Englishカートを見る

壁をまとう

商品番号tk027603
商品名

壁布

価格

¥24,200(税込)

限定数

サイズ

w2,000mm×h1,460mm

素材

ポリエステル100%

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

無料

納期

2ヶ月程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。

バイヤーチバ

壁を偏愛する男

カバン作家のカガリユウスケ。
「壁を持ち歩く」というコンセプトを掲げ、カバンを作り続ける彼は、まるで左官職人のように、建材のパテを皮に塗り込め、小さな建築とでもいうべき物体を作り出します。

そこでいう「壁」とは、ガラスやステンレスで構成されたそれではなく、ビニルクロスで覆われたインテリアの壁でもありません。

カガリくんが偏愛する壁は、時に半世紀以上の歳月を重ね、雨だれが染み付き、塗装はひび割れ、すすけたような壁。

時間の堆積によって刻まれる、枯れた表情を浮かべる壁の美しさに惹かれ、恋焦がれた末にたどり着いたのは、その壁を所有し、持ち歩くという作品でした。

壁布「墨田」

「墨田」を着用した状態。断片的に見えるテクスチャは、物質性を感じさせず、複雑な模様のテキスタイルという見え方に。

「墨田」の元画像
拡大画像はこちら。


dot_line.gif

壁になる

そんなカバン作家が作る布。
それは彼がこれまでに撮りためた、無数にある壁の写真から、この作品のために選ばれた数点を、生地に転写したものです。

眺め、偏愛し、そして持ち運ぶに至った壁。
そんな壁で体を覆い、自らを壁に擬態化、同化するのだと言わんばかりに、大判の生地で作られたのが、この「壁布」なのです。

ところで、壁の写真といえば、このサイトを以前から見てくださっている方は、あのすばらしい写真集を覚えているかもしれません。

その名も「壁の本」。
惜しくも重版が途絶えてしまいましたが、密買東京でも度々登場してくれている、杉浦貴美子さんの作品集です。

> 壁の入り口

壁を偏愛する仲間でもある二人は、もちろん親しくしていて、カガリくんにとって杉浦さんは敬愛する人物の一人。

杉浦さんも、壁のハンカチを作っていますが、リアルな壁のサイズでプロダクト化した点は、さすがにプロの作家、カガリくんが一枚上手でした。

プリントのクオリティも高いので、壁好きとしては身に着けるだけでなく飾ってみたくもなりますが、壁に飾るのかというと、ややグルグルとした循環に陥る気がしなくもありません。


「福岡市天神」
かなり大きいので、首に巻くとボリュームが出ていい感じ。

「福岡市天神」
拡大画像はこちら。

「人形町」
拡大画像はこちら。

「人形町」


dot_line.gif

壁に触れる

時を重ねることによって生まれる深い味わい、そして時折見せる予想もつかない表情の意外性。それが壁の美しさです。

壁写真家である杉浦さんはそれを、垂直面だからこそゆっくりと時間をかけて進行する変化の美しさなのだと言います。

しかし壁好きにとっても、その壁が頬を寄せたい対象であるかと言われると、それはかなり厳しいでしょう。

むしろ、美しい壁であればあるほど、肌が接触することの難しさは増す傾向にありそうです。

そんな壁の写真を、スカーフのようにしなやかな生地へとクオリティ高くプリントしてあるところも、この壁布の面白さかもしれません。

ハラリとほどけるきめ細かい肌触りと、透けるような繊細な薄さ、そしてそこに転写されたザラつくモチーフのミスマッチ。

首などに巻いた時に現れる断片的なテクスチは、もはや物質性を感じさせず、複雑な模様と色合いのグラデーションとして面白い表情を見せます。

あ……、見てお分かりの通り、6点中1点は壁布という名に反して、見上げの写真となっております。こちらは、前回紹介した2015年のコレクションテーマである幾何学的な展開から。

> 導かれた立体

それ以外のカガリ作品も、これまでたくさん紹介してきていますので、こちらから一気にどうぞ。

> 都市型迷彩2017
> 発光する壁
> まさかの巻きもの
> リペア魂 × Dr. カガリ
> 外壁を携えて
> このバック繊細かつ獰猛につき
> 視覚交換作戦
> 外壁を携えて - 100年の壁 -
> 長い旅 - 100年の壁 -


「浅草橋」
拡大画像はこちら。

「小伝馬町」
拡大画像はこちら。

「泉佐野市」
実はこれだけ壁ではなく、鉄塔の見上げ写真。
拡大画像はこちら。

「泉佐野市」