折りたたまれた未来
商品番号 | tk029003 |
商品名 | FILM BORDER CAPE BLOUSE |
価格 | FILM BORDER CAPE BLOUSE: |
限定数 | 購入ページでご確認ください |
サイズ | |
素材 | FILM BORDER CAPE BLOUSE: |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | 無料 |
納期 | 2017年2月頃 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | チバ |
雄弁な沈黙
「SILENCE」というテーマを掲げたANREALAGE(アンリアレイジ)の2017 S/Sコレクション。
「静寂」を意味すると同時に、「沈黙」という意味も持つこの単語。デザイナーの森永邦彦さんがそこに込めた思いは、後者にありました。
しかしそれは、単に黙して語らないという意味ではありません。時に、いくつもの言葉を重ねるよりも雄弁に、強度を持って、意思や精神を伝える、沈黙。
それは自身の表現にとって、ひとつの理想形でもあるのだと語るその思いには、森永さんを知る人であれば、誰もが納得するところでしょう。
拡張現実
そんな思いを、ファッションで表現するため、今回のコレクションで選ばれたのがAR。つまり「拡張現実」の技術です。
普段は静かな存在である服。そこに描かれた図形が、ARのマーカーとしてトリガーになり、プログラムが呼び出されると、肉眼で見るのとは別の、服の新たな一面が描き出されます。
その様子は、このサイト上でも追体験できますので、お試しあれ。
まずはこちらにアクセスしていただいて、専用アプリをインストール。
右の画像をクリックして拡大表示し、iPhoneやiPadでアプリを通して服を見ると、ARが立ち上がり、黒く隠されている部分に映像が現れます。
例えば、海の柄のドレスは写真のiPadに写っているのと同じように、黒い部分に波打ち際の映像が現れ、さらに波の音と電子音が聞こえてきます。
次の、ワッペンがたくさん載った服は、ワッペンの花が明滅するように現れ、森の柄のドレスも隠されていた部分に森が現れて、それぞれ音も同時に流れます。
過程を語る服
服に描かれた模様に動きを与え、音によって臨場感をもたらすARの技術。
しかし、コレクションに向けた創作が始まった時点では、全く異なる着地点が想像されていたのだそうです。
服を作る現場では、様々な工程を経て一着の服が生み出されます。デザインの作業では試作の服に膨大な書き込みがされたり、生産の過程でも生地が作られたり、縫製されたり。
できあがった服が、それを直接見せることはありませんが、デバイスを服にかざすことで、服が作られる様子を浮かび上がらせるようなことができないか。そんな発想が、今回ARへと導かれたきっかけでした。
そして、製作の過程に着想を得た服も生み出されています。それがホックの付いたタイプの服。布を針で仮どめしたり外したりして形を決めていく作業をヒントに、簡単に開閉できるホックで形を変えられる服という発想が生まれ、形になりました。
折りたたまれた可能性
また、拡張現実であるARから着想を得て生み出された服もあります。
例えば、タックを用いた服。「拡張」に対し、開かれる前の「折りたたまれた」状態をイメージ。それを縫いつけて形をつくるタックの表現を発展させて、新たな形を模索したこのシリーズには、森永さんも手応えを感じる部分があったようです。
しかし一方、ARと服との組み合わせには、かなり苦戦を強いられたようで。そこに様々な可能性を見い出し、いくつものアイデアが生まれたものの、1シーズンという限られた時間の中で、成果にまでたどり着くものは決して多くはなかったと語る森永さん。
それは言い換えるなら、まだ見ぬ未来の可能性がそこに折りたたまれている、ということに他ならず。今後それが開かれ、拡張されるためのトリガーに、このコレクションがなるのだとしたら、その意味は大きいとも言えそうです。
そんなANREALAGEの過去のコレクションは、こちらで紹介しています。そして、ANREALAGEのホームページでも、これまでの全コレクションが見られます。
> 暗号化された服
> 映し出す服
> 隠された服
> 影と光
> リペア魂 × ANREALAGE!!
> ボタンでできた服!?
> 肌身を離れず
> サイズのない服
> 日に咲く服
> 残された美しさ
> 時の断片をまとう服
> 自立する服
> 保留される形
> 見えないカタチ
> ちょうど良い服
> ○ △ □ ?
> 凹 凸
> シルエット
> 乱れ咲き
> 昼の花/夜の花