ。小川くんには小さすぎます。

数ヶ月使った名刺入れ。動く部分のパテや苔が多少割れたり欠落したりしてますが、全体の雰囲気に合っているので馴染んでいます。