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心意気

商品番号tk023402
商品名

香川黒1号 かがわどくろ

価格

¥1,620(税込)

限定数

-

サイズ

W117mm×D119mm×H32mm
(内容物:20g 2袋)

素材

大豆(着色料保存料不使用)

支払方法

銀行振込・クレジットカード決済(PayPal)

送料

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納期

1週間程度

備考

この商品は返品不可とさせていただきます。
写真の色は実物と異なる場合があります。
国内自社工場製造品となります。
本品製造工場では、小麦落花生大豆を含む製品を製造しています。

バイヤーmikayama

二番煎じ?

きっかけはお馴染みの高橋信雅さんでした。今度、黒どくろを作るよ、って。多分普遍的なモチーフとして高橋さんはどくろを使っていると思うんだけど、どうしても高橋さんから「どくろ」ときくとヌーベル和三盆の白どくろを思い浮かべるじゃないですか。密買的には。
で、あんまり高橋さん自身がシリーズものというか、嫌な言い方をすると二番煎じ的なものを作るイメージがなかったので、なんか腑に落ちないというか。そういう感想を持っていたんです。しかも、同じ香川。今度は豆。

でもね。そこに数年にわたる信頼みたいなものは当然ありまして。この人ははずさねーぞ、的な。とりあえず行ってみようと思ったわけです。現場に。

黒どくろ

蓋をあけると

香川黒1号

どくろ型の焼いた大豆が入ってます


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体育会系な豆の話

現場は香川県の仏生山温泉の近くにあります。というか仏生山温泉の番台岡さんと、この豆を作っている筒井さんは従兄弟同士で。もちろんこういう土地柄だから家も近くで。高橋さんは岡さんと元々仲良しで、そんな関係もあって高橋さんは今回豆のデザインに取り組むことになったわけですが、、、

前置きが長くなりました。ここからが本題。
僕が本当に美味しいと思った豆の話。
行ったのは現場「筒井製菓」。創業から60年を経ている老舗豆菓子製造メーカーです。でも、多分この老舗の歴史はちょっと変わっていて、、、初代の社長は元軍隊。二代目は元自衛隊。現在社長の三代目筒井朋章さんは元社会人野球選手。バリバリの体育会系。多分、というかとりあえずお会いできた二代目、三代目は笑顔が素敵なすごく真面目な人たち。

この人たちが手作業で豆を焼いたり、揚げたりしているのですが。ここで使われている機械も全部初代の自作。なんかすごいでしょ。手元が器用だったという話なのですが、そんな理由で機械を作れないじゃないですか。普通。
で、その機械が今でもすごく優れているようで二代目、三代目とメンテナンスしながら受け継いで使っています。

あ。さらっと変な表現をしてしまいました。手作業で機械。
実際に手作業で機械で作っているんです。というのも、通常というか普段僕たちが目にするような節分の大豆って、ものすごく大きな機械で作られているんですね。乾燥した豆を大量に入れて焼く。当たり前にそんなに味見とかもしなくて、全体に完全に火が通った状態で完成。というか、大部分が火の通り過ぎ。というのが今僕らが節分の時に食べている豆の実態だそうで。そりゃ、豆の甘さみたいなものや水分は全部吹っ飛んでる。ぱさぱさ。

じゃあ、どうするか?
少量で万遍なく火を通せる機械で、小まめに味見をしながら焼く。すごいアナログな方法だけど、下ごしらえ状態が天候によって変わる豆に対応するためには、この方法しかないらしくて。

実際に見せてもらったんですけど、本当に15秒おきぐらいに味見してるんですよ。ここだ!みたいな火加減を見極めるために。これがびっくりするんだけど、ガンガン火を通してる豆の味見ってどうするか?まあ、手を突っ込んで豆取り出すんだけど、これが軍手してようが異常に熱い!!それをなんか本当に小まめにやりながら、美味しい豆を真面目に焼こうとしている。

しかもですよ。
食品加工の表示のルールが僕からするとちょっと変で。。
例えば、加工用そら豆の原料は中国産のものが一般的で。これには理由があって1,500m以上の高地だと豆類に発生しやすい虫が発生せずに結果的に無農薬でも栽培できるから。(中国の全ての豆類が無農薬というわけではないと思います。)で、豆を輸入して日本で売っている。これが基本的な話なのですが。裏側の食品表示の部分に僕からしたら嘘に見える部分があって。
まずルールとして①関税は生豆と加工済みの豆だと加工済みの豆の方が安い。②食品表示欄に日本加工食品と書くためには袋詰めだけでも行えばよい。
これを普通に足してビジネス的に考えると中国で生産した豆を大量に焼いて日本に輸入して袋詰めを行い日本での加工食品として販売する。これが一番儲かる。どの会社がこれをやってるとかそういうことはよく分からないのですが、どうも業界的にはこれが大多数らしくて。

その中で筒井製菓では生豆で輸入を行って、自社の冷蔵庫で保管して、その日に焼く分だけ下ごしらえを行って、丁寧に焼く。とにかく真面目。でも、食品表示欄は上記のケースと変わらない。豆は中国産、日本加工食品。同じ。

だけど結果は明白で豆嫌いの自分でも食べられるシンプルな豆が出来上がる。なんかとにかくすごいんです。


原料の香川黒1号

見た目からは分かりづらいですがすごく熱い大豆の味見中

焼けたら取り出して

冷やして検品


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賢い二番煎じの使い方

さて。
この黒どくろ。
パッと見にはそんな真面目な大豆が入っているように見えません。でも、本質的に重要なのは今回に限っては圧倒的に豆の方。

でもね。筒井さんはこういうシンプルなお菓子を真面目に作ってきた多分全ての人が抱えているであろう悩みがあって。世間の流れと自分の作り出す商品が折り合っていない、正確に伝わっていない気がする。なんかそういうこと。
だから岡さん経由で高橋さんに悩みをぶつけてみた。そして、この黒どくろが出来上がった。高橋さんの今回行っているのはパッケージのデザインというよりは導線のデザインの方で。ある種、有名になった和三盆白どくろと似た黒どくろにすることで、僕らみたいなすでに白どくろを扱っているお店も取扱いしやすいし、お客さんとしても通常のシンプルな袋の大豆より、この方があげたり受け取ったりした時に満足度が高い。お土産としても使いやすい。人に伝わる。

二番煎じを同じ事業体で単純な商売として行われてしまうと一作目売れたしね、で終わってしまうのですが、今回の試みは「香川のお土産」「どくろ」という部分だけが共通していて。そのおかげで導線が共有できて、結果的に違う商材を他の人に知ってもらうきっかけ作りになって。ある種、二番煎じ的な状況を逆手に取ったりしていて。賢いなぁ、って。


これも自作の機械。不良品の豆を選り分けるらしい。

豆屋さんらしからぬ工具の数々

畑の真ん中の筒井製菓 copyright by GABOMI

筒井製菓の人たち copyright by GABOMI


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なぜ?

ここまでは納得しました。
最初に二番煎じと思ってごめんなさい。

でも、僕には最終的にまだ首をひねってしまう部分が一つだけあって。

この豆自体、香川県の農業試験場が2007年に開発した「香川黒一号」という名前のオリジナル新品種で。豆自体が香川県の肝いりなんですね。でも、全国的な知名度、そして価格がついてこないと地元の生産者が増えない。売れないから。開発だけ行ったものの廃れてしまう。だったら豆加工業者の筒井さんが販路開発に一肌脱いでやるか!という熱い思いの結果の産物だったりもします。

なのに、というのも変なのですが、高橋さんからこの黒どくろが完成したときに送られてきた資料があって。そこにこの黒どくろが生まれたきっかけは「香川黒一号」→「香川黒」→「かがわくろ」→「かがわどくろ」でいいじゃん!みたいなことが書かれているんですね。要はダジャレ的に生まれているんですよ。これ。

高橋さんが軽やかに上みたいな想起をして、賢く導線を作って。そこまではイメージできるんです。そういう人だから。だけど、なぜ真面目な筒井さんがそこに乗っかったのか?それが分からなくて。

この黒どくろ。普通に作るより数倍大変なはずなんですね。中袋も変な加工しているし。どくろの顔に見えるようにどくろ型の黒大豆の目の部分に白大豆が2個入っているのですが、この白大豆をピンセットで二代目や二代目奥さん、、要は家族でピンセットで入れて封閉じて作ったりしているんですよ。
想像してくださいよ。畑に囲まれた老舗の豆菓子屋さんで家族総出でピンセットでどくろ型になるように豆詰めてるんですよ。初めは難しかったけど、最近は親父もうまくできるようになったんです。とか言って笑っているんですよ。
そのきっかけがダジャレってよく分からないじゃないですか。

でもね。
「やってみようと思ったんです。」
筒井さん。そう言ったんです。

やばい。これ紹介しなきゃまずいわ。って。


なんというか、そんな商品です。

まあ、とりあえず食べてみて下さい。もし、僕が言っていることを信用できるのなら、そのまま筒井製菓のホームページに飛んでって、シンプルな豆買っても良いと思います。材料が違うけどやっていることが一緒で、パッケージない分安い。
こういう食べ物って何言っても結果的に食べるという行為には負けてしまうものだと思うので。とにかく。

そしたら伝わると思うんだよな。
旨いんですよ。この豆。

筒井製菓の他の商品に関しては下記をご覧ください。
> 豆菓子屋.COM

ヌーベル和三盆白どくろは下記をご覧ください。
> すれちがう想い

後半の写真を撮っているGABOMIさんは香川高松の写真家です。
> GABOMI PHOTOGRAPHY


三代目筒井朋章さん copyright by GABOMI

社会人野球選手時代

二代目のお父さんお母さん copyright by GABOMI

やんちゃな高橋信雅さん copyright by GABOMI